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2007.09.05
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石崎幸二『首鳴き鬼の島』
~東京創元社、2007年~

 石崎幸二さんの最新作です。では、内容紹介と感想を。

 出版社に就職し、若者向けの情報誌を担当することになった稲口は、自分が提案した怪談スポットに関する増刊号の制作を任されることになった。稲口は、有名企業・竜胆グループ会長の私有地である首鳴き島(頸木島)の取材を申し込み、それが受け入れられた。
 首鳴き鬼伝説―。ある武将が、鬼の退治を命じられ、その右腕を切り落とした。その後、腕を取り返しにきた鬼の左手を切り落とし、さらに、両腕を取り返しにきた鬼の首を切り落とした。ところが、鬼の首が鳴くため、武将は首と両腕を島にもってきた。ところが、鬼の胴体はそれらを取り返しに、島までやってきた。武将は鬼の首と両腕、胴体を焼いたが、鬼の胴体は海水で濡れていたために全焼を免れ、いまでも首を求めて島をさまよっているという…。
 稲口は、久々に再会し、同じく伝説に興味を持った大学時代の友人・神合茜とともに、頸木島を訪れた。
 島の館には、竜胆一族と、会社の関係者、さらに、会長の息子である慎一郎氏の娘という女性らが集まっていた。その女性―牧村美紗子が慎一郎の本当の娘なのかどうかということで、一族の中がごたごたしていたことに加え、竜胆グループの会社の方でも、情報の漏洩、脅迫状が届けられた上での寮の放火事件などがあり、いかにも何かが起こりそうであった。しかも、島には台風が近づいてきていた。
 そしてその夜、事件が起こった。会社の情報調査課に所属する社員二人が殺された。一人は、右腕を切り落とされ、もう一人は、両腕を切り落とされていた。それは、首鳴き鬼伝説になぞらえた見立てであるように思われた。
 稲口は、たまたま同じ日に竜胆家に招待されていた、高校時代の友人で大学助手の影石とともに、事件の調査を進めることになる。

 ミリア&ユリ&石崎シリーズとは、がらっと雰囲気の違う作品でした。講談社ノベルスのシリーズの軽いノリが頭にあったので、なかなかとっつきにくい感じもありましたが、オーソドックスな本格ミステリで、面白かったです。ただ、本格ミステリとしては、<以下反転>ある人物の名前を、本名とは違う名前で地の文でも書き続けていたことは、厳密にはルール違反なのかな、と思いもしました。もっとも、この作品では、そのこと自体は謎解きにさほど重要な意義をもつわけではありませんでしたが。<ここまで>
 稲口さんの友人の、影石さんの飄々とした感じが良かったです。作品の最初の方に、元素の炎色反応の覚え方の語呂合わせが出てきて、これは嬉しかったです。元素の語呂合わせの覚え方は、石崎シリーズでもおなじみ(?)ですね。
 物語の終盤では、やりきれないような気分にもなりました。それでも、ラストは良かったです。





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Last updated  2007.09.05 06:44:10
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