カテゴリ:本の感想(あ行の作家)
愛川晶『夜宴(美少女代理探偵の事件簿)』 ~光文社文庫、2003年~ 美少女探偵・根津愛さんが探偵役をつとめる、長編ミステリです。 それでは、内容紹介と感想を。 ーーー 12月9日夜。上司からの指示で、捜査一課の桐野刑事は新しく買った車で、火事が起こった現場に向かっていた。雨で視界が悪いなか、バイパスに浮かぶ女の影。奇妙な動きをする女を車に乗せ、走っていると、桐野の車にトラックが突っ込んできた…。 * 桐野は、崖に落下したとばかり思っていたが、実際には道路に倒れており、大きな怪我はなかった。しかし、崖下に落ちていた車からは、乗せたはずの女が発見されなかった。警察の同僚には女のことを信じてもらえず、彼も考えなくなるのだが…。 * 桐野が事故をした翌日。料金所の係は、バイパスに入っていく男が、まるで自殺をほのめかすような言葉を口にするのを聞く。そして、男の車が崖下に落ち、死亡しているのが発見される。桐野の現場にかけつけるが、遺体には不審な点があった。車のドアはすべて内側からロックされているにもかかわらず、そして車の中には男の遺体しかなかったにもかかわらず、男の死因は扼殺と思われたのである。 * 被害者が、大きな建設業者の社長の息子ということで、捜査にも慎重が期されるが、なかなか進展はない。そんななか、桐野はすでにいくつかの難事件を解決している根津愛の知恵を借りに行く。 現役引退した名刑事・根津信三を父にもつ愛は、刑事たちにも一目おかれる存在だった。 この事件では、愛自身も捜査に乗り出していく。 ーーー 久々に愛川さんの作品を読みましたが、これは面白かったです。特に、本書は気になりながらなかなか買えずにいたこともあり、今回読めて嬉しいです。 上の内容紹介にも書いていますが、本作ではとても魅力的な不可能状況が提示されます。それらが論理的に解明されていく妙…。これだから、いわゆる本格ミステリはやめられないですね。 ちなみに、物語の舞台は仙台周辺です。、学生時代に住んでいたので、なんだか懐かしくなりました。 (2010/01/03読了)
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