カテゴリ:本の感想(あ行の作家)
愛川晶『霊名イザヤ』 ~角川文庫、2001年~
ノンシリーズの長編です。 それでは、簡単に内容紹介と感想を。
――― 幼稚園を経営するかたわら、園のたよりに載せていた童話を自費出版したところ、人気作家になってしまった深沢将人。彼の娘、沙貴は、多忙になった父を助けるため、園で働くようになっていた。 不思議の国のアリスを題材にした劇を考案し、多忙ながらも穏やかな日々を過ごしていた沙貴たちだったが、不穏な空気が流れ始める。 将人の担当編集者が起こした不祥事。将人に特異な思いを寄せる女の、園への就職。将人自身は、とつぜん記憶が途絶えたり、奇妙な錯覚を見たりするようになる。 そして、開かずの金庫から、イザヤに関する書物が発見される。自身の洗礼名との符号から、この書物や、自分に近づく女の謎に迫ろうとする中で、将人には恐ろしい記憶が甦ってくる。そして、彼の母の意図とは。 ―――
背表紙には、「ホラー・ミステリ作品」と銘打たれています。根津愛シリーズのようなトリックや論理性の重視というよりは、主人公(の一人)である将人さんの視点からの、ホラーの要素が強い作品という印象でした。 聖書外典(私は不勉強できちんと読んだことはないですが)やカタリ派といった、関心のあるテーマも扱われているので、そのあたりも興味深く読みました。
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Last updated
2019.01.30 22:13:24
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