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2007年07月03日
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少年サンデー 30/2007の「魔王」で、いじめられっ子がいじめっ子に復習するために塩素ガスを発生させて倒す、というストーリーがあります。

その中では、どのように塩素を発生させるかはかなりあいまいに書かれています(「酸性とアルカリ性の洗剤を混ぜると、塩素ガスが発生いたします」)。というか、これは試してみようと思う人が出ないようにわざと嘘を書いているというのが実際のところでしょう。実際のところ、日常的に売られているものを使って塩素ガスを発生させることは非常に簡単なことです。ただ、致死的な濃度にすることは難しく、よっぽど密閉された空間でないと不可能であることは確かです。

# 作画者があまり化学に詳しくないことは、防毒マスクをいじめられっ子に付けさせているのに手は素手であることから分かります(確かに粘膜に対するほどは影響は大きくないけれども、皮膚を出すべきではないのは確か)。

私が大学の4年の時、1,2-dibromoethaneとthiophenolを反応させて、1-thiophenyl-2-bromoethaneを合成するという反応をやってた事があります。

実は硫黄(S)から炭素2つ離れてハロゲン(Cl,Brなど)がある化合物は一般に「マスタード」と呼ばれ、非常に強い毒性を持っていることが知られています。詳細な理由は省略しますが、この手の化合物は極めて強力なアルキル化作用を持っているためです。私は偶々実験中に反応液を皮膚につけてしまって、そこが水ぶくれになったのを思い出します。

同様に窒素(N)から炭素2つ離れてハロゲン(Cl,Brなど)がある化合物は「ナイトロジェン・マスタード」(nitrogen mustard)と呼ばれます。これは現在でも研究されていますが、主に抗がん剤としての使用です。つまり、活発にDNAを複製しているがん細胞に働きかけ、そのDNAをアルキル化することによって正常な細胞分裂を阻害する、というものです。抗がん剤の機構としてはかなり古典的なものではありますが、古典的な方法を利用しつつ、「いかに正常細胞には作用させず、がん細胞にだけ作用させるか」という選択的な作用を発現させるか、というところに狙いがあります。

mustard, nitrogen mustardは、簡単に合成することができますが、興味半分で合成するとご自分にその災禍が降りかかってくることをお忘れなく。





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最終更新日  2007年07月03日 21時44分08秒
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