ビート(砂糖大根)
今日は美深町のとあるイベントで出店した。ここ最近の天候もあってかかなりの加工品ができつつある。定番の大根葉のふりかけをはじめ水菜ふりかけ、白菜の薬膳キムチ、薬膳キムチの素やんにょむ、エゴマのしょうゆ漬け。そして、今回話題を呼んだのがビート。嬉しいことに今年、200キロほどのビートが収穫できた。ビートというのは甜菜糖の原料になる甘みのある作物。隣のおじちゃんが「昔、甘いものがない時代に、よくビートを煮詰めて飴にしたもんだ。それが何よりのごちそうだったなあ。」ということを懐かしがっておっしゃっていたのが妙に心に残った。冬の加工作業にうってつけではないか。そして、砂糖も自給できるようになりたい。そこで今年は余った苗を近所の農家の方からいただいて、栽培を試みたのだ。しかし、家庭のキッチンで行うにはひどく非効率。ということで先日のカボチャの加工と同時並行でビート飴作りも行った。そのビート。今回、ビート現物の展示とビート飴の試飲、そしてビート飴を絡めたパンみみの販売を行った。このイベントに集まる方はほとんどがお年寄り。そのビートをみて懐かしがる人が大勢。「昔、おれんとこでもよくつくっとった。」「おっきななべで煮詰めて、一升瓶に5本ほど正月用に作ってたの」このビートを媒介にして、会話が弾む。ビート飴は昔の人の智慧の一つだ。モノのない時代、なんとか工夫しようとすることで生まれた智慧。今はモノにあふれている時代でその智慧が働かない。あの隣のおじちゃんの一言で始まったビート作りだがぜひともこうした昔の智慧を伝承というか学んでいきたい。砂糖を自分で作る。もちろん、糖分過多な体質になっているのが我々。取りすぎることは禁物。しかし、糖分も人間にとって実は必要不可欠。どんな糖分を取るかが問題なのだ。もちろん自然のものからの糖分が一番良い。それが果物。そしてこのビート飴。こうして昔の作り方で作ったのならばまだ自然に近い方かもしれない。実際、このビート飴は苦味のある甘さ。野性的な感じ。市販されている甜菜糖ともまた違う味。「このほのかな苦さがなつかしい」とはまた別のおじちゃんの感想。(煮詰めるとこんなに少量になってしまう。だからこそこのビート飴は貴重。それでもまだまだ煮詰め足らないそうだ)このビート一つでなにやら色々ふくらみができそう。まだまだたくさん倉庫にビートは眠っている。冬の加工作業にまた一つ楽しさが加わることになるだろう。by Yasu