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カテゴリ:映画
『小さなおうち』、監督・山田洋次
原作は、言わずと知れた中島京子の直木賞作品。 もちろん、小説と映画は違う。改変されている。でも、まぁ、こっちも随分前に読んで細部は忘れているし、そういうものとおもっているから、特に気にはしない。映画を観て、小説も読んでくれれば御の字だ。 何よりも、キャストが揃っている。特に倍賞千恵子、橋爪功、小林稔侍、米倉斉加年あたりは、でているのは短いけれど、しっかり記憶に残る。 ☆ メインに据えられているのは松たか子。平井時子という「小さなおうち」の、女主人とでもいったらいいのだろうか。彼女が赤い細帯をくわえながら着物を着るところは、カメラが斜め後ろあたりから撮っているのだが、とてもいい。タキ(黒木華)にもませるところ、板倉正治(吉岡秀隆)の下宿の階段を上がっていくところ、など、脚をみせるところがある。好みかどうかはべつにして、「艶」というかんじがする。 「小さなおうち」はハイカラで、ほかの家とはおよそ異なっているのだけれど、ここには2階があり、窓がある。フランス窓というのだろうか、これは台風でばたばたしたりするのだが、ここから家人が顔をのぞかせ、外をみるのはただ1度しかない(正確には、もう1度、だけれど)。 いろいろなモノが凝っているのも特徴。部屋の奥にたてかけられている箏。モンドリアンの複製。雑誌「みずゑ」。あるいは、タキが年取って------これが倍賞千恵子------独り暮らしをしているとき、ベッドの枕元にペットボトルがあったり。 遠くで、静かな部屋のなか、汽笛が届く。ピーッと汽笛がなり、すこし間があってから、低いボーッという音がする。それが3回、だったか。この距離感とストーリー上の間合いはなかなか。 ☆ 音楽は久石譲。アコーディオンが3拍子のテーマを弾く。 板倉正治が芸大出身ということになっていて、絵がたくさんでてくる。この「絵画監修」は薮野健。早稲田出身なら、というか、いま早稲田キャンパス内を歩けばいたるところで薮野作品をみることができるのは、よく知られたこと。絵葉書もいろいろあるし。 ☆ すでにお知らせ済みですが、18日(月)には、フランスの作家、ダヴィド・フェンキノスと、中島京子さんが早稲田・戸山キャンパスで、ちょっとしゃべってくれます。18:15から31-208教室です。よろしかったら、こちらも。 ☆ 映画のロードショー公開は1月25日(土)。けっこう長くて、2時間16分。 http://www.chiisai-ouchi.jp/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013年11月18日 07時42分59秒
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