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あいうえお道場/職業訓練編

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カテゴリ:エロい人
キャッチフレーズ
『アキバ発!!新感覚萌空間メイドかふぇくらぶ』
ぴゅあはーと


秋葉原昭和通り口沿いをそぞろ歩く。満たされない何かを抱えて男はアキバを歩く。就職は決まった。精神科の医師も大喜びだった。マリエルも喜んでくれた。春みたいな陽気が私の情緒をふわふわとさせるのか。射精すら満足にできぬ身体であるのに。メイドさんがビラを配っている。受け取って、店はそこ?と聞いてみる。アキバの街を何年も歩きながらメイドカフェのひとつも行ってないのもナンだな、話の種に行ってみるか。ややゴスロリ風味の茶色のナース服を着たキュートなコとむっちり黒髪の正統派メイド服(ペチコートがスカートの中にいっぱい)に一声かけた私は促されるままに、カフェのあるビルのエレベータに向かっていった。私がエレベータに乗るとすべりこむようにふたりのメイドもエレベータに乗り込んでくる。「メイドカフェは初めてですか?はじめてだとドキドキするんじゃないですか?」なんてことを狭いエレベータ内で話しかけられる図を、もしもエレベータの防犯カメラの角度で見下げたら、いとをかし、だな。じつはサービスはこのときより始まっていたようなのだ。

店内に入るとボーイの格好をした女のコが店のシステムを紹介してくれた。チャージが40分で1500円。延長が20分1250円。そのほかになにか1品をオーダーする。女のコは断続的に交代するようで気に入ったコがいれば指名して指名料が1000円。なんというかパック性のクラブのような方式であった。そう、このお店はメイドカフェといってもメイドカフェクラブ。ただ、お品をオーダーして運んでくるウェイトレスとは違ってホステスとしての性格が強いのである。

「お帰りなさいませ、ご主人様!」と例の言葉。現れたのは茶色ゴスに身を固めたマリアちゃんだった。私がビラをもらった相手である。着席してもらってとりあえず私はココアを頼み、マリアちゃんにも好きな飲み物を頼んでもらった。強制ではないが、メイドに飲み物がないのは野暮というものである。顔がカチっとキュートで深田恭子がもっと鋭角的にシマったような、ようするに極上にかわいい女のコであった。こんなコが私を見てくれている。私は彼女にいくら視線を浴びせかけてもすべて受容してくれる。この状況はまことにいい気分だ。“萌え”の感覚。これが萌えなんだよ、わかったよ、マリアちゃん。

学生さん?と聞くと、「それは若くみえるということでうれしい」とのこと。実際は24歳くらいか。遠方より通勤するメイドが多い中、マリアちゃんは都内出身で、やはりというか中学は女子校であった。どんなおしゃべりを楽しんだのかというと、綺麗な女性に「綺麗だね。」と屈託なくいえることの自由がどれだけ気持ちいいのかってこと。一般社会ではそういうことはできないのだ。
こんな会話をした。『そうそう、朝、オヤジと電車の中でマナーのない女の話をしたんだ。オヤジがいうのはそういう女はきまってブスだっていうんだ。オレは、それはアタリマエだっていった。かわいいコは道を歩いていても男の視線に晒されているからそうそうおかしなことはできないということさ。マリアちゃんもけっこう大変でしょ?』

私はそんなでもありませんよ、と決まって本当にかわいいコは返答するのだった。マリアちゃん自身もかわいい女の子をみるのは好きだという。
『いやあ、リラックスできるなあ!「お帰りなさいませ、ご主人様」の意味がわかったよ!』と私は二の腕を上げて伸びをした。肩口のソファに両手をかけて大名気分。もちろん、マリアちゃんを指名した。すると対面から横へと座席が変わるのである。マリアちゃんはもともとコスプレが好きで、それもどこかへ出かけていって見せるのではなく、部屋の中で、ひとりでやっているのだという。自己完結しているのだな。私はいった。『オタクは立派なサブカルチャーだ。私はオタクをリスペクトしている。ゲーマーになりたいと思ったこともあった。でもひとつ言えるのは、この世界だけに浸っていてはいけないんだ。たとえば、モテなくてもブ男でも、洋服でオシャレすることは大切なんだよ。もちろんリュックを背負ったあのスタイルがひとつのスタイルとして確立されていることも認めるけど』私は、店内にいるブ男たちをそれとなく見回しながらマリアちゃんにいった。マリアちゃん、およびその店のメイドさんの凄いことろは、まずひとりひとりコスチュームが違い、それがその人のキャラに合わせてばっちり決まっていること。採寸して作っている。そして、傾聴や共感的な態度といったカウンセラー必須の接遇がちゃんと身についているということだ。私は今回3600円のお代となったが、決して料金は高くなく、むしろ安いとさえ感じた。なによりスナックとちがって健全であること。これが萌え文化を根強く支える元となっていると思う。ん?まてよ、健全でいいのだろうか青年よ。

ぴゅあはーと





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最終更新日  2007年02月01日 21時25分41秒
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