恵比寿の名月
予定より一時間早い、のぞみに乗り、東京に行った。朝4時30分起き。前日は3時に就寝。よく起きる事が出来たものだと思う。お風呂に入り、身支度をし、朝食をとらずに6時32分のローカル電車に乗る。これでのぞみにはギリギリなのだ。どうしてこんなに新幹線が混んでいるのかと不思議で仕方なかった。のぞみに乗り込む、私は2列席の窓際なのだ。せっかくお風呂に入って、ちょっとおめかしして東京に行くのに、洋服にたばこの臭いがつくのも嫌だったので、喫煙者の私だったが、禁煙車両を選んだのだ。さすがに空気が違う。席はすぐに見つかった。とても混んでいて、空いているのは一つしかなかったのだ。通路側には110キロ位ありそうな男性が座っておられたが、さすがにのぞみ、席の前後の間隔が広く、難無く着席した。これから今日は長丁場、しっかり朝食をとらねばと考えていた私は、のぞみ到着までの数分の間にキヨスクに寄って、思わず、【とんかつ弁当】を手にとってしまっていた。【朝】から、のぞみの車窓を眺めながら【とんかつ弁当】を完食してしまった・・・。アッハッハー。ふと座り直そうとすると、巨体の男が、真中の肘掛を占領している。しかも新聞を広げて、とっても感じが悪い。この男は、4人家族でのぞみに乗っていて、一人3人掛けからあぶれて同列の二人席の通路側に座っているのだという事が分った。家族も暑苦しいのだろう。私もそうだった。でものぞみのシートは快適。窓側には充分なスペースもあるので、ひたすら勤めてリラックスして飛んで行く景色を見ていた。今日は富士山もきれいに見えるだろうという天気だった。名古屋に到着前、ようやく、3列席の通路側に座っていた奥さんらしき女性が、巨体に声を掛けた。旅でこの夫婦は、乗り換えの話ししかないのかと思った。そんなこんなで名古屋に到着すると、ほとんどの乗客が降りた。新幹線が混んでいたのは、愛知万博のためだったのだ。私は、2人席にゆっくり座り直した。周りを見まわすと、ほとんど人はいない。まして、私がおりる新横浜までは、だれもこの横の席には座らないのだと思うと、解放感で緊張がほぐれた。気が付くと、新横浜着10分前のアナウンス。せっかくの天気に富士山も見ないで、爆睡していたのだった・・・・。大切な人に会う為に八王子に一時間早く到着。30分懐かしい町の中をうろつき、30分、東急スクエアという、私がいた頃にはなかったビルでお茶を飲む。そして丁度に伺った。生命が洗われるような時間を過ごした。午後5時すぎ、また八王子駅着。せっかく東京に着たのだ、日本初のレースクインのTちゃんと約束していないはずはない。もう1ヶ月前からスケジュール調整をしてもらっている。Tちゃんも私にとっては、とても大事な友人。時間を忘れる一人なのだ。恵比寿で待ち合わせだった私は、中央線の快速に乗り新宿へ、新宿までこんなに遠かったとは思わなかった。おかげで熟睡した。新宿で駅の改装中のトイレで化粧直しをして、山手線に乗りかえる。うーん、ここで逆に乗ってしまって、一駅で気が付いて、おり返しました。恥ずかしい・・・。恵比寿駅に着くと、『ちゃっちゃ~ら・ちゃっちゃ~ら・ら・たらら・たらら・たらら・ら♪』と聞いた事のある曲が列車の到着音になっているのに気が着いた。あのコーラスラインの音楽なのだけれど、『恵比寿駅で恵比寿ビールのCM曲かぁ』と思うと楽しくなった。恵比寿駅には本当に恵比寿ビールがあるのだ~。Tちゃんと改札で会い、そのまま、長い長い遊歩道に乗る。2人で夢中で話しながら、どんどん人が歩いて追い越して行くのをかわしていた。でも、あんまり遊歩道が長いので、これは歩かないといけないのかと思い。やっと並んで歩き出した。遊歩道を抜けると、そこは、びっくり、本当にきれいな場所。洗練された建物が沢山並んでいた。『やっぱ、東京はきれいやなぁ』と話しながら、ガラス張りの中が四角に吹きぬけの、建物に入る。ここで、ビールの出来たてが飲めるらしいかった。サッポロビールの工場の跡地を開発した場所とのことだった。2人でアジア風の飲み物があるお店に入り、1時間また、小泉政権の話しを中心に話す、ほとんどは、Tちゃんの話しを聞いているのだけれども、Tちゃんの話しはオリジナルな角度があり面白い。予定時間をオーバーして話しこみ、外に出たらすっかり秋らしい空気になっていた。公園のような敷地を歩くと、クリスマスの時に飾り付けされるという広場に出た。落ち着ける広場だ。ふと見上げると、中秋の名月が私達を見ていた。きらびやかな建物を際立たせる深い夜の空に、鮮やかに静かにそこにあった。圧倒的な美しさだった。大切な友人と観る月は本当にいいものだ。そのあと、Tちゃんが予約していてくれた、○○エツさんが常連のすっごいおいしい焼肉やさんでまた話しつづけ、贅沢な時間を過ごし、渋谷まで送ってもらって、新宿から高速バスで京都にもどった。