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第九十段バターケーキのようなシアンを胸に抱いていた。 ★☆★☆ ミックはなおも応える。 『お前の荒治療のおかげでな』 お前、、か。不敬罪で死刑だぞ、ミック。 俺たちが入隊してすぐに受けた訓練。 訓練というより洗脳教育だ。軍に対する忠誠、とりわけ 総帥とその家族に対する忠誠と敬意は、骨の髄まで 叩きこまれたはずだ。 『ゴクウはまだなのか?』 とミックの声。 『まだだよ。頭痛に苦しんでいる。』 シアンだ。 ゴクウ?頭痛? 『彼には甘いな』 ミックは底意地悪くからかうように言った。 『思い出されると困ることでもありそうだな』 『そうでもないよ』 シアンの声は弱々しかった。 『そうでもなくはないだろう?』 ミックのくすくす笑い。 『お前は奴の心臓を掴んでいるのに、相も変わらずそんな調子だ。 全然反省してないな。』 『昔とは違うんだ。』 『違わないさ』 シアンの言葉に被せるようにミックは鋭く言い返した。 『本当に変わったのなら、今すぐ奴と逃げろよ。』 その彼の声は辛辣ながら真摯な響きを湛えていた。 シアン?誰と逃げるだって? きちんと聞き取れるようになっても、その内容は全く ちんぷんかんぷんだった。 『いいかい、コーガイジ。こんな世界のままでいいのかい? 僕たちにはなんとかできる力が与えられてる。 逃げるわけにはいかないよ。 君が僕だったとしても逃げないさ。』 誰だ?コーガイジ? いったい、お前たちは何を、そして誰を相手に話しをしているんだ? それにしたって眠い。やたら眠い。 眠っている夢の中でさえ、俺はまだまだ眠り足りないんだ。 『世界?』ミックの声に持ち前の意地の悪さが閃いた。 『こんな世界!くそったれだ!』 その言葉と同時にジョンの近くで何かがぶつかって割れる音がした。 と、すぐに『あっ、あちっ!、、な、なんだ、こいつら。』 ミックのうろたえた声。 あ、タイルだな。 ジョンは目を開きたかった。身体を動かしたかった。 ミックの狼狽した間抜け面を見たかった。 俺だけが仰天したみっともない顔を誰かに見られたなんて フェアじゃない。 いつも不敵な面構えのミックがどんな様子なのか是非見たいと思っても 罰は当たるまい。 だがのろまな思考以外全てはやはり固まったままだ。 目には見えないが、確かにシアンを抱きしめて。 すぐに誰かが部屋に入ってくる気配がした。 殿下、大丈夫ですか? ホワイトの声だ。一部始終をモニターしてたんだな。 念入りな夢だ。 いや、そうじゃない。これは夢ではない。 やはり現実なのだ。 ではこの胸に抱いている男は誰だ? 『大丈夫だよ、ハクリュウ。 タイル君たち!これはテストだ。持ち場にもどって。』 シアンが言った。 ホワイトをハクリュウと呼んだ? ああ、さっきホワイトが言ってたな。 シアンはホワイトをハクリュウとも呼ぶのだ。 『ちっ』 ミックが何に対してか忌々しそうに舌を鳴らした。 お遊びの時間は終わった。 彼はぞっとするような冷めた声でそう言った。 『ハクリュウ、船を用意してくれ。』 次の声には、ハクリュウことホワイトとの間に 何がしかの浅からぬ結びつきを連想させるものが込められていた。 『コーガイジ』 ホワイトがつぶやいた。そして会話の脈絡を無視して言った。 お前を抱きしめてもいいか? 嫌だね。 素早く冷淡なミックの声。 だがホワイトは抱きしめたようだった。 ミックがくそっと悪態をついた。 『女だね』ホワイトが言った。 『だからどうした?』 ミックの声はますます冷たく苛立っていた。 ジョンは知っていた。ミックは女だ。 つづく 吴亦凡くんです♪ミックのイメージ。。。どうでっしゃろ? 九十二段アップしています♪ 第九十二段『キャプテン。俺と一緒に行きましょう』 つづきお読みになりたい方や 最初からお読みになりたいごキトクな方は (たぶんいらっしゃらないと思うけど)下記の 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ早見表 ↑ からどんぞ♪ ウィリアム・フォン、馮紹峰、フォン・シャオフォン、ペン・シャオペン William Feng 以上全部同じ人(笑) 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ早見表ってことでヨロシク♪ 『可愛いに間に合わない』新着記事一覧 ↑ここから目的の記事を探して頂く方が早いかもしれない? もしもお気ににして頂けるならば、その時もここのほうが、、 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2016.08.10 11:15:23
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