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2006年10月12日
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昨日、一昨日と、欲望を捨てたら苦悩から開放されるのか

について考えてきました。

一日目ではマズローの欲求五段階説を、

昨日は4年前に出会った中村天風の教えを書きました。

いいところまで来たのですが、まだ解らなかったのが、

3日前納得のいく答えまでたどり着いたのです。

今日はその話を書きます。


今まで理解したことを整理しておきます。


理解できたこと。

 ●欲望には苦しい欲望と、楽しい欲望の二種類ある。

 ●肉体・感覚・感情・理性に基づく欲望は全て苦痛を生む。


理解できなかったこと

 ●霊性を満足させる欲望が楽しい欲望というが、

  一体霊性の欲望って何?

 ●霊性の欲望を燃やしていくと、苦しい欲望が自然と

  なくなっていくと言うが、どうしたらいいの?


 たまたま私のページに訪問していただいた、

とね しゅんじさんの人間物語を読むことにより、

私がここ数年考え続けてきた、欲望とのつきあい方に

遂に納得いく説明ができたのです。


 ●霊性とは何か?

これを理性や感覚で直接理解しようとしても、絶対解らないと思います。

これは実感してみるしかありません。

そうすると、本当のことだとわかります。

どうやって実感するか?


まず人がなぜ苦悩から開放されないのかというと、

人は思い上がった勘違いをしているからなのです。


どうしても人は自分の都合のいいことを増幅し、

自分に都合の悪いことは無視します。

そうして、実際よりもずっと立派な自分像ができてしまうのです。

それは自分を特別な存在と思いたいエゴにとっては、

とても都合のいい考え方だからです。


しかしながら、本来の自分よりずっと立派な自分を演じ切ることは

大変な苦痛を伴うのです。

無理をして演じているからです。


大人なんだから、立派にいきてなきゃいけない。

自分はこれくらいのことができて当たり前だ。

自分が特別な理由を持って生まれてきたはずだ。

生きている理由が必ずあるはずだ。

自分には理想とする能力があるに違いない。

自分には何か役割があるに違いない。


そうして、人はいつの間にか実際の自分より

はるかに背伸びした生き方をするようになり、

苦痛を感じるのです。


究極的には、そういった背伸びした自分像を捨て、

ありのままの自分を自覚することで苦痛から解放されるのです。


しかしながらこれがそう簡単なことではありません。


まず自分の肉体は自分のものだと思っていたら、それは間違いです。

肉体は自分で作ったものではないはずです。

自然の摂理により精子と卵子が結合し、

この世に生まれてきたのです。

自然の摂理が私を生んだのであって、

私が自分で自分の体を作ったわけではないのです。

だから肉体はただ、私たちにこの世で生を維持するために

貸してくれた乗り物です。


その次に、

自分の精神が自分のものだと思っていたらそれも間違いです

生まれてきたときは全く白紙の状態で生まれてきたはずです。

その白紙にいろんな色を付けていくのは、

生まれてからの経験です。

その経験によって色を塗られただけで、

自分で色を塗っているのではないのです。

自分の心という入れ物に、

必ず何かが入っているのが本当の自分の心だと思いがちですが、

実際は、何もない空っぽなのが本当の自分なんです。

人は寂しさや悲しさを経験すると、

自分の心に穴が開いたように感じ、必死で埋めようとしますが、

自分の心が詰まっていると思い上がっているからこそ、

そういう行動をとってしまうのです。

自分の心というのは、本来ないものです。


結論を言うと、自分というものは何もないのです。

自分が生きている意味もないし、

存在意義もないし、生を受けた特別な理由もないんです。

ただ、自然の摂理によってそうなっているだけ。

そして、今後も自然の摂理に従って命を返し、自然に戻るのです。



つまり自分とは自然そのものです。

生きていようがいまいが、常に自分は自然の一部であり一体なんです。


そして肉体も精神も自分のものでない、

そして自分は自然の一部であるということが理解できると、

自然と霊性とは何かが理解できるようになるのだと思います。


私の感じた感覚で言うならば、

霊性とは、肉体や精神から自分を解放して、

自然の一部として、自然と溶け合い、融合することにより得られる

なんともいえない静かな悦びに浸っていると自然に沸き起こる、

周りの人、動物、木々、自然、そして万物を愛おしく思う気持ち


ではないかと思うのです。


中村天風が言いました。

「 霊性の満足とは、自己の言葉や行いで、

 他人を喜ばせることを目的とする。」


この意味がよく理解できるのです。

他人を喜ばせるということを、理性で理解しようとしていたから、

無理があったのです。


自分から肉体と精神を解き放ち、万物と一体になることによって初めて、

心のそこから周りにあるあらゆるものが愛おしく感じ、

その万物のために今与えられた命を燃やそうと思えるのだと思います。

それが霊性を満足させるということなのではないでしょうか?



ここまでたどり着くと、中村天風の言ったこの言葉も理解できたんです。

「 本能や感覚や感情や理性の生活への執着から離れようと思ったら、

 それを離れようと思わないで、

 霊性本位の生活の方へと自分の心をふりむけていくと、

 しぜーんと離れちゃう。」



これはとても驚くべきことだったのですが、

自分の精神は空だということを理解したときから、

自分の中にあった寂しさ、憎しみ、怒りなどの、

あらゆる悪感情から解放されたのです。

寂しさを埋めようと必死になっていたのに、

寂しさがどこかへ消えたんです。

寂しさを埋めようとしていたあらゆる欲望、

つまり食欲や性欲なども、必要以上にはなくなったのです。

昨日は朝ごはんをすっかり忘れていました。

それくらい今までの過剰食欲が嘘のように消えてしまいました。


そして、四六時中、心が静寂を極めた湖みたいに澄み渡っていて、

雑念がないんです。そして静かなる悦びを感じてるんです。

以前瞑想をしていたときにも、これに近い感覚はありましたが、

今ははるかにそれを超えています。

瞑想しなくても、瞑想しているような境地にいるんですから。

この感覚、是非味わっていただきたいと思います。


それで、今までの集大成として出来上がったのが、

この欲望の図なんです。

このページのフリーページの人間の4つの欲求に貼り付けてるので、見てください。

どうでしょうか?かなりいいところまでたどり着いたと思うのですが。

コメントいただけると嬉しいです!





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Last updated  2006年10月13日 01時26分17秒
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