帝王切開について。
今朝のニュースで、帝王切開での出産への理解が、世間一般であまりなく、心ない言葉をかけられることがあるとやっていました。「帝王切開は楽だから甘え」「自然分娩で陣痛を経験していないと、母性が育たない」「自然分娩で産道を通っていないと、辛抱のない子供になる」等々、義親や友人知人からそういった心ない言葉をかけられた経験がある人が結構いるそうです。特に、団塊以上の世代には、自然分娩至上主義や陣痛崇拝のようなものがあるようです。陣痛を経験していないと母性が育たないなら、無痛分娩が一般的な欧米などでは母性がない人ばかりなのか?そんなことは無いと思います。帝王切開は甘えと言う人が居るようですが、これも違うと思います。帝王切開は自分から希望するものではなく、胎児や母体が危険と判断された時、医術的に手術でするものです。しかも、開腹手術なのに、全身麻酔ではなく部分麻酔。通常、開腹手術の場合、全身麻酔で行います。なのに、部分麻酔のため、最初の麻酔の注射は全身麻酔と違って痛みを伴い、術中は痛覚は無くとも触覚は機能したままです。産後も、手術の術痕の痛みは凄まじく、とても楽とは言えません。しかも、一度帝王切開をした場合、基本的に二人目三人目を産む時にも同じく帝王切開。術後の癒着などの危険もあります。この事実をもって、何を根拠に楽と言えるのか?と思います。私の場合は、陣痛はきたものの、子宮口がなかなか開かず、陣痛が来る度に胎児の心拍が低下したので、このままでは胎児が危険と判断されての緊急帝王切開でした。私の周りは、義母・実母・実妹が帝王切開で出産しているのと、私や義妹は元々同じ医療従事者なので、幸いにして私は心ない言葉をかけられたことはありません。むしろ、「大変だったね、痛いよね~」という反応でした。義母は身長が小さく胎盤よりも子供の方が大きかったため、実母は破水後もなかなか出てこず、羊水低下で危険と判断されたため、実妹は妊娠高血圧症候群で胎児が危険になったためでの帝王切開です。いずれも、胎児の安全のために手術になりました。子宮と腹部の皮膚を切る手術なのに、甘えとか楽とか言えてしまう神経が分かりません。同じ、子供を無事に産む行為に対して、もっと理解が広がることを願います。私も自然分娩で産めるものなら産みたかったです。それでも、子供を守るためには仕方なかった。帝王切開では、二人目も帝王切開になるし、3人までが限界と言われています。1年以内に妊娠すると、子宮破裂の恐れもあります。甘えなどと簡単に言わないでほしいものですね。