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2004.07.09
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映画『ミスティック・リバー』の原作者、デニス・レヘインの“Shutter Island”を読了です。やっと書評にまとめました。近いうちに書評のコーナーへ移します。

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"Shutter Island" Dennis Lehane ISBN 038073186X  p.416

 ボストン沖の孤島、シャッターアイランド。そこには精神を病んだ犯罪者を収容する病院がある。1954年のある日、鉄壁の警備を誇るその病院からレイチェルという名の女性患者が行方不明になった。

 捜索には連邦保安官のテディが相棒のチャックとともに派遣された。テディには癒されない心の傷がある。それは放火魔、ラディスによって愛する妻が殺されてしまったことだった。そしてラディスがこの病院に収容されているという情報をつかんだテディは、レイチェル捜索をしながら密かにラディスをも捜し出し、その罪の報いを受けさせようと企てていた。

  捜索を進めるうちに、テディたちはレイチェルの独房に残された謎のメッセージを発見する。暗号を解読したテディには、レイチェルが外部に何かを知らせるために事件を仕組んだように思えてならない。この病院でいったい何が行われているのか? ラディスは本当にここに存在するのか? そして神経をすり減らしながら島全体を包む大きな謎に挑むテディには、自身の心の闇が手招きしていた……。

 孤島、暗号、密室、精神病院、人体実験、迫りくる嵐など、今回のレヘインは舞台設定に余念がなく、読者を主人公とともにぴりぴりした息苦しい閉塞感の中に叩き込むことに見事成功している。読者はいつのまにかテディとともに島を探索している自分に気づくことだろう。そして「驚愕の結末」に向かうのだ。
 この「驚愕の結末」という売り文句はよく聞くものの、滅多に「真の驚愕の結末」というものに出会えるものではない。その意味で本書の結末には本当にびっくりさせられた。レヘインがこういうものを書くとは、私は思いもしなかったのだ。これがディーヴァーによるものだったら、こんなに驚きはしなかっただろう。そう、この驚きはオコンネルの『クリスマスに少女は還る』以来かもしれない。私にとっては予想を完全に裏切られた嬉しい驚きだった。

 ただし手放しで賛辞を送れないのも事実だ。すべてはこの「大仕掛け」がそうさせるのだろうが、主人公がここまで闇を背負うことになるレヘインお得意の「心の痛み」が、前作『ミスティック・リバー』のようにストレートに伝わってこない。問題の時点で主人公のとった行動は単なる現実逃避に思えなくもなく、描写がこれまでの作品より荒い気がする。また読んでいる最中もどこかすっきりしないのだ。

 と、一応苦言も呈したが、裏を返せばこれは高水準の作品を書くレヘインにだからこそ、つい求めてしまう辛口批評だ。「結末」で見事に裏切られ、あまりの悔しさに本当に粗はなかったのかと再読にかかった私には、本書もまた忘れられない作品になるだろう。





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Last updated  2004.07.09 22:27:51



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