テーマ:俳句(532)
カテゴリ:俳句
12月7日『NHK俳句』 兼題「狼」または自由 選者 長谷川 櫂 特選三句の中から、私が注目した句にコメント。 日本では狼は絶滅している。だから実物としては詠みようがないのだが、内なる狼イメージを生き生きと写すことはできるようだ。 狼や 人なる闇も浅からず狼が残酷だと言われているが、人間もどうして、無差別大量殺人をしたりして恐ろしい。その意味で人なる闇のなかに今も狼が住んでいるのだろう。 狼の絶えて山野は荒れにけり狼を山の守護神のように考えていた時代を連想しているらしい。ここでは山野が荒れるとは、むしろ人為的に引っかき回されること。いわば、人の爪によってえぐられるのである。逆に、自然への畏敬の念を忘れていなければ、自然に荒れ放題の山野は必ずしも荒れてはいないのだろう。 では、自作。 飼い犬の世に狼は眠りたりほとんど象徴的な意味の句。作句意図としては、こんな世の中では自分の野生はとても発揮できないという意味で作ったのだが、この平和ボケした日本でいつ狂気や暴動が生じるか分からない、というような意味も出てきて、ちょっと恐ろしげでもある。 《『NHK俳句』のホームページ》 人気blogランキング ↑この記事が面白かった方、またはこのブログを応援してくれる方は、是非こちらをクリックしてください。 「p(^o^) 和の空間」の Window Shopping |
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