カテゴリ:短歌
辺見じゅん選の入選と佳作から、私の注目した歌にコメント。 毛糸編み猫はべらせてロッキングチェア童話のおばあさんにはなれなかったよ孫の世話やらなにやらで、とてものんびりなんかしていられない老後だったりして・・・。(^^ゞ たっぷりの愛と時間が編み込まれ少し重たい手編みのセーター作者はセーターを贈った本人? あるいは息子がもらったセーターについての歌であろうか。男がいちばんその“重さ”が分かっていなかったりする。分かるとちょっとコワイかも。。。(^^; 亡き母の編みし毛糸の手袋に妻は雪掻く二十年間嫁姑関係が象徴されている。 年金の暮らしに重い灯油代払いて残りの札をかぞえる時事の歌。そういえば石油価格の高騰で大騒ぎしていた時期があった。 世界地図自由と民主で編みてきし米のジャケット綻び初むる技巧的・観念的ではあるが時代を的確に捉えているし、スケールが大きい歌なのでピックアップ。 セーターを編んでは解く保健室毛糸もち寄り恋の相談いかにも悩める青春のほほえましい一場面である。恋と同じく毛糸も編んでは解き、編んでは解き、……終わりがない。 昏睡の夫の目覚めを願い編む赤いマフラーはや五メートル「“はや”五メートル」だと、まだずっと先がありそうで、先が思いやられる。 物乞いをしても言葉を崩すなと云いしわが父物乞いは卑しくはないが、粗暴・乱暴な言葉を使う者は卑しい。おそらく貧乏をしてきた作者の父の屯田兵としての矜恃だったのだろう。誇りと精神を失った者は、物の欠乏がそのまま自己の卑しさにつながる。 《『NHK短歌』のホームページ》 人気blogランキング ↑この記事が面白かった方、またはこのブログを応援してくれる方は、是非こちらをクリックしてください。 「p(^o^) 和の空間」の Window Shopping |
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