カテゴリ:短歌
川野里子選の佳作から、私の注目した歌にコメント。 過疎つづく村の遺産を守らんと村人集い郷土史を編む息子や娘がいれば彼らに話すこともできようが、おそらくみんな都会に出てしまって話す相手がいなくなってしまったのだろう。でもなんとか自分たちの歴史を残したいというので、文章にして残す。そんな形ででも各地の歴史はしっかり残ってほしいものである。 ラーゲリで編みし手袋黒パンに換えて生きたる年もありたり手が寒いどころではない窮乏状態。 短歌欄廃止唱えて社内誌を編集せし我れ退きて歌詠む不思議なもので、こういうふうに正反対の気持ちになってしまうことも時々ある。 恋人の編みし組紐身に付けて息子はわれより遠のいてゆく息子としては得意気でけっこう嬉しかったりするが、母親としてはちょっと寂しい。 大根を切る手応えで味がわかる年代物の主婦となりたり“年代物”が面白い。 職退きて前編終へし人生の後編への坂ひとり見上げるこの作者にとっては、退職後の人生は上り坂なのか。老後を生きるのはけっこうキツイと思っているのかもしれない。端から見ているように必ずしも“下り坂”じゃないんだね。 《『NHK短歌』のホームページ》 人気blogランキング ↑この記事が面白かった方、またはこのブログを応援してくれる方は、是非こちらをクリックしてください。 「p(^o^) 和の空間」の Window Shopping |
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