カテゴリ:短歌
『NHK短歌』2008年4月号のその他もろもろの歌から、私の注目した歌にコメント。 さくらばな広がる景に連翹がまじると神経のたががはずれる ふるいへの平屋の屋根の大屋根をおそらくは黒い屋根の上に、白い猫が人目につかないくらい自然にゆっくりと歩いていった。途中でふわっと止まったかもしれない。そのスピードが、夢のイメージが流れていくような、そしてふと止まっているような感じに近かったのだろう。シロネコではなくハクビョウと読ませているのがまた、幻想的である。 いつしらに魔物のごときもの呼ぶは眠りたらざる脳を“なづき”と読ませて歌が硬くならないようにしている。“ 以下の三首は、肺腺癌で亡くなった歌人の遺稿集 ともすれば解体しさうな総身を帯にくくりて人に会ひゆく“解体しさうな総身”とは癌患者の身体感覚なのかな? なんだか大変そうね。(u_u; 死の日まで言はざる言葉一つもち椿は渾身の朱の色を燃すこの人にとって死とは、力尽きてポトッと落ちる感じなのかもしれない。その瞬間まで情熱(?)を保ち続けむとする作者の決意のようなものを感じさせる。そのなかで内に秘める“言はざる言葉一つ”って何だろう? 落ちてなほもえゐる椿 残生を見つめてほんたうのいのちもえゐるもう死が間近に迫って寝たきりのようになっているのだろう。それでもまだ“もえゐる”ものがあるとは、なかなかバイタリティのある人だ。 《『NHK短歌』のホームページ》 人気blogランキング ↑この記事が面白かった方、またはこのブログを応援してくれる方は、是非こちらをクリックしてください。 「p(^o^) 和の空間」の Window Shopping |
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