カテゴリ:短歌
川野里子選の入選と佳作から、私の注目した歌にコメント。 千切れ雲ふるさと離れ住む息子途切れ途切れに便りをよこす遠く離れてしまうと親子といえども自然と縁遠くなっていくのだろう。それとも、「勝手に家を飛び出していって、忘れた頃に手紙をよこす・・・。」ってな感じかな? (^^; でも、途切れ途切れでも便りが嬉しかったりする。 吾が胸にひとつ残れる乳房をばむんずと掴み己たしかむ病気で片方を切除したのだろう。女性にとってはやはり乳房がアイデンティティなのだろうか・・・。 SLの汽笛の遠く千切れるにもうSLはほとんど走らないから、その汽笛を耳にすると昔の思い出が甦えるのだろう。“三度を征きし”というから、作者の心に深く刻まれているのではないかと思う。 綱引きの綱が千切れて突然に終ってしまう夫とのけんかこの、とつぜん力がぬけてしまうような状況。気持ちの持っていきように困っていたりしてね。(^^ゞ 「好きだった」とあの頃言ってくれてたらと千切れて一つ飛ぶ雲を見るこの千切れ雲は、もう遠い遠い手の届かない昔の話だなあという感慨、あるいは当時の彼への思いを表わしているのだろう。ひょっとすると、千切れたのは作者と彼との関係かもしれない。で、千切れた雲は作者の方なのだろうか、それとも彼の方なのだろうか。千切れたほうは(学校の?故郷の?)皆から離れてどこかへ行ってしまったように思える。「あの頃言ってくれてたら、千切れてしまうこともなかったのに・・・」という思いが込められていそうだ。 弟はいつもうるさい。妹がよかったなあなんてうそうそ、うそだよかわいい歌だね。 《『NHK短歌』のホームページ》 人気blogランキング ↑この記事が面白かった方、またはこのブログを応援してくれる方は、是非こちらをクリックしてください。 「p(^o^) 和の空間」の Window Shopping |
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