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カテゴリ:エッセイ
ダーウィン説には『適応』という用語があります。たとえば『魚は早く泳げるように流体力学にかなった形態に適応した』といった具合に使用します。
でも、本当はちょっとずつ流線型になったのです。より流線型の形態に近い個体が生き残って子孫を増やし、その子孫の中でもより流線型な個体が子孫を増やしとちょっとずつ自然選択されたのです。つまり結果オーライの理論なのです。 しかし、この『適応』という概念は進化について研究するのに便利で強力なので、結果オーライであることを承知で使っています。 さらに付け加えると、『種』という概念も結果オーライなのです。ダーウィンは『種の起源』で種の起源について明らかにしていません。 そもそも『種』というものはない。あるのは変種だけです。我々もホモ・サピエンスの変種の一人なのです。種というのは結果的に生き残った系統のことです。その系統のものはみんな似ていて、染色体の数も同じで、似たような遺伝子を持ちます。 種の分化が起こる最大の理由は地理的な隔離です。 たとえば草原を山が左右に分断しているとします。その左右に分断された草原はほぼ同じ環境であるにもかかわらず、山を越えて反対側に行くことはないとします。 左の草原に馬みたいな動物がいたとします。 右の草原にはロバみたいな動物がいたとします。 左の草原では馬みたいな動物はその環境にとてもうまく適応していたので数が増えすぎて食事にありつけない群れや個体が出てきました。 右の草原のロバみたいな動物は馬みたいな動物ほど適応していなくて資源的には余裕がありました。 そこで馬みたいな動物のなかには餓えてくる群れが出始めました。たいていの群れは淘汰されてしまいますが、中には山を登る輩も出てきます。 それで山を越えて右側の草原にたどり着いたとします。そこには先住のロバのような動物がいます。でも、資源的に余裕があったのでその環境にうまく適応していた馬みたいな動物は数を増やします。馬みたいな動物はロバみたいな動物よりも環境に適応しているのでやがてもともといたロバみたいな動物が競争に負けます。 それでロバみたいな動物の中で山に登る輩が出てきます。それで山に住み着くものが出てきました。馬みたいな動物は山では生活できませんでした。ロバみたいな動物で山を超えて左の草原にたどり着いた者は馬みたいな動物との競争に負けてやっぱり絶滅します。 すると、左右の草原に馬みたいな動物が住みつき、山にロバみたいな動物が住みつき細々と暮らしているうちに山に適応した個体がいずれ出てきます。山のロバみたいな動物は絶滅した草原のロバみたいな動物とは違う種として認められることになります。 左右の草原に分かれた馬のような動物もまったく交流がなくなり別々の種となります。 種の分化にはたいていは移動が伴います。移動した者と残った者では適応のしかたが違ってきます。それが結果的に種として分類されることになるのです。 すごく簡略化した説明だけれども移動に伴う新しい環境と外来種による生態系の変化が適応の条件になることが多いです。 適応も種も結果オーライなのです。しかし、詳しく分析するとその適応は偶然などではなく自然淘汰の必然といえます。 地殻変動や異常気象や突然変異は偶然ですが、適応による自然淘汰は必然であるといわれています。 それはなぜかというとさらに説明を加えなければならないので今日はここまでにします。 おいらの説明はダーウィンの考えでもあるし今の進化論でも通用する考えです。 本・読書ランキングです↓押してくれ! こっちはアクセス解析です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006/11/20 12:15:56 AM
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