伊勢海老に襲われる
伊勢海老に襲われる夢をみました。 設定は近所の友達の家、これから伊勢海老が届くからと呼んでくれて遊びに行ったところ…。キッチンのテーブルの上に置いてある、ビールケースほどの大きな箱から友達が「ほ~ら、まだ生きてるんだよー!」なぞとおもむろにそのジャンボ伊勢海老を取り出そうとしている場面。普段からあまり料理のセンスがないと思われるその友達の食材の扱い方に私は内心「そんな甘っちょろい持ち方をしてると今に海老がびちびち暴れだすぞ」と不安を覚えつつ、「すごいねー」と一応はその大きさに感心している矢先に案の定悪夢は現実となったのでした。首根っこをつかまれたかたちで引きずり出されたジャンボ伊勢海老は暗く狭い箱から解放され、ここぞとばかりにその巨大な尻尾をびゅんと一振り。もちろん、そんな海老の行動を予想すらできずに安心しきっていた友達はぎゃあと叫びながら海老を持ったままの手を大きく私の方に振りかざしたのです。海老がそんなチャンスを逃すはずがありません。掴んでいた友達の手の力が緩んだその一瞬に、彼は満身の力をふりしぼりばねのように体をつかい、海老ジャーンプ!!がっちりと私の右腕にしがみついたのでした。これでもかというほどに背中を曲げ、その何本もの硬い脚は痛いくらい私の腕にくい込んでいます。そして顔はじっとこちらを見つめている…。巨大伊勢海老型だっこちゃんです。痛いし重いし、何よりも気持ちが悪いので早くはやくどうにかしたいのに、片手では海老を引き剥がそうにも力が足りません。友達はきゃあきゃあ叫ぶばかりで近寄っても来られない有り様、ほんと、役立たずです。死なばもろ共とでも言っているかのような顔でじっとこちらを見つめ、腕にしがみついている、柴犬ほどもあるジャンボ伊勢海老。泣き叫ぶ友達。もしかしたら、一生このままか?!と募る不安。 怖かった。本当に怖かった。夢でよかった。あぶら汗をかきながら飛び起きた私は「これからは、料理をあまり得意としない人が食材を扱う場面に遭遇した時には常に最悪の事態を想定して我が身を守るべし」との教訓を得たのでした。そして目が覚めてから数時間経つ今でも、右腕にはいやな違和感が残っていて早いとこ伊勢海老を食べる機会を設けてやっつけた気分にならないと、このままじゃ絶対にトラウマとして残るという気がしているのです。高く付くなぁ~、せめてジャンボするめイカとか、ジャンボホタテ貝くらいだったらなぁ~。 オリエントでは、桜海老とセロリとフレッシュトマトの塩味のパスタがこの時季のおすすめメニューにあります。桜海老、かわいいですね!ジャ〇ボ〇勢海老と比べると。身の危険をかけらも感じない。(ああでも、集団で襲われたらそれも怖いかも…、いかん、すでに心の傷になりつつある。)生の桜海老を生姜醤油にちょこっとつけて、冷やした大吟醸クラスのお酒とあわせれば梅雨のうっとうしさも忘れます。オリエントで使っているのは乾燥させたものなので、生とはまた違った旨味がひろがります。香り付けに入れている唐辛子との相性の良さも楽しんで下さい。ただ、人によるのでしょうが、私にはちょっとだけ痛い。乾燥した海老のひげが口の中でささってちょっとだけ痛い。居酒屋で定番の川海老の唐揚げは、かなり痛い。海老には痛めつけられる性分なのでしょうか。ああ、このまま海老恐怖症に陥らないためにも、社長、伊勢海老食べさせて下さい。今度の休みの日にでも。