自分で
明日、明後日に本番を控えた生徒さん達のみ、さいごのおさらい。とりあえず1回通して弾く。 うん、良かったよ。じゃあ、楽譜を見てもう一回よくおさらいしてみようか。楽譜を開く。 いろんなところで、いろんな事注意しながら弾くよね。 今の演奏でちゃっと出来た事も、つい忘れちゃったことも、 ぜ~んぶ含めて、順番に見て行こう。 最初から最後まで、楽譜を良く見てね。 じっくり、考えて、最後まで見られたら教えてね。しばらく沈黙。私も、自分が見直すつもりで、ずっと楽譜に目をやる。私も一通り目を通しつつ生徒の様子を見ていて、見終ったらしいところで声をかける。 全部見た?いろいろ確認できたかな?思い出した事もある? じゃあ、もう一回弾いてみよう。さっき上手く行ったところはもちろん 今、気付いた事やさっきは出来なかった事も、集中してね。2回目、通して弾く。明らかに気付いたな、とわかるところもあるしう~ん、まだ気付いていないか…とちょっと心配になるところも。 今は1回目と比べて、どんなところに気を付けて弾けたかな?そこで答えが返って来た箇所は、明らかに演奏が変わっていた。そうなんだよね。結局、本人が気付いて、本人が意識しない限りは音になって現れないんだよ。今日の、この最後のおさらいのレッスンの時に私が「ここは○○だったでしょ」「ここは△△に注意してね」と言ったところで、何ら効果は薄いのだ。本番前最後のおさらいの時に、自分(私)の伝えたいことが十二分に伝わっていられるように、そこまでのレッスンで本人に気付かせなくちゃ。ましてや、本番演奏が終わった後になぜあそこに気を付けなかったのか、レッスンで何度も言ったでしょ、などと言うのは論外なのだ。今日まで随分進歩したよね。でも、まだまだ進歩するよ。今より、帰ってから弾いた方が。今日より、明日。明日より、あさって。今回のチャレンジに関して、本当に良く頑張ってきてると思うけど、今日のこの演奏でいいと思わないでね。まだまだどんどんアップするよ。エンドレスだよ。本番の時が一番いい演奏が出来るはずだよ。私は聴きに行けないけれど、また、どんなに楽しく弾けたか聞かせてね。会場でいろんな人の音を聴いて、そう言う音が気持ちいのか、不快に思うのか、いろんな音を聴いてきてね。そう言って送りだした。コンクール本番への送りだしとして正しいのかどうかわからないけれど回を重ねるたびに、私もいろいろな経験をさせてもらっている。