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村上春樹が、文体を「自家薬籠」してしまった、
レイモンド・チャンドラー。 今回は、村上「ダンス・ダンス・ダンス」が、 レイモンド・チャンドラー「長いお別れ」へのオマージュだと、 高橋源一郎が、いってたので、読了。 タバコを吸ったり、皿をあらったり、酒を飲んだりが、 淡々とつづられて、村上の源流を知ったような気がしたが、 村上が、淡々と深層を掘っていくのに対し、 チャンドラーは、淡々と、真相を掘っていく。 ハードボイルドの金字塔といわれる由縁は、 真相の埒外に、文体の心地よさがあることだろう。 主人公「フィリップ・マーロウ」の主観によって、 さらさらと、しかし、何でお前、そんなに性格わるいんだよ、 と突っ込みたくなるような「対話」を交え、 やはり、淡々と進んでいく。 カラカラに乾いてるなぁ、って感じで、だけど、 「フィリップ・マーロウ」を、妙に、信用できて、 事件のカラクリは、嘘だろ、みたいな感じで、どうでもいいが、 小説世界の質感が心地よく、妙に、ウィスキーのようだ。 これが、ミステリーと、ハードボイルドのちがいなのかも、 と感じつつも、何の大樹にもよらず、一人で立ち続けることの、 大変さと、かっこよさが、伝わってきた。 ということは、 これが、やはり、フィクションの世界とういうものなのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 27, 2005 06:51:43 PM
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