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映像四郎の百人斬り

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March 20, 2005
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 「AF」=「オートフォーカス」

 私は、ビデオカメラを使うとき、いつでも「自動」にしている。

 人が、「行為」する「状況」を撮っているので、

 「演出」を加える暇などなく、

 「相手」や「周り」によって、

 飛び込んでくる「画」を拾っているからだ。

 もしかして、ただの「動く写真」でしかないのかもしれない。

 ただ、原子レベルで、考えると、

 「観察者=参与者」が存在するだけで、

 測定結果に影響を与えてしまう

 「不確定性原理」という考え方もあるので、

 「場」に参与すること自体が、「演出」だなどと、

 勝手に、規定し、自分が、呼吸している時間の中で、

 「公転」の軌道が、

 隣接した時の「人の流れ」を撮ることにしている。

 要は、いい加減なのだ。

 地球上で、

 さまざまに、動き回る「人=生き物」が、

 なんらかの軸の磁力によって、引き寄せられ、

 「目的」のために「行為」する「状況」を、拾う。

 世界の中で、私にとって

 「AF」=「オートフォーカス」されたものを、

 適当に撮っている。

 この機能は、人間の眼にも、備わっているし、

 脳や心にも、記憶の検索機能として、備わっている。

 そこで、私の「AF」機能に、「AF」と打ち込んで、

 検索してみると、どうしても、出てきてしまうのが、

 「AF」=「アナルファック」なのだ。

 それは、自分にとって、

 インパクトのある出来事だったからに過ぎない。

 決して、それなくしては、生きていけない、

 「変態マニア」というわけでもない。

 ただ、そのときの私の性的「カタログ」の中から、

 抜け落ちていて、「未知」だったからこそ、

 惹きつけられたに過ぎない。

 それを、撮りたいのでもない。

 経験しておきたかっただけ。

 だが、世の中、面白いもので、

 「未知」を自覚し、アンテナを立てておくと、

 何故か、その「未知」が、眼前に現れてくる。

 そりゃ、そうだろ。

 単に、興味で、

 選択を重ねていきさえすれば、

 そういうことになっても不思議じゃないから。

 いたって、当たり前の話でしかない。

 「友人」から奢ってもらった「AF」コースまでは、

 ただの「話のネタ」に過ぎなくても、

 「AF」好きな彼女に、出会ってしまうと、

 それは、「現実」であり、「義務」にもなってくる。

 もしや、おれって、彼女にとっての

 「アナルバイブ」でしかないのだろうか、

 などと、世界の片隅で、

 悶々と悩んでしまうことさえある。

 実際、そうかも。

 「AF」と最初に会ったのは、

 池袋のSM倶楽部だった。

 しみったれたラブホに、リアル「M嬢」がやってきた。

 目の底に、どこか、暗い澱のようなものが、

 沈んでいて、自分の存在自体に、「後ろめたさ」を、

 感じているフシがある。

 ただの「演技」かもしれないけど、

 目だけは、リアルだった。

 もしかして、本当に「M」なのかも。

 「いじめてください、いじめてください」

 と呟いている。

 だが、いじめられなかった。

 どうしても、強気にでられない。

 どうやって、「S」になっていいのか、わからない。

 今、思うと、

 「AVみたいな、セリフ吐いてんじゃねえよ!」と、

 言ってみたいのだが、やはり、SMというものは、

 どこか、信頼関係が、築かれてないと、

 本気で、いじめることもできないことに、気づいた。

 しかも、大きいバックに、「大人のおもちゃ」を、

 たくさん詰めて、重そうにやってきたのだ。

 初対面で、そんな健気な人を、いじめられるほど、

 私は、人間ができていない。

 しかも、「大人のおもちゃ」は、

 AV会社在籍時の「仕事ツール」だったので、

 「遊び」ではなく、空気に、「仕事」を感じてしまう。

 昔、あまりに、人造的な「聖」の場にいたことによって、

 逆に、「俗」の場を求めていたのかもしれない。

 それが、AVだったわけだ。

 しかし、そこにいるのは、

 結局、人間で、聖も俗も、

 きっちりとした境界など存在していなかった。

 ただ、友人に、

 高額な「プレイ代」を払ってもらっている以上、

 なんとか、楽しまねば、と気だけが焦る。

 気づくと、さっきまで、飲んでいた「コーラ」を、

 その子の身体にかけ、

 ドロ遊びのように、

 塗りたくっている自分を発見した。

 子供のころ、テレビで見た映画で、

 ドロを塗りたくって、母娘を犯す、

 悪逆なお代官さまのエロシーンを

 思い出していたようだ。

 結局、エロも、その人の想像力によって、

 限界を規定されてしまう。

 その次は、どうやら、「湯浣腸」だ。

 ぶっといプラスチック製の注射器に、

 お湯を入れて、

 「もっと、もっと」との掛け声に合わせて、

 何本も、何本も、注入していく。

 風呂場で、湯を張った洗面器の中に、

 放出されてゆく「うんこ」。

 うーん、やっぱ、おれ、変態なのかなぁ。

 悲しいサガで、現場を汚さないように、

 ちゃんと、中身を、トイレに捨て、

 しかも、キレイに、洗面器も、

 女の子のアナルも、洗ってしまう。

 別に、「うんこ」を見たいわけではない。

 これは、きっと、

 「うんこしてても、あんたは、あたしを愛せるの?」

 という歪んだ愛の確認作業なのだろう。

 若い肉体のうちから、

 「介護」を先取りしているのかもしれない。

 または、恥ずかしがるところを見て、

 見せたくないところを、

 見せてくれたことによる、

 秘密の連帯感を抱きたいだけなのかもしれない。

 それが、「プレイ」というものなのか。

 だが、相手は、すでに、商売として、

 見せなれている。

 だから、別に、たいしたことではない。

 そして、最後に、「AF」だ。

 「ぺペローション」を使いすぎて、入りが良すぎる。

 なんで、こんなに、スルスル入るの、というくらい、

 自然なまでに、調教されきっている。

 逆に、性器よりも、筒としての器官は、

 きれいかもしれない。

 などと、思いつつも、射精。

 「記念」は、完了した。

 だが、その後、「記念」ではなく、

 私は、「AF」の「現実」に遭遇することになる。





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Last updated  March 31, 2005 07:46:52 PM


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