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『ハッピーエンドの物語がお好きな方には、本書はおすすめ出来ない。なぜなら、この物語にハッピーエンドも無ければ、ハッピーな始まりも無いし、途中でハッピーな事が起こるなんて事もないのだ。』という調子で始まるこのシリーズは、アメリカの小学校中・高学年あたりの子ども達にとても人気がある。
恐らく『ハリーポッター』の次に今話題の作品なのではないかと思う。 私とこの本の出会いというのは、ただ単に本屋でぶらぶらしていた時に見つけ、そのうちの9巻を手にとってみただけという、本当に何気ない行動からだったのだが、いざ開いてみるとこれが結構面白いのである。 今ではすっかりはまり、全巻を少しずつ集めようと思っているところだ。 この物語の大まかな内容はというと、裕福なボードレール家に生まれ育ったバイオレット、クラウス、サニーの3人きょうだいはある日突然両親を火事で亡くし、孤児になってしまうという所から始まる。 しかもそこで不幸は終わりではない。 残された遺産を目当てに、殆ど他人同然の遠い親戚であるオラフ伯爵の悪の手がボードレールきょうだいに忍び寄るから、これまた不幸である。 そんなこんなで、ノンストップの不運・不幸に見舞われ続ける中、ボードレールきょうだいは知恵やそれぞれの持つ能力を使って必死に生き延びようとするが、、、という、いわゆる不運・不幸満載の冒険物語である。 不幸と一口で言っても、やはり子供用に書かれているだけあって、読みながらハンカチが必要なほどの不幸ではない。 確かに殺人や誘拐なども物語の中に盛り込まれているのだが、それが血みどろであるとか痛々しいとかそんなむごい表現は一切無く、あっさりと書かれているし、作者、レモニー・スニケット調のコミカルな文体のお陰で「不幸」が楽しく仕上がっている。 その点からしても、一種の冒険ファンタジーを楽しむという娯楽感覚で読む本と言えるかもしれない。 この、A Series of Unfortunate Eventsは、日本では既に訳本として出ており、『世にも不幸なできごと』(草思社)という題名で出版されているが、他の色んな国々でも訳本が出版され、各国の子ども達の間でもカルト的な人気を集めているのだとか、、、。 それでこのA Series of Unfortunate Eventsの物語は、ジム・キャリー主演(オラフ伯爵役)で映画化される事に決定したようだが、プロデューサーが突然降板し、この先予断も許さない状況になっているらしいのだ。 どうやらこの映画化の話にも不幸が降りかかってしまったようだが、せめてこの話だけにはハッピーエンドを期待したいものである。 http://www.lemonysnicket.com/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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