266102 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

読書の部屋からこんにちは!

読書の部屋からこんにちは!

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2008.01.24
XML
カテゴリ:小説
昨日の「センセイの鞄」の続きです。


センセイとツキコさんの恋愛は、なかなか恋愛にならなくて、やっと恋愛小説になってきたと思ったら、突然の別れが来ました。
その原因とか、そのときの二人の様子とか、そんなことは一切書いてありません。
ただ、ツキコさんの手元に、センセイの鞄だけ。ツキコさんはその鞄を開けてみる。
あ、私はさっき突然の別れと書いたけれど、突然かどうかも本当はよくわからないのです。


だいいち、恋愛小説なのに、愛してるとか何とかという言葉もでてこないし、だからどうしようというプランみたいなものもなし。
ツキコさんが、ひとことだけ口に出して言ったこと。
この言葉だけが、ツキコさんの深い愛の表現だったみたいです。
それは「くそじじい」


大人の恋愛に不可欠な家族みたいなものも、ほとんど出てきません。
二人は、ちょくちょくデートをしていたようですが、普段どんなふうにつきあってたのかもわかりません。
これで、恋愛小説って言えるのか?
言えると思いますよ。それも、相当感動的な。
だって、私は最後のところで涙ぐんでしまいました。
セカチューでも泣かなかった、この私が。
スタバのすみっこで、コーヒーのマグ持って。


そんなセンセイとツキコさんの、なにげない一日の過ごし方が、この本「パレード」です。
そっけないのか優しいのかわからないようないつもの口調で、
「昔の話をしてください」とセンセイが言った。
ツキコさんのてのひらをぽんぽんとたたきながら。
それで、ツキコさんが小学校時代の話をするのです。
ツキコさんの話は、小さな童話みたいでとてもかわいくておもしろい。
「センセイの鞄」を読んでいない人も、これだけでも楽しいですよ。
子どもたちにも読めますよ。


そして、何より、「センセイの鞄」を知っている読者は、二人にこんな幸せな時間があったんだと、ホッとするのです。

あーよかった。二人は幸せだったんだ。
川上弘美さん、「先生の鞄」に、こんなすてきな番外編を書いてくれて、ありがとう。


      





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.01.24 11:59:39
コメント(4) | コメントを書く
[小説] カテゴリの最新記事


PR

Profile

ぱぐら2

ぱぐら2

Category

Freepage List

Favorite Blog

今週、観た映画(202… ばあチャルさん

食べたり読んだり笑… とおり・ゆうさん
まるちゃんの今日も… 1118marukoさん
我こそは本好き・本… 読子さん

© Rakuten Group, Inc.