引けたけど
土曜日は朝でも電車が空いているので、弓を持ち運ぶのは楽だった。 道場に着くと、弓を取り出し、「買ったの」とか「早速名前付けてる」とか言われる。元の弓は12キロを引いている初段の人が引いてみたいというので、渡す。軽くて引きやすいと、彼女が使うことになる。 巻き藁で引いてみるが、なんとなく勝手が違う。工業製品で全く同じ弓の筈だが、それでも一張り一張り違うのね。後は新弓と古いのとの違いもあるかもしれない。 的前で引いてみる。矢飛びが違う。よく飛ぶ気がする。ぴゅんという感じ。「新しいのは良く飛ぶね~」と言われる。合成弓でも2万射(?)が限界という説もあるとか。握りも大丈夫らしいなと思いつつ、この辺は機嫌良く引いていた。 ところが、そのうち射がおかしくなった。勝手の肘が全然さがらず、入れたくもないのに、勝手の掌に力が入ってしまう。弓手と肩と弓で三角形を作らないといけないのに、直線になっていると言われる。この体勢になってしまうと、離れで手が上に行くそうだ。初段を取る前からこの形になってしまうことはよくあり、「苦労しますなあ」と言われる。本人はあまりやらなくなっている思っていただけにちょっと、いやかなり凹んだ、じつは。 13キロとはいえ、前の弓よりは多少強いので、疲れが出ると、弓に負けてしまうのかも知れない。それでも肘が伸びて、肩が上がってしまうのを阻止できていないのはちょっとショック。来週はそこを絶対忘れないように引き分けよう!!と思う。 そういえば、何も考えないで弓を取って射場に入り、番えようとして弦が違うので、やっと弓を間違えた事に気がついた。身体が勝手に元の弓を求めてしまうらしい。自分の弓を使うのはもっと嬉しいかと思っていたが、そう簡単に「わたしの弓」にはなってくれないらしい。弓も道具なんだし、ま当たり前か。