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全身獲得抵抗性(SAR)誘導とは簡単に言えば、「健康な作物は病気に罹りにくい」ということですが、30年以上前から農学研究者の間では国内外を問わず研究が続けられてきた重要なテーマです。肥料や農薬の投与を減らせば、収穫量は別として確実に健康になるのですが、経済作物の生産が農業となっている以上、収穫量減を認めたくない各分野はこのテーマを知らぬ振りを決め込んでいたように見受けられます。
農水省でも近年研究の重要性を認めてSAR研究に助成金をつけるとかで、とある農業試験場から研究の協力を依頼されたことがあります。その折、健康な植物はどう見分けたら良いのだろう?との話題になって、名人達人は経験から樹の具合で判断(根、成長点、腋芽、花、ガク、葉の色厚さ、立性etc)と返事すると、我々の仕事はそれを数字、データにすることですと断言されました。 私が提案したプランは 「動物の脳、神経、骨格に当る重要部位は植物の場合、細胞壁が受け持つので細胞壁の健康性を調べたらどうか?細胞壁内で働く物質はナトリウム、ホウ素、カルシウム、ケイ酸の4つと少なく、特にSAR誘導力が高いのはカルシウムとケイ酸で、かつ分子量が大きく吸収されにくいカルシウムの吸収促進をするのがケイ酸だから、一本道で効率良く分析出来るはず。成育ステージごとに収量、品質などの従来数値と細胞壁のミネラル比率の対比から閾値が見つかるはず」 「セルラーゼで細胞壁を解かし、分離機と分光計でベースデータは取れるだろうが、その分野の専門研究員の協力は欠かせません。試験場挙げての研究テーマにしなければ無理でしょう」 と打ち揚げて密かに期待していましたが、2ヵ月後に出てきた答えは 「没」 以来、私は細胞壁の健康性を名人達人流に見ることが出来ないかと探っています。佐賀大学名誉教授の内田 泰先生が広島大学院細胞工学研究室に依頼して、Si22をバチルス属細菌が胞子外膜に有意に蓄積するという研究結果をお送りいただきましたが、このことも前述に近似する現象と思われます。 肥料、農薬、除草剤をやめて健康を取り戻した「あまおう」を栽培する宗像市Jさん 2008年に最初にお会いした時の炭ソ病、ウドンコ病は尋常ではありませんでしたが、現在は員数のうち。Si25を混和して定植し、後は水とSi22の投与のみ、例年遅植えなので現在2番頂果を収穫中ですが、 「人もイチゴも健康が何より。パック詰め能力に合わせて収穫出来るので無理も少ないし、農薬散布もなく手入れも何とか追いつくようになってきた。丸3年無肥料なので今年は一部で葉面散布の液肥を試験的に入れているが、他と差は見えない」 そうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.02.13 18:29:37
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