鉢呂吉雄さんはそこに立ち
人っ子一人いない町を
「死の町」と言った
冷徹な目で
もしおさな子をそこに連れて行けば
おさな子さえそう言うだろう
そう言い表した大臣が
そこから何を始めようとしたのか
命あふれる町を取り戻すために
幾年月をも数えていたのか
もはやわからない
「死の町」と言われて傷ついた町の人たち
「死の町」と言われて傷ついた国びとそして政治家
「だから活気に満ちた町をとりかえそうね」
と言わずに
その言葉に打ちのめされて
振り返っていっせいにつぶてを投げ付けた
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