|
カテゴリ:弁理士試験
特実では、予想外の問題が出て少々あせったが、何とか試験を終えることができた。正直、うまく誤魔化したという気分であった。もう少し突っ込んだところを聞かれたらボロが出るところだったが、時間にも助けられ、どうにかBは付くだろうという感触を得た。残る意匠・商標のどちらかでBが取れれば合格と思うと、少し気持ちに余裕が出た。
特実の部屋を出ると、既に前の人の意匠の試験は終わっており、待ち時間無しに意匠の部屋に入ることになった。以下、特実と同じく斜体が試験官の問い、太字が私の答えである。 受験番号1万○千○百番、ぱてんと@お兄です。よろしくお願いします。 <着席する。> 皆さんにお聞きしているのですが、論文試験はどうでしたか。 (一応、前日に論文の問題は復習し、答えは用意しておいた)はい、部分意匠を含む意匠の類比判断が難しく、また検討すべき内容も多かったので、少々時間が足りませんでした。 そうですか。難しかったですか。ところでぱてんと@お兄さんは特許事務所に勤務されているようですが、どのような仕事をされているのですか。 はい、特許出願の明細書の作成補助と翻訳が主な業務です。 意匠はやられないのですか。 はい、やってみたいとは思っていますが、実務で担当したことはまだありません。 そうですか。いや、意匠の論文の成績が良かったので実務をやられているのかと思いまして・・・ (おぉ、口述再現集で見たような会話。論文の成績が良いと口述であまり厳しい質問が来ないというから、期待できるかも。先生、やさしい質問をお願いしますよ~) それでは試験に入ります。意匠法は組物の意匠についてお聞きします。 (やった~!意匠独特の制度=関連、組物、秘密、部分は毎年必ず出ていて、今年は既に関連、秘密、部分が出題されているから、控え室では組物にヤマはって復習していたんだ。思わず顔がニヤけそうになるなぁ~。いかん、顔を引き締めなければ) 組物としては施行規則の別表第2に物品が挙げられていますが、これ以外の物品については、組物として登録を受けることが出来ますか。 (あぁ、過去問通り。楽勝っ!)いいえ、登録を受けることはできません。 例えば一組の工具セットのように別表第2と同程度の区分を記載した場合にも登録を受けることはできないのですか。 はい、現在のところ、別表2に挙げられている56品目以外のものについては組物として登録を受けることはできません。(特実とは打って変わって、流れるように答えが出るぞ。って、ヤマが的中したんだから当たり前だけど) では、組物の意匠の登録要件として、組物全体として統一があることというものが挙げられますが、その統一の態様について説明してください。 (3つの場合があったな。ひとつずつゆっくりと確実に答えよう)各構成物品を通じて、形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合が同様に造形処理されている場合、(一呼吸入れて)構成物品が全体として一つのまとまった形状又は模様を表している場合、(もう一呼吸入れて)各構成物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合が物語性など観念的に関連している場合があります。 意匠法第4条には新規性喪失の例外が規定されていますが、組物の意匠の場合、その構成物品の一つを発表して新規性を失ったときには、新規性喪失の例外の適用を受けるべきですか。 (原則と例外があるけど、どうしよう。原則だけ答えればいいかな)組物の意匠の登録要件は組物全体で判断されるので、構成物品の一つが新規性を失っても、組物全体の新規性は否定されないので、原則として新規性喪失の例外の適用を受ける必要はありません。(試験官がうなずいている。好感触なので、ついでに例外にも言及しちゃえ)但し、発表した構成物品の形状が組物全体の統一感を示すような形状である場合には、3条2項の創作非容易性の規定を満たさないものとして拒絶されますので、そのような場合には新規性喪失の例外の適用を受ける必要があります。 構成物品の一つに他人の商標が付されていた場合に、その意匠は登録されますか。 (さっきは長く答えすぎたので、短く区切ろう)いいえ、されません。 その根拠規定を挙げてください。 5条2項です。(う~ん、いい流れ。このまま終わって欲しいな) その内容を言ってください。 他人の業務に係る物品と混同を生ずるおそれがある意匠は登録を受けられないというものです。(後は権利関係を聞かれるかな) 組物の意匠権が設定登録された後、他人が構成物品の一つを実施していました。このような場合、組物の意匠権に基づいて権利行使することができますか。 (やっぱりそうだ)できません。 なぜですか。 組物の意匠権は、組物全体として一つの権利であって、各構成物品には及ばないからです。(間接侵害にも当たらないと言おうとしたところで) はい、結構です。意匠法の試験は以上です。 チャイムは1回も鳴らず。ヤマが的中したため、淀みなく答えることができ、試験時間はおそらく6~7分程度であった。悪くてもB、流れの良さからするとAがもらえるかもしれない。これで合格はほぼ手中に、と確信して部屋を出た。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.09.26 23:40:40
[弁理士試験] カテゴリの最新記事
|