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カテゴリ:弁理士試験
以前に書いていたように、口述練習会の試験官をやった。口述を受ける受験生も、他の受験生のレベルが知りたいであろうから、感想と残り10日間の過ごし方のアドバイスなどを少々。まずは感想編から。
まず、受験生のレベルについて。正直言って口述練習会の状態で本番を迎えたら、すんなり合格できる半分以下、いや2割程度という感じであった。ただ、昨年の自分を振り返ると、やっぱりその位のレベルだった気もするので、まあこの時期なら仕方ないのかも。口述練習会の出来が悪かった人は、周りも同じレベルなので落胆しないように。これから頑張りで十分に挽回可能です。 ほとんどの受験生がガチガチに緊張していた。一人の女性などは条文を確認するために法文集を開く手がブルブルと震えていて、見ているこっちまで緊張していまいそうなほどであった。あがると頭が真っ白になりやすいので、リラックスしましょう。 意外にも過去問すら答えられなかった。どこかの掲示板に「某所の練習会が過去問通りで練習にもならなかった」などと書かれていたので、一応、過去問、応用問題(基礎レジメ程度の内容で口述過去問に載っていないもの)、事例問題(論文の過去問を口述向けにアレンジしたもの)を準備していった。まずはウォーミングアップと思い、過去問から出題を始めたが、すらすらと答えられた受験生は1割。続いて出題した応用問題は、全ての受験生がどこかでつまずいてしまい、時間的制約から事例問題まで進むことが出来た人は皆無であった。2割の受験生は過去問だけでタイムアップした。本試験でも過去問と似た問題が頻出しているので、過去問は繰り返し解きましょう。 用語が不正確な受験生が多かった。弁理士・弁護士の業務において、用語が不正確であることは致命的なミスとなることも多く、用語の正確性にはこだわる人が多い。特に条文の文言、法律用語は正確に。 3割位の受験生は、頭が真っ白になった瞬間があったようで、かなり長い時間沈黙していた。よく言われることだが、沈黙は口述試験で最大のタブー。何かをしゃべった方がよい。頭を整理するために、問題の内容を繰り返したり、本当は分かっているのに「すみません、もう一度問題をお願いします」といったりしてもよい。また、簡単な答えしか思い浮かばなかったら、まずそれを答えてしまうのもよい。そうすると試験官が「そうではなくて、○○の点ではどうですか」とか「もっと○○について説明してください」などと助け舟を出しやすくなる。 問いに答えていない人が時々いた。「○○の場合には・・・は出来ますか」と聞いているのに、それに該当する条文を延々と言ったり、○○である場合には出来ます、と言ったりする人がいた。クライアントが相談に来た場合に、このような答えをされたらどう思うだろう。弁理士としては、やはり的確に「できます(できません)」ときっぱりを答えることが先決であり、クライアント(試験官に)「それは何故ですか」と聞かれたら、根拠条文なり、判例なりを挙げて説明するべきであろう。 総じて練習不足という感じは否めなかった。知識はあると思うのだが、それがこちらにうまく伝わって来ない。過去問・条文のキーワードをうまくピックアップし、それを正確に言えるようにしよう。 もう少し具体的なアドバイスは次回。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.10.05 08:52:05
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