ラジオの日々
最近TVを何となく点けるというのがなくなった。見たい番組かニュースのみは見ているがあとは消した状態です。では、なにをしているかというと、ラジオのFM放送を聴いている。学生時代深夜放送を聴きながら試験勉強したものです。そのとき電波の入り具合が時々おこしくなり、アンテナをひっぱったり、ラジオの向きを変えたりして悪戦苦闘したものですが、今はそんなことはありません。パソコンでネットラジオを聴いています。NHK-FMは、らじる★らじるで、東京FMなど民間系はラディコですね。かなり前の映画ですが、ウッディ・アレン監督の「ラジオディズ」という作品があります。メディアがラジオだったころのアメリカのユダヤ人一家の日々の出来事が描かれています。監督自身の思い出が色濃く出ているようです。時代は第2次大戦のころ、実際ヨーロッパのユダヤ人はホロコーストで大変な目に遭っていますし、敵国であるわが国では蒸かしイモが主食で、粗末な衣服を身にまとい、B29の攻撃に怯えていた。しかしこちらのアメリカ家庭のホノボノ感は何なんだ、おしゃれをして、ラジオから流れてくる音楽にあわせてダンスを踊ってみたりと、戦争なんぞは他人ごとのようでしたぞ。逆に、国力の違いを思い切り見せ付けられたという見方もありますね。でも「臨時ニュースです、真珠湾が攻撃されました」という場面ではさすが全員棒立ちだったようでした。この映画の中で実際あった事件があります。オーソン・ウェルズの「火星人襲来」です。当時ラジオドラマの脚本を書いていたオーソン・ウェルズが「宇宙戦争」というSF小説をラジオドラマ化したとき、オンエア時あまりのリアルさにアメリカ人が本当に火星人が襲撃してきたと思い込み、パニックになり、逃げ出す人を乗せた車で道路は大渋滞になったというウソのような本当のハナシがあります。これTVがメディアだったら絶対ありえない話ですよね、ラジオだからこそ成り立つ話ーそうラジオは人の想像力を豊かにしてくれるツールともいえますよね。TVの次のメディアは何かというよりちょっぴり戻ってもいいんじゃないという思いが最近強くあります。今はまだまだ寒く、休日はお部屋で過ごされる方が多いようですが、静かにラジオに耳をかたむけているとついついコックリしてしまいますが、これも気持ちいいです。たまにはいいかな?と静かな時間を楽しんでいます。