成田一徹・バー切り絵作品集
『NARITA ITTETSU to the BAR』
完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(451)
宝船(たからぶね) 2000年代前半
※お正月シリーズ。きょうは「宝船(たからぶね)」。宝船とは七福神が乗り、珊瑚、金銀、宝石など様々な宝物が積み込まれる目出度い船であり、その絵や置物は「縁起物」として親しまれている。宝船は一徹氏は、好きなモチーフの一つだったらしく、生涯に何度か制作した。本日も、Wikipedia日本語版の力を借りながら少し解説を。
「七福神」とは、福をもたらすとして日本で信仰されている七柱の神である。一般的には、恵比寿、大黒天、毘沙門天、福禄寿、布袋、寿老人、弁財天とされており、それぞれヒンドゥー教、仏教、道教、神道など様々なルーツを持っている。
「恵比寿」は七福神では唯一、日本発祥の土着信仰の神である。昨日の「えべっさん」でも紹介したが、古くは漁業の神だったが、時代と共に「商売繁盛」や「五穀豊穣」をもたらす神にもなった。
一方、「大黒天」「毘沙門天」はヒンドゥー教由来の神である。「大黒天」はシヴァ神の化身で、「食物・財福を司る神」。転じて、比叡山・延暦寺を興した最澄が「台所の神」として祀ることを始め、それが徐々に民間に広まったと伝わる。かたや、「毘沙門天」は元来「福徳増進の神」であったが、仏教に取り入れられてからは「戦いの神」として民衆に信仰されるようになった(その後、「学業成就」の神にも)。
「恵比寿」「大黒天」に、平安時代以降、京都・鞍馬の「毘沙門信仰」から定着した「毘沙門天」を加えた三神がセットで信仰される風習はかなり後まで一般的であったが、平安末期 ~ 鎌倉初期に、近江・竹生島の「弁天信仰」が盛んになると、毘沙門天ではなく「恵比寿・大黒天・弁財天」とするケースも増えていったという。
室町時代に入ると、仏教の「布袋」、道教の「福禄寿」「寿老人」など中国由来の神も知られるようになり、併せて信仰される風潮も強まった。「布袋」は唐末期の明州(現在の中国浙江省寧波市)に実在した禅僧の名。太っておおらかな風貌で、手にした袋から財を出し与えてくれる。「家庭・人格円満」の神でもある。
一方、道教由来の「福禄寿」は「天南星」という道士がルーツ。「寿老人」は、同じく道教の神である「南極星」の化身という。いずれも「長寿・福徳」の神。これに、紅一点の「弁財天」が加わった。「弁財天」も元々はヒンドゥー教の女神。「音楽・弁才・財福・金運・知恵の徳」を併せ持つ天女として崇められてきた。
この「七神」をセットとする信仰は、室町時代末頃、近畿地方から始まったと言われている。当時は、銀閣寺に代表される東山文化の時代。中国の文化に影響され、「竹林七賢図」(竹林の七賢人)のような大陸的な水墨画が多く描かれた。
市井の人々は、この七柱の福の神を「七賢人」に見立てて「七福神」とした。七福神のメンバーは、当初は一定していなかったとも言われるが、江戸時代にはほぼ現在の顔ぶれに定まったという。なお、宝船と七福神をセットにした姿が(民間信仰として)崇められるようになったのも、江戸時代以降だという。
◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。
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2022/01/13 09:23:43 AM
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うらんかんろ
大阪・北新地のオーセンティック・バー「Bar UK」の公式HPです。お酒&カクテル、Bar、そして洋楽(JazzやRock)とピアノ演奏が大好きなマスターのBlogも兼ねて、様々な情報を発信しています。
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▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。▼コロナ禍の家飲みには、Bar UKのハウス・ウイスキーでもあるDewar's White Labelはいかが?ハイボールに最も相性が良いウイスキーですよ。▼ワンランク上の家飲みはいかが? Bar UKのおすすめは、”アイラの女王”ボウモア(Bowmore)です。バランスの良さに定評がある、スモーキーなモルト。ぜひストレートかロックでゆっくりと味わってみてください。クールダウンのチェイサー(水)もお忘れなく…。
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