カテゴリ:旅行記 中欧8ヶ国 '12.9月
「あなたも Alpine Fairytale tour に参加されるのですか?」 アールヌーヴォー調の格式高いグランド・ユニオンホテルのロビーで、私は一人の女性に声を掛けた。 あまりに酷い安宿から一夜明けたばかりの私には、それは悔しいほど高級感漂うホテルであったが、その日に申し込んだ現地ツアーの集合場所がそこであった。 「ええ、あなたもなのね? 私はカナダから来たの。 主人と一緒よ。」 50歳から60歳代のご夫婦であろうか、気さくな笑顔がとても素敵な二人だった。 「あ、この方も参加されるそうよ。 偶然にも、私達と同じカナダ人なんですって。」 「どうぞ、よろしく!」 白髪ではあるが、まだまだ若さは負けないわよって感じの女性が、その先にいた。 その時、「picchukoさんですよね」と肩を叩かれ振り向くと、爽やかな好青年が微笑んでいた。 「今日、一日お願いします。」 ツアーガイドの彼は、客の中で唯一日本人である私を見つけ、まず声を掛けたようだ。 確かに、欧米人ばかりの中で、名前しか知らない初めての客を見つけることは難しいと思う。 「車にもう二方、今日のお客様が乗っています。 インドから来られたご夫婦です。」 ガイド兼運転手の彼を含め総勢7人、車はスロベニアの首都リュブリャーナを出発した。 さて、お気づきか。 この日の写真は、何気に彼が登場する。(笑) あの「picchukoさんですよね」と声を掛けられたその時から、私はぽお~っとのぼせあがっていた。 か、かっこいい。。。 だが、本命になればなるほど「写真を撮らせてください」とはなかなか言えないものだ。 結局、出来上がった写真の数々は、こんなふうに出来損ないか写りの悪いものばかりになってしまった。 しかし、かっこいい。 顔だけじゃない、全てのバランスといい、性格といい、若さといい(笑)。 ちょっとした冗談にもきちんと反応してくれる。 もちろん、そう思ったのは私だけではなかったようだ。 カナダ人の奥さん、そして 一人参加のカナダ人女性、この二人も 何かにつけて彼に話し掛けていた。 特に一人参加の女性は車においても助手席をキープし、彼を離さない。 恋する気持ちに年の差はない。 まあ、私は眺めるだけで幸せだから別にいいけど、、、 でも気に食わないっ☆ * 「あなたはどんな音楽を聴くの?」 彼女が尋ねた。 「う~ん、大抵なんでも聴くよ。」 二人の後ろに座る私は、素振りだけは平然と、耳だけはピンと立てらせていた。 その時、彼女が言った。 「IL DIVOなんかどう?」 はっ!? そうだっ! 私は思わず膝を叩いた。 彼はウルスに似てるんだ!!! 目といい、頭の形といい、横顔の骨格といい、ウルスにとてもよく似ている。 はは~ん、あなたもウルスのファンなのね。 私は見抜いた。 彼女も彼をウルス似と思ったかどうかは分からないが、だが近いものを感じたのだろう。 だから、彼女も彼に魅かれたのだ。 ふふ~ん、なるほどね。 「ああ、IL DIVOも聴きますよ。彼らは、ここスロベニアでも凄い人気です。 もうすぐリュブリャーナでコンサートがあるんだけど、あっという間にsold outでしたよ。」 彼は普通にそう答え、運転を続けた。 ここは、ボーヒン湖。 かのアガサ・クリスティが、「ここは私の小説の舞台にはなりません、美し過ぎるから」と言った場所。 Google map<2012.09.10 Ljubljana - Bled> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.11.29 08:56:54
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