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カテゴリ:ラプソディ
朝ドラの「純情きらり」で、東京での音大受験の試験の曲ということで、
ベートーヴェンの5番のソナタの1楽章を主人公が弾いていました。 ちょうど目覚めにはぴったりの曲で、あまり明るくはなりませんが、 それでも眠気は吹っ飛ぶことにはちがいありません。 主人公は試験の時間に遅れ、手を怪我したなかで弾きましたが、 途中でとまってしまって、最初から弾きなおしました。 ドラマは受験した主人公が不合格になるところでおわりました・・・。 この曲、私にとってはトラウマがいっぱいというか、 出勤前の朝からいろんなことを思い出してしまいました。 ** 大人になってピアノを習いなおすことになって 人前でときどきピアノをひいてはいましたが、ピアノの発表会というものに 22年ぶりに出たときのこと。 小学校6年生の時にメンデルスゾーンの「紡ぎ歌」という曲を弾いてから、 いわゆる本番というものには、遠ざかっていました。 ちょっとした教会が発表会の会場だったのですが、 1音目を出したとき、教会というかホール独特の響きにあれっと おもっているうちに、いままでまちがえたところがないところで となりの音を弾いて、暗譜どころではなくなり、完全に真っ白になりました。 子どものとき、発表会では止まることなど考えもしなかったのですが、 手足が震えてとまりませんでした。 そのときの曲が、ベートーヴェンの5番のソナタでした。 しばらくは人前で弾くのが怖くなりました。 失敗だとおもったのは、直前にグルダが演奏するハイテンポのCDを聴きすぎたこと、 いい音楽をイメージするものは悪くはないことですが、 いかんせん、弾けないテンポでイメージしすぎで、完全におかしくなってしまいました。 ** とんでもない演奏がおわってから、しばらく放心状態でした。 そのあと、CDショップへ行って、お店にあるなかで、 いちばんゆっくりした演奏のこの曲のCDを買って帰ったのを覚えています。 アシュケナージのCDでした。最初にこっちを聴いていれば、その後のことも かわっているかもしれませんが、いろいろ考えさせられました。 ブログのピアノ歴にも書かず、このことはいまでも人前で弾いたということでは なかったことにしようといまだにおもっているものだったりします。 ********* 今日は、シューマンのop.26-4のインテルメッツォをさっきまで練習していました。 小指だけでメロディを出して、内声の音と分けて弾く練習には、最高にいい曲だと感じます。 きれいなメロディを弾きながら、 sf(スフォルツアンド)やらrfz(リンフォルツァンド)などの 記号の多い曲を楽しんでいました。 なぜ、sfが途中からrfzにシューマンは記号を変えたのだろうと考えていたら、 またベートーヴェンの5番の最初のほうに、 そういえば、rfzの表示があったなあと、朝ドラのソナタのことを思い出してしまいました。 BGM:ベートーヴェン ピアノソナタ第5番 ハ短調 op.10-1 ピアノ:ヴラディーミル・アシュケナージ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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