7月12日はピッピの命日。ワシがプーケットから帰る前日だったから、もう丸々3年経ってしまったのだ。当時住んでいたカトゥーの家は、ワシにとってジャングルのキャンプみたいな感じで、サバイサバイではなかったけれど、ピッピやミルとの思い出のある家に違いはない。昨年(09年)3月、妹もその家から引越しをした。その時ワシも花粉から逃れるために1ヶ月プーケットに行っていて、その時下書きしたままの日記がある。命日の今日、ピッピちゃんへ向けてアップしよう。
明日は引っ越し。プーケットでの生活の最後の1年を過ごした家から引っ越す。1年8か月前にこの家から日本へ帰ったものの、妹がいて、年に2回1か月、2か月と過ごしていたし、それなりの思い出がある。あまり好きな家ではないけれど、一番去りがたい理由は、ミルやピッピと過ごした家を離れるということ。ミルもピッピも、シロやミケちゃん、ドタバタおばちゃんさんちのコウちゃん、向かいの家にいた3匹の犬たちもここの庭に眠っている。
妹が飼うことになった小春ちゃんは基本的には白黒猫。体の両側がキジで、尻尾はまっすぐ長いタイプ。そのそれぞれがピッピやミル、ラックを思い出させる。その小春ちゃんがその日、夕暮れの庭にただずんでいた。
と、1匹のホタルが現れ、ピッピやミルのお墓の上あたりを飛んだ。もう1匹あらわれたホタルもまた、同じような場所を飛んでいた。もっと近くで見ようとキッチンへ行ってみると、1匹のホタルはなんと近づいてくるではないか。キッチンのドア付近をくるりと大きく回り、茂みの中へ消えて行った。
虫にことかかないこの家だけどホタルを見たのは初めてだ。2匹ともとても力強い光を放っていて、なんだかミルとピッピが戻って来たような気持ちになった。ミルもピッピも、置き去りにされると思ったわけではないだろう。一緒に引越しにはしゃいでいるような、そんな気がした。