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テーマ:911FANマガジン(444)
カテゴリ:964のこと
「ポルシェでは、エアロダイナミクスはスタイルの問題だけではありません」 う~ん、要するに、外見だけじゃなくて機能が伴っているということか。 前頁に引き続き、ここでも登場する4枚の小さな写真は、上から可動式のリアスポイラー、一体型のリアバンパー、一体設計となったフォグランプとウインカー、ヘッドライトウォッシャーの順番となっている。 可動式のリアスポイラーについて、ポルシェは「デザイン革命」と謳っている。 確かに当時は他になかったなぁ、というか、その後も他所で真似をするメーカーも現れないような気がする。 何でも、技術陣による長期間の風洞テストや広範囲にわたる開発の産物なのだそうだ。 「・・・80km/h(50mph)前後で自動的にリフトして、揚力を減少すると同時に、エンジンに流入するエア量を倍増して冷却効果を高めます。10km/h(6mph)前後でスポイラーは自動的に格納され、911のクラッシック・フォルムを純粋な形に表現するのです。」 このスポイラー、いくら格納しても枠のでっぱりが残ってしまうためか、専門家の評価はあまり芳しいものではなかったらしい。 とは言え、この「デザイン革命」のリアスポイラーは、小生が964購入を決めた大きな要素であった。 最初、ポル子は、固定式の、ライトウェイトタイプのカレラウィングが装着されていたのだが、小生は、何のためらいもなく、納車に当たってオリジナルの可動式スポイラーに戻すよう依頼したのだった。 後から装着しようとすると結構かかるようだが、今もって後悔はしていない。 納車しての帰り道、時速80キロに達した際にルームミラーをチラッと見たら、リアウインドーの下端に、せり上がってきたスポイラーが姿を現すのが見えて、おおっと思ったのを記憶している。 まあ、恥ずかしながら、小生自身はスポイラーの空力的な効果を全く実感できていないので、無用の長物なのはまず間違いない。 唯一、スポイラーの効能を実感したのは、信号で停止した際に、後続車の助手席に座っている女性が、格納されていくスポイラーを指差していた(と思う)のをルームミラー越しに見た時位なもので、何というつまらない優越感であることか・・・ このスポイラー、例の空冷911のDVDでもその動きが紹介されているが、直線的にせり上がるのではなく、円を描くように、いったん上がってから少し下がりつつ後方に伸びて固定されるのであり、この複雑な動きが有機的というか、何とも言えない温かみを感じさせる。 これを見て小生が思い出したのは、飛来して木にとまったカブトムシがはみ出した後羽を硬い前羽の下にお腹をもぐもぐさせながら収納していくシーンなのだが、ビートルを先祖に持つ911であれば、自然な発想なのではないかと・・・ 話を先に進めよう。 「・・・リアパネルのラインをスムーズにしたり、一体型フロント、リア・バンパーを採用したりすることにより、ポルシェは空気抵抗係数0.32を達成しました・・・」 普通のセダンでも0.32前後のクルマはあるみたいだから、そんなに凄いこととは思えないのだけれど、アンダーパネルを貼り込んでボディ下部の空気の流れを最適化したというポルシェの技術陣はやはり凄かったということなのか・・・ それにしても最後のヘッドライトウォッシャー、これはエアロダイナミクスと何の関係があるのだろうか。 空気の流れを真正面から受け止めてしまうからこそ虫の死骸が付着し、ウォッシャーが必要になるのではないかと思うのだけれど・・・ そう言われてみれば、小生はまだヘッドライトウォッシャーを作動させた記憶がないなぁ。 右頁の斜め前からカレラ2を捉えた写真は、まさにお手本のような一枚だと思う。 レンズの位置はタイヤの設置面より僅かに下のようだ。 だからタイヤの下部がケラレている。 ボディ下の空間が影にならずに背景までくっきりと見渡せ、ボディの薄さを強調させるのに一役買っている。 個人的にはこういうアングルが好みである。 実際には、この右頁が、ガバッと開いて、これまた優等生的な斜め後ろからサイドビューを切り取ったカレラ4の写真が2ページ分の大迫力で見る者を圧倒する。 このため、左頁が4ページなのに右頁が7ページになっている。 このカレラ4の色が黒なのか紺なのか分からないが、背景が明るいため、濃色の車体がくっきりと浮かび上がり、これはスナップではなく完全にブツ撮りの世界である。 こんな写真は小生には到底無理である。当たり前か・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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