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テーマ:~広島東洋CARP~(4355)
カテゴリ:つれづれ
昨日来ニュースが乱れ飛んでいるジェレミー・パウエルの二重契約騒動。今日は,ソフトバンク側がサインをさせた統一契約書をテコに,契約の合法性を強調したという。
念のために言うと,一番責められるべきなのはオリックスと合意しながらホークスとの契約書にサインしたパウエル自身である。アメリカ合衆国と言うところは世界でも有数な法体系がへんてこな国なので(だからやたらめったらアメリカ法ではこうだからこうすべきであるという人間はすべからくバカだと思ってもよい)どうか知らないが,日本の契約法の下では合意が出来た時点で契約成立だから,それと矛盾する形を作出することは二重契約以外の何物でもない。 しかし,次の問題はいったい誰のイニシアチブで今回の問題が生じたかである。決して代理人の錬金術ではあるまい。 ソフトバンク側がさかんに言っているのは,統一契約書の絶対性である。まあ余り決めつけは良くないかもしれないが,往々にして形式の合法性や形式論理を声高に主張する者はそこに至る経緯にやましい事情がある者だ。そう思う。 今回の問題であらわになったことは,外国人選手との契約手続法は事実上ノールールの無法地帯に他ならないということだと思う。すでに国内移籍市場は完全なやったもん勝ちの世界になっている。通常であればこういうことはコミッションが指揮権を発動してルール作りをすべきだが,その無法地帯を作り出したナベツネ氏と今やそれより醜悪な善人面独裁者になった星野仙一いるかぎり,自称コミッショナー代行のゴロ寝,いや根来君は動けない。今回の騒動は,これがちょっとだけ拡大して応用されただけだ。 そして,これをほくそ笑んでみているのもまた先に出た二人のいるチームだろう。多分,ソフトバンクはこの両球団に周到に根回しをしてやっているに違いない。もしそうだとしたら,少なくとも在阪スポーツ新聞からはこの話は抹殺されるだろう。ステロイド疑惑の時のように。 結局,常にルールの空白地帯をついてごり押しをかけたものが勝つという,日本プロ野球村の悪しき伝統は,また繰り返されることになる。日本プロ野球機構のコミッショナーは,歴代元最高裁判事や検事総長や内閣法制局長官や東大教授で憲法学の第一人者とか,まさにルールとか法とかいうものの第一人者が揃っているのに,こういうところには全く活かされていないようだ。 ちなみに,かのゴロ寝君は一応元検事総長,すなわち全検察官のトップだった人である。まあ,検察官の間での評判は良くなかったようだが(「全く現場を知らない人」扱いだったらしい)。 本当に,この問題はカープにとって決して対岸の火事ではない。言うまでもなく,今年のカープは外国人選手の活躍が命綱とも言ってもいい状況だ。仮にシーボルルイスコズロースキーシュルツそしてアレックスが揃って活躍したとしても,それだけを手放しで喜ぶわけには行かぬ。とにかくシーズン中から二重三重の手を打って,追加でサイドレターを巻いてでも,流出阻止に向けて動かねばならぬ。カープの顧問弁護団は非常に優秀なので(だからこそあの人身売買男ダン野村との戦いにも一歩も引かず応戦することが出来た),法律交渉面での手抜かりはないと思うが,球団本部長を筆頭とする編成担当の知恵がついていかなければどうしようもない。カープ球団は,今すぐ真剣に,外国人選手契約担当スタッフを専任で置いて,来季以降の契約に手抜かりがないようにすべきであると思う。 思えば,明後日はもう2月で,スプリングキャンプが始まる。そう思えば,ソフトバンクのこのタイミングでの発表は実に絶妙のタイミングだったと思う。 明日は我が身。ハイエナを蹴散らせ。 BlogPeople ↑ポチッと,クリックしていただけると励みになります。よろしくお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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