メリークリスマス!
まなみ:
今日はクリスマス特集なのです。
部屋の中で白い息を吐きつつ、
「カップラーメンでも食べて寝るか……」
そう呟いたとき、電話が鳴った。
「おーい、吾郎くん」
小夜子だった。
「メリークリスマス」
「あ、ああ。メリークリスマス」
びっくりした。
「バイト、ご苦労様。疲れた?」
「疲れたよ。すっげぇ忙しかった」
僕はコートを着たまま、冷え切った部屋の冷え切ったフローリングに腰を下ろした。
「客さあ、もうカップルばかりなのな」
クリスマスだからねぇ。
そうだな。
「吾郎くん、おなか減った?」
「減ったよ」
「じゃあ、食べにきませんか。おいしいものを作ってありますよ」
そのころ、僕と小夜子はすぐ近くに住んでいた。自転車で五分くらいの距離だった。
「マジで?」
「はい、マジです」
僕が帰るのを、待っていてくれたんだ。
こんな遅くまで。
そして、帰ってきたころ、電話をかけてきてくれた。きっと、小夜子の部屋の、あの小さなテーブルには、いろんな料理がぎっしり並んでいるんだろう。クリスマスケーキだってあるに違いない。
僕のために、待っていてくれたんだ。
準備してくれたんだ。
「じゃあ、行こうかな」
着いたら、ぎゅっと抱きしめてやろう。息が苦しくなるくらい抱きしめてやろう。
「はい、お待ちしております」
すました小夜子の声。
そのころには僕のお尻はすっかり冷えてしまっていたけれど、心はとても温かかった。自転車を思いっきりこいで、小夜子のアパートに向かった。
あのときの、自分の口から出た白い息を、その温かさを、僕は今も覚えていた。
(『半分の月がのぼる空4』より)
「クリスマスに、メリークリスマスって言うのは?」
「メリークリスマス?」
なんのことだかわからなかった。
「どこがいけないのさ?」
「クリスマスはキリスト教徒のためのお祝いなの。アメリカでは祝日だけど、それっておかしいと思わない? 特定の宗教だけを優遇してるわけでしょう。とってもポリティカル・コレクトネスじゃないわよね。ハヌカやクワンザもちゃんと祝うべきだし、世界中ありとあらゆる宗教や民族の記念日にだって配慮すべきよ。ラマダンの月は断食しやすい環境を整えるべきだし。メリークリスマスなんて挨拶は、他教徒の人にとってひどい侮蔑じゃないの」
(『空色ヒッチハイカー』より)
「大切なことを忘れてるわよ」
え、なんだろう。
ママは、きょとんとしているわたしとパパに言った。
「挨拶よ、挨拶」
ああ、そうか。確かに、それは大切なことだ。
わたしたちは声を揃え、叫んだ。
「メリークリスマス!」
(『家飯 Recipes of my life』より)
他にもなんかあるかな?あったら苦情お願いします。
クリスマスですねー、クリスマス♪♪
>識さん
さんぴん茶ってお茶ですよね?大丈夫、きっとオッケー。日本人ですから☆
>せり
しっかり伝えました☆
せりぃ、誕生日おめでとう(●´∀`●)