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Pussy Cat Sophie (子猫ソフィの猫物語)その他

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2006.10.06
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エメラルド・グリーンの甘い瞳。艶やかに光り輝く黒い毛並み。しなやかなボディ。
上品な顔立ち。黒猫サーシャは美猫だった。

私は初めて飼った猫である。今までかなりの数の猫を飼ったが、
この子が一番賢かった。もしかしたら類人猿よりも賢かったかもしれない。

猿は「鏡とは何なのか」が理解できないと聞いたことがある。
「まさか、類人猿なのに・・・」と私は思った。
サーシャは「鏡の概念」を完全に理解していた。

昔、「立て鏡」を買ってすぐ、
初めてサーシャと私が一緒に「立て鏡」に映ったことがある。
鏡に映っている飼い主と猫(サーシャ)を見たとき、
サーシャは明らかに「あれ??」という表情をした。
(↑たぶん、「飼い主が2人いる??? 猫も、もう1匹いる???」と考えた。)

次にサーシャは立て鏡の裏側に回って、鏡をぐるりと一巡した。
おそらくは鏡の裏側にもう1人の飼い主や猫がいないことを確認したのだろう。
その後、もう一度「飼い主と自分自身」を見て、
次にまた鏡の中の「飼い主と自分自身」を見た。

そのとき、咄嗟に私はサーシャを抱っこして見せた。
もちろん鏡の中の私とサーシャも同じ動作をする。
サーシャは鏡の中の自分も抱っこされたのを見て、
「あ、納得・・・」という表情をした。
(猫にも表情豊かな子がいるが、サーシャはかなり表情が豊かだった)。

それ以来、サーシャが鏡に関心を示したことはない。
あれは「私(サーシャ)や飼い主が映っているだけ・・・」と判断したとしか思えない。

(「鏡の中の猫は自分である」と完全に理解したのかどうかは立証できないが、
  飼い主と映っていたことから、おそらく理解したのだと思う。) 

「映る」という概念を瞬時にして把握したわけである。

猿にどんな「鏡」実験をしたのかはわからないが、
おそらく誰かが何か一緒に動作したのが鏡に映れば、猿にも理解できたのではないだろうか。
猿が1匹映っているだけでは、他の猿がいると考えてもおかしくない。
自分と一緒に他の猿が映っていれば、理解できたかもしれない。
人間の子供も、おそらくそうやって鏡を理解したのではないだろうか。

サーシャは優しくて飼い主思いだった。
猫は水に濡れるのを異常に嫌がるのに、私の具合が悪い時にはなぜか察知して、
「飼い主、具合悪い???」と、たとえ小雨の中でも濡れている地面でも、
庭を歩く私の後をついてきた。

(昔は庭に高い金網を張って、猫が庭から外に出られないようにして飼っていた。
引越しで全匹、室内飼いのマンション猫になり、水に濡れることはなくなったが。)

他の猫が何か気に入らないことがあって私に唸ったときなどは、
「飼い主に吼えちゃ駄目!」と、サーシャは大きなオス猫が相手でも、
さっとオス猫に走り寄って、堂々と正面から「必殺!猫パンチ!」を食らわしていた。
自分より遥かに小さなメス猫のパンチに、
オス猫は「あっけ」に取られ、ひたすら圧倒されている。
そんな時、サーシャは決して引かない。
一歩も引かない。

動物学によると、動物のオスはメスに害を及ぼさないそうであるが
(・・・本当だろうか、でも確かにカマキリのオスは、
交尾中にメスに無抵抗で食べられると聞いたことがある)、
その本能的(?)騎士道精神がここで発揮されたのかどうかは知らない。

ウチの他のメス猫は、オス猫の行動に何か気に触ることがあると、
オス猫に「必殺!抜き打ち猫パンチ!」をいきなり食らわしていた。
オス猫が予想外の猫パンチに仰天して、
「今の何???・・・今もしかして僕パンチ食らった・・・???」
と呆然と考えている間に、メス猫は走り逃げる。
オス猫が事態を把握した時には、
もちろんメス猫はオス猫が反撃できないほど遠くに走り去っている。
(明らかにウチのメス猫は、サーシャ以外、オス猫の騎士道精神を信じてはいなかった・・・)
いずれにせよ、ウチは全匹メス猫の方が強かった。

とても表情豊かなサーシャ。
お風呂好きのサーシャ。
飼い主に抱っこされ、飼い主と一緒に湯船につかっていたサーシャ。
バスタブの蓋に座って、暖かな湯気を気持ちよさそうに浴びていたサーシャ。
人間の真似をして(=人間の動作を見て覚えて)、ため息もついたサーシャ。

サーシャは16歳で逝った。
今でも時々「生きていれば、今いくつだろうか」などと、死んだ子(=猫)の年を数える。





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Last updated  2009.06.27 00:02:19



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