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カテゴリ:陸上競技
現在(8月27日の女子の準決勝まで)実施されている2007世界陸上O:SA’KA”大会は様々なことを示唆してくれています。
1)気候と対策 参加選手全員に共通な競技環境ですが,暑さや高湿度の日本の気候を考慮した国のチームが好成績を挙げています。男子マラソン,20km競歩では,前者では暑さに強いケニアの選手,日本の選手も健闘しました。後者では実力者が3連覇でした。 今回は,なぜか転倒者が多く,女子3,000mSCの早狩選手,辰巳選手の場合は見ていられないくらいでした。 やはり,暑さから来る疲労,集中力などがなくなってしまうのでしょうか。 2)今季の順調さと実力(ランキング) 【 男子100mの場合 】 下馬評どおりの争いでした。ではどうしてこのような順位になったのでしょうか。 タイソン・ゲイ選手(アメリカ) ----決勝までの3本のレースでほとんど見せ所があり,順調さが1番だった。今シーズンは絶好調で,記録も前年の9”84を再度出していたし,9”76(+2.2)も出していた。 最も,競技に余裕のある選手の1人でした。 アトキンズ選手(バハマ) ----9”95の自己記録を出し,安定した成績を上げていた。上記の2選手に次ぐ好成績をマークしていた。 アサファ・パウエル選手(ジャマイカ) ----第1次予選から流してしまうレースが多く,彼らしさが見られなかった。(6月下旬の太腿の付け根の故障から十分に回復していなかったことも) 結果は,-0.5の風で,タイソン・ゲイ選手が9”85(昔だったら,日本国際新記録----国内での外国人選手が日本記録より上回ったとき),アトキンズ選手が9”91で2位,アサファ・パウエル選手が9”96の3位でしたのは十分うなずけるようです。 なお,決勝のスタート前にタイソン・ゲイ選手が両手の人差し指を高々と掲げ,自分がNo.1になるという宣言をし,自己実現に最も強くアピールしたのは,自信の表れでしょうか。 【 日本選手の活躍とその種目の選手 】 先ほど終わったばかりの,男子ハンマー投げの決勝では,惜しくも家族全員で見守った室伏広治選手が6位に終わってしまいました。 やはり,論文作成中でしたので,今季は1試合のみの出場でした。 これでも,国際試合に2~3試合出られるコンディションだったらと残念に思いました。 結果は,’03,’05と2連勝中のチホン選手(ベラルーシュ)が1,2本目がファウルながら下位でベスト8にやっとでしたが,最終投擲の6投目で83m台の記録で大逆転で,見事3連覇しました。 彼の,底力,競技に対する真摯な取り組み方が最後に発揮されたような気がします。両者は繰り上がりながらも,ご存知のようにアテネ五輪でも競り合って金銀を分け合っています。 結局,いくら実力があっても,試合のときの調子や,シーズンでの順調さ,試合でのランキング上位にいることの大事さが伝わってきます。 ここ3日目までの日本選手はとても健闘しています。 男子100mの朝原選手は一次予選 10”14(SB),二次予選 10”16,準決勝 10”36 と大健闘でした。35歳のベテランに4×100mリレーのアンカーでの活躍にも期待します。 男子400mHの為末選手は逃げに戦法も,ゴール前での失速は残念でした。 今シーズンは,海外遠征での調子がいま一つでしたので,順調さを欠いてしまいました。 彼には珍しく,1台目を引っ掛けてしまうアクシデントがありましたが。 それにつけても,成迫選手はラストは良かったのですが,0”01及ばず48”54とは,違う組ではOKでしたが。 ハンマー投げの後に行われた,女子400準決勝では,丹野麻美選手が8位ながら,51”81(自身の日本記録にあと0”01)でしたが健闘したと思います。 【 他の外国人選手とその種目の日本人選手 】 最後に,初日の女子10,000mでの決勝での,春先の怪我から良く立ち直った,ティルネッシュ・ディババ選手(エチオピア)がラスト300mからのスパートで(最終の1,000mは2’47”)優勝しました。 普段の実力が大いに発揮されたことと,コンディションの再調整,回復度の早さ,彼女の競技に対する集中力の素晴しさを感じました。 福士選手も,途中スパイクが脱げるアクシデントがあっても,先頭に立つ積極的なレース振りで10位とはお見事でした。 これからも,競技は続きますが,日本の夏の暑さと湿気にめげずに,選手の方々が健闘される ことを願わざるを得ません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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