我が国のGCC諸国などからの原油輸入の状況
最近、イラン問題で、核疑惑とか、原油輸入禁止対抗 とか、中東の火薬庫がレバノン、シリアからイランの本陣 に燃え移っているような気がする。 ペルシャ湾岸国の基本情報をみてきたが、ここでは、GCC の原油生産の位置づけと、我が国輸入依存度を再考する。 日本石油連盟、エネルギー庁の資料などで整理してみる。 オマーン(*)、イエメン(**)の資料は、データが2008年、 2009年と少し古いが、あとは2010年のデータである。 石油の換算法は、「千バレル/日」=「千キロリットル」/「58」 の簡便法を用いた。 日本の原油輸入は、ペルシャ沿岸諸国(GCCと略す)に、 73%を依存していて、同じ沿岸にあるGCC以外の国、イラン、 イラクなどを加えた中東国では、86.5%もの大きさである。 イラン本隊には、9.6%の原油を日本は依存しているが、イラン 全体の生産量が日本の全輸入量に相当する量なので、おおき な影響だ。 アラブ首長国連邦の領土は、一部だが、ペルシャ湾の外のオ マーン湾に出ており、ホルムズ海峡を通過しないで陸路で脱 出は可能である。 今年、パイプラインで結ぶ計画が完成すれば最悪の事態は避 けられるかも知れない。 原油産出国と輸入国・日本の現状 (日本石油連盟、エネルギー庁、外務省など資料) 原油原産地国原油生産量(単位:千バレル/日)A同左構成比日本の輸入(千KL)同換算千バレル/日 B同左構成比生産から日本向 (B/A %)オマーン*7571.17,0471223.316.1アラブ首長国連邦2,2993.243,96075820.433.0カタール8001.125,42843811.854.8バーレーン00000 サウジアラビア8,29011.561,9301,06828.812.9クウェート2,3003.215,3752657.111.5中立地帯 4,259732.0 (ペルシャ湾沿岸諸国:GCC)14,44620.0157,9992,72473.418.9イラン3,7005.120,6093559.69.6イラク2,3603.36,9571203.25.1イエメン**3000.4695120.34.0中東計20,80628.9186,2603,21186.515.4中東以外51,30471.129,12150213.51.0全世界72,110100.0215,3813,713100.05.1(注)中立地帯は、サウジアラビア、クウェートにまたがり、両国を 含めた生産量は10,590千BLであり、両国を含めた我が国 輸入量は1,406千BLだから、両国を含めた原油輸入依存度 (我が国の輸入割合)は38%、同じく生産高依存度(輸入高 が生産高に占める割合)は13%ということになる。 主なGCC、中近東などの原油産地原油・原産地国原油確認埋蔵量(単位:億バレル) 同左構成比 %可採掘年アラブ首長国連邦9786.7%117年サウジアラビア2,62617.9%87年クウェート1,0407.1%124年イラン1,3709.3%101年イラク1,1507.8%134年(以上計)(7,164)(48.7%) 全世界14,696100.0%56年 その他では、ベネズエラ2,112億バレル(259年)、 カナダ 1,752億バレル(175年)、 リビア 464億バレル( 82年)、 ナイジェリア 372億バレル( 49年) があり、その他のロシア(16年)、アンゴラ(15年)、 中国(14年)が続く。 上記に埋蔵量を記載した国の内で、OPEC加盟 国でないのは、カナダ、ロシア、中国である。 OPECは上記のほか、カタール、アルジェリア、エクアドル の12ヶ国である。