毎日1人に2000ポイントが当たる楽天ブログラッキーくじ

714957
ホーム \| 日記 \| プロフィール	【フォローする】【ログイン】

座乱読無駄話日記２

カテゴリ別記事

よく読まれている記事

お気に入りブログ

1

足利家の執事（まとめ）－随時更新。

「足利家の執事」、過去のものをpixivにまとめました。　だいたい20～30頁くらいずつまとめています。まとめて読んでやろうという方は、どうぞよろしく。　（順次更新追加してゆきます。）足利家の執事（黎明？編） - pixivまだ、どうするか決めてない足利家の執事。ヒトコママンガを中心に、足利家の執事高師直とその難儀な主人、足利尊氏、足利直義の兄弟足利家の執事（１　御霊登場編） - - pixiv足利家の執事、だんだん物語になりました。足利直義の屋敷に「御霊」大塔宮が登場し、なんだかおかしな具合に・・・。そして直義、最強の味方？「直虎」登場！足利家の執事（２　執事とその主たち） - - pixiv足利兄弟に仕える執事高師直は、気苦労が絶えない・・・。御所尊氏の気まぐれも、とりまく人々も難儀なのがたくさんいるからだが・・・。足利家の執事（3　新たな御霊と御霊会の祭） - - pixiv夢のお告げの帝に会ったが、知らぬと言い、御所様は、疫病退散の御霊祭をなさる・・。烏天狗の子供も登場。足利家の執事（４　埴輪は復活するのか・・・） - - pixiv継体帝の依頼により、桓武帝が登場・・・崩れた埴輪は復活できるのか？　そして亀のお使い・・足利家の執事（5　亀をつれた謎の姫の正体は・・？） - - pixiv謎の女人をめぐって、執事殿と御舎弟がライバル関係？　大塔宮と烏天狗たちと執事兄弟が大立ち回り。兼好法師も登場、饅頭シェフ林浄因が腕を振るう・・。足利家の執事（6　楠木正成の怨霊と霊剣・・そして天神様が登場！） - - pixiv楠木の怨霊話から、兼好法師の大根武者・・そしてついに怨霊界の大物天神様が登場。そしてにげまどう悪佐府の霊まで現れて…足利家の執事（７　佐々木道誉、門跡寺院焼き討ち事件） - - pixiv門跡寺院の僧兵との悶着をめぐって、ついに佐々木道誉が火をかける・・。そしてその決着は、処刑か流罪か・・。足利家の執事（８　佐々木高貞の妻・・そして「酒呑童子」登場？） - - pixiv忠臣蔵のモトネタ佐々木高貞の追討事件。執事殿が、風呂を覗かれる・・・・？　そして、文化的な御霊宇治殿登場。「酒吞童子」の物語が出来てゆく・・・？　絵巻物にからめた、足利直義の文化事業・・・。足利家の執事（9　梅童子コンテスト、佐々木高貞の妻、帰京） -- pixiv御所様の梅の宴会。梅の美少年コンテスト！　佐々木高貞の妻が帰京、執事殿をストーカーする？　そして師泰は夢にて「嘉吉の変「」を見る・・？足利家の執事（10　幻術や妖術を駆使する敵が登場） - - pixiv御所様が呪われた・・・仕掛けられた幻術、毒薬使いの忍びは新たなる敵？　忍び集団のアジトは？足利家の執事（11　酒呑童子の芝居。宇治殿の宴会） - - pixiv酒吞童子の芝居が上演され、御霊の世界では宇治殿にて二帝が招かれておもてなし。宇治殿は伝説の龍神となる。兼好法師は猫又に翻弄・・夢で執事殿は御所巻をする。足利家の執事（12　道誉殿の孔雀献上。楠木正成の霊） - - pixiv　道誉殿は、孔雀を御所に献上し、姫宮と対面。御舎弟の部屋に楠木正成の霊が登場。大塔宮は宇治殿のために伝説の秘宝？を調達・・・。執事殿にまたしても女性スキャンダル？足利家の執事（13　塩冶高貞の妻、危機一髪。執事の愛娘登場）。 - - pixiv塩冶高貞の妻、危険脱して都を離れる。東国から不穏な噂・・。執事殿の愛娘が登場。そして御所様のランタン供養・・。足利家の執事（14　土岐頼遠の上皇襲撃事件、御舎弟の危機） - - pixiv土岐頼遠が院に矢を射かけ、逐電する事件が発生。厳しい処置で挑む御舎弟に執事殿が不満・しかし、今度は御舎弟が危篤に・・・。足利家の執事（15　近経忠前関白の思惑） - - pixiv吉野の朝廷から戻ってきた前関白は、何を企てているのか・・・。御舎弟の快気宴会に道誉のもてなし・・そして御所様の絵の腕前は・・？足利家の執事（16　近衛殿の陰謀・・土岐頼遠の処刑） - - pixiv狸殿こと前の関白近衛経忠殿は、なにやら東国の藤氏に陰謀を企んでいる？炭焼きに監視され、毒針使いの猟師を保護していたことがあきらかに・・。そしてついに土岐頼遠の刑が執行される・・足利家の執事（17　強力な御霊井上皇后登場） - - pixiv井上皇后が足利直義に、悪霊退治協力を願う。そして空飛ぶ首が登場！年末のどたばた・・・足利家の執事　(18　御舎弟のところに奥方の甥登場。執事の悪夢） - - pixiv御舎弟の奥方の甥が現れ、命鶴丸たちがライバル意識をもやす？　狸殿との心理戦は続く。執事殿は悪夢を見て、お嬢が子犬をもらう。足利家の執事（19　師泰の別荘、異説観応の擾乱等） - - pixiv師泰殿の別荘にもと地主のいちゃもん。2月26日によせて、もしもの観応の擾乱。高師直がいきのびていたら・・・なパラレルワールト物語。洛西に住む優雅な尼君の物語・・など。足利家の執事（20　御所の花見と細川殿の恋） - - pixiv季節の梅を執事殿は、郊外の尼様に届け、桜が咲いて御所様の花見。そして細川殿の恋。狸関白殿は、巣穴を出る・・・。足利家の執事（21　宇治殿が龍を作り執事幽霊に魅入られる） - pixiv新しい御霊、藤原が登場。宇治殿が龍を作る。そして執事殿が、女幽霊に出会い、取りつかれることに・・・？足利家の執事（22　御所さま龍に乗る。師泰が牛若に？） - - pixiv御所様は龍を見てみたいということで、御霊方の協力で龍に乗る。そしてそれらは御所の芸術に？怪しい旅人が殺され、持っていた書状が謎を呼ぶ・・・しかして、師泰牛若になる・・？足利家の執事（23　師泰殿に新弟子？　前関白は饂飩を所望） - - pixiv師泰にからんだ大稚児が弟子入り志願。訓練を始める。前関白狸殿は、饂飩を神社に奉納要求？怪しい牛飼いが町中で暴走牛に乗ってはしり、岩松は光王さまに馬にされる。足利家の執事（24　空飛ぶ火の玉！　後鳥羽院登場） - - pixiv新たなる強力な御霊、後鳥羽院事「水無瀬殿」登場。屈強な武士と力比べがしてみたいと、師泰らと仮面の力比べをする。更に、怪しいナイター試合・・。積極的な御霊に直義はふりまわされ・・・。足利家の執事（25　女暗殺者登場） - - pixiv墓参りをする女は、実は旅の白拍子。しかしその正体は女暗殺者。次々と仕掛けてくる彼女の技に、翻弄される・・・。足利家の執事（26　御所様の若宮八幡宮参詣） - - pixiv不景気をふっとばすために御所様は、若宮八幡宮の参詣を思いつかれた。豪華な参詣行列を画策。奉納奇石や、蓬莱山の作り物が花を添える。それに、実は、御所様は・・俊足なのだ。足利家の執事（27　新たなる殺人事件、空蝉を探る怪しい男） - - pixiv御所は訓練に励み、また殺人事件。空蝉を探る怪しい男が登場。そして御所様に姫君が誕生、将来は美女になる？そして師走・・謹賀新年。足利家の執事（28　怪しい男は傀儡師　空蝉の夫・・？） - - pixiv道誉の歌姫を狙う男は、もと傀儡子の忍び。空蝉の死んだはずの夫だった。道誉殿がこの男を雇う・・。足利家の執事（29　天龍寺建設。檀林皇后登場） - - pixiv「天龍寺」の建設現場に絶世の美女檀林皇后登場。御所の貿易船が嵐にあう・・・。足利家の執事（30　226特別編） - - pixiv2月26日の高師直と足利直義の命日特集で「猫たちの擾乱」3ページと、2021.2.26の賽の河原編です。高師直の子師夏（１３）は父と一緒に殺され、足利直義の子如意王（５）はその前日に病死しました。子供たち二人が賽の河原でであったかも・・という設定です。足利家の執事（31　井上さまのお土産騒動・・） - - pixiv井上さまは大量の荷物を御舎弟の家に届け、お土産を下さる。執事の華麗なる衣装に、道誉殿が反応。御舎弟は唐物の香炉を、伊予に出陣した細川頼春の妻女に贈る。そして御所まで華やかな変身・・？足利家の執事（32崇徳院の御霊登場。四国の細川宮方を破る‥・・） - - pixivついに崇徳院の御霊が四国より登場。四国では細川頼春が宮方を破り、落ち延びた大館氏の若君の運命は・・。佐々木道誉の作戦は・・・。悪疫退散鵺退治、五月の節句・・）足利家の執事（33　御所様の藤の宴、若君を御所が認める。） - - pixiv御所様は藤の宴を開き、兼好法師は白拍子のところで歌って踊る。道誉殿の「酒池肉林」の宴は健全？師泰殿と大稚児は尼君の所で料理をし、下男は料理の弟子になる？　衣商い女たちのいさかいを執事と墓は仲裁し、道誉殿は大量出費？足利家の執事（34　御舎弟は二人いる？　二人義経。帝の御持仏） - - pixiv御舎弟に双子疑惑？　兼好法師が歴代の帝の御持仏の調査を命じられる。道誉殿の新しい芝居は義経が二人いる・・。そして、三宝院賢俊が「二間観音」を詮索しはじめる・・。御所様の観音さま・・。足利家の執事（35　近衛殿の八朔、早朝の僧侶軍団のマラソン） -- pixiv佐々木道誉が近衛前関白に接近・・その思惑は？　早朝に集団で走る僧たちの怪しい集団は、新しい寺の建設現場に向かっていた。国師様のおもてなしと、川の水をくみ上げる水車や渡月橋由来・・。足利家の執事（36　御所のお庭見学　近衛殿の策略？） - - pixiv御所は新寺の庭園を見学。国師様の陶枕を光王君がこわし、義堂周信ことしゅんしゅんが登場。近衛殿の陰謀？は道誉殿を巻き込む・・？　そして師泰殿の出張料理・・。足利家の執事（37　御所様有馬温泉に行く。御霊たちの吹田殿遊興） - - pixiv御所は、名高い有馬温泉の湯屋に向かい、御霊方も温泉に飛ぶが、執事殿にはちあわせしそうになり御舎弟の苦肉の策・・。後鳥羽院、旧西園寺家別荘跡にて温泉遊び・・。足利家の執事（38　執事殿の「呪いと神罰」事件） - - pixiv怪しいしかけが執事殿の身辺におこる。狐目の巫女、奇妙な僧侶など怪しい連中が・・・。足利家の執事（39　化け猫事件‥未来からの御霊登場） - - pixiv御舎弟に怪しい化け猫がついている・・・？　執事は見た！　少々軽薄？な御霊は未来からの問題児？大塔宮の悪霊祓い・・。足利家の執事（40　未来から来た御霊の義嗣は、黑駒を呼び出した） - - pixiv御霊の足利義嗣は、軽いけれどもなかなかの能力の持ち主で、異空間から聖徳太子の伝説の馬甲斐の黑駒を呼び出した。井上さまや玄昉に気に入られたが、この馬もなかなかのキャラクター。足利家の執事（41　紫式部の子孫あらわる） - - pixiv執事殿と同族と称する貧乏公家姉弟が、紫式部の子孫と称して現れる。幻の源氏物語を売りたい？足利家の執事（42　宇治の宝蔵　「雲隠れ」の巻） - - pixiv宇治殿の宝物殿「宇治の宝蔵」が完成し、御霊たちの内覧会が開かれる。直義殿はこの蔵のために、高階の蓬生殿の持っている「雲隠れ」の巻を手に入れる。そして頼豪阿闍梨の御霊が登場・・伝説がほしい・・？足利家の執事（43　2022.2.26　命日漫画） - - pixiv恒例？の髙師直、足利直義の命日漫画です・・。足利家の執事（44　梅の園の女人） - - pixiv執事殿に梅の枝が届く・・。そして、やがて梅林のある屋敷の女主人に招かれ・・・。足利家の執事（45　三人の少年たち） - - pixiv尼君の下男のところに物おじしない少年が来た。道誉殿とところにいる若君とも親しくなり、細川の若君と裳であい、三人は意気投合する。からくりの鼠が大人の間でも中興？頼豪阿闍梨の芝居が上演・・・。足利家の執事（46　御所さまのパラダイス、道誉殿の幻の酒） - - pixiv細川屋敷にあった異国の酒は、凄まじい酔いをもたらすという。いまだこの国で広がっておらぬ幻の酒・・・。道誉殿は興味を示し・・・。足利家の執事（47　武衛殿の冒険？　ドラマは二転三転） - - pixiv今式部蓬生殿が、新しい物語を思いついた・・・それは、「武衛殿」と「家令高階」が活躍する物語・・だけれど、いろいろな意見が入って、ストーリーはわやわや・・・？そして摂津の山寺の修復事業・・・。足利家の執事（48　鬼瓦のような荒法師） - 乱Ｆのマンガ - pixiv尼君の下男シゲが、僧の姿をしていて僧兵や武士に絡まれ、全員をうちのめす。その乱暴な「鬼瓦のような荒法師」の調査を御所様が頼まれる・・・執事殿の奔走・・。足利家の執事（49　呪術防衛作戦　前編） - - pixiv御所様が不調・・・敵方の呪詛のせいではないか？　呪詛から守るにはどうすればよいか？　執事殿の防衛戦略だが・・色々と迷走して・・・）足利家の執事（50　　呪術防衛作戦　後編） - 乱Ｆのマンガ - pixiv謎の画僧は、「呪絵」をさがしていた。執事殿に仕掛けた飛び出す水牛の絵は、「魔除け」が効果を発揮。果たして本当に「呪絵」はあるのか・・・。足利家の執事（51　飛び出す役行者） - 乱Ｆのマンガ - pixiv執事殿が道純（足利義嗣）からもらったお札の行者像が飛び出す？　道誉殿が興味を持ち、やがて飛び出す行者の芝居がつくられるが、御霊方も興味深々・・・。そして最強の御霊があらわれ・・・。足利家の執事（52　北山の貴婦人） - 乱Ｆのマンガ - pixiv北山に住む貴婦人に、師泰殿が気に入られ、踊りを所望される・・。足利家の執事（53　互の御影） - 乱Ｆのマンガ - pixiv聖徳太子の姿をした吉野の帝の像には、達磨大師の御像がセット？聖徳太子の伝説は数々あれど・・達磨の姿をした怪しいものが御舎弟の部屋に現れる・・。果たして死霊か生霊か？夢窓国師さまが「互の御影」の話をされる・・。足利家の執事（54　百鬼夜行の巻） - 乱Ｆのマンガ - pixiv御所様の新年会に怪しい輿が現れて、誰も下りずに去っていったことから、あやかしではないかと大騒ぎになるが、そこに老僧が現れ、百鬼夜行に聞く有難い経文があるというが、それは文覚上人の宝物という・・。足利家の執事（55　六道巡りの巻） - 乱Ｆのマンガ - pixiv執事殿と御舎弟が、不思議な音を聞いて、地獄や修羅道に落ちる・・。怪しい術者が現れるが・・・。足利家の執事（56　黒猫の奥方） - 乱Ｆのマンガ - pixiv執事殿は、とあるお方様から、黒猫をさがしてくれと頼まれるが、その方は御簾の奥に籠り、姿を見せず、猫にも手をふれようとはしないが・・・・訳ありの奥方と、黒猫を巡る執事殿のお話。足利家の執事（57　西行桜の怪） - 乱Ｆのマンガ - pixiv執事殿のところへ御所から怪しい案件がまわされてくる。怪異のあるのは郊外の京春日と呼ばれる神社であるとのこと。この神社の巫女の頼みで、早速、執事殿と師泰殿が出かけるが、あやかしは、小さな黒い影で、となりの寺の方面に逃げる・・・・。そしてその寺で出会ったのは！足利家の執事（58　木の花丸と御所様の芝居） - 乱Ｆのマンガ - pixiv御所様と道誉殿は京春日の神社と、山寺の「怪奇話」に興味を持たれ、芝居にしようとたくらみ、木の花丸は御霊方に可愛がられ、空飛ぶ秘術を身に着ける。大塔の宮はこの花丸の蘇りに、陰陽法師の邪法を疑っておられ・・・。足利家の執事（59　鎌倉の若君） - 乱Ｆのマンガ - pixiv御所様の庶子が鎌倉の寺にいるが、外に出違っているというので、執事殿が密偵を送るが、鎌倉の新熊野君に、旅の僧が接近・・・。足利家の執事（60　犬神の呪い） - 乱Ｆのマンガ - pixiv狐巫女が、化け犬を祓うと言う依頼を受けたが、犬嫌いの巫女は、執事殿の家で犬ならしをするが、細川殿が、犬の骨を呪物とする恐ろしい術が存在するという・・・。はたして、化け犬が出るのは、犬の売買を商売にする犬差配の屋敷だった・・・。足利家の執事（61　池の辺の宮） - 乱Ｆのマンガ - pixiv御舎弟殿が、しきりに秘密行動をしていると噂が・・・洛北にひそかに病気療養をしている若い貴人をたづねていた・・・・。足利家の執事（62　御所様の関羽像） - 乱Ｆのマンガ - pixiv御所様は、夢に異国風の姿をした髭の武者を見た。その髭武者を探して欲しいと、御舎弟や執事殿に頼むが、道誉殿や兼好法師にも頼んでいた・・・。その髭の武者は赤い馬に乗っているという・・・。足利家の執事（63　双頭の蛇） - 乱Ｆのマンガ #漫画 - pixiv執事殿は、狐巫女から不思議な双頭の蛇の夢を見たので、魔よけを渡されるが、双頭の蛇とは両党に分かれた皇室のことだという・・。そして池辺の宮の屋敷が、曲者に襲われる・・。足利家の執事（64　獺のうそ丸登場） - 乱Ｆのマンガ #漫画 - pixiv御所様の池に怪しい、水妖が現れる？　それは物言うかわうそで、実は漁師の御霊だった・・。怪しい術を使う画僧は、また、池辺の宮に接近し、なにか企んでいる・・・？足利家の執事足利家の執事（65　御所様の「犬」） - 乱Ｆのマンガ #漫画 # - pixiv執事殿のところに、御所様から届け物が・・・しかし、それは犬の木彫りで、果たして何のために届けられたのか？　これは御所の謎かけ？足利家の執事（2月26日　命日漫画2024） - 乱Ｆのマンガ - pixiv高師直と足利直義の命日である2月26日の2024版です。今回は賽の河原は大勢で・・・足利家の執事（66 　婆娑羅法皇花山院） - 乱Ｆのマンガ #漫画 - pixiv道誉殿が興味を持ったのは、破天荒な伝説と派手な行動が噂になっている昔の法皇花山院が、早すぎた婆娑羅だと言い出す。そして、使いをする四条、五条が巨大な鷲に襲われ、かつて、御舎弟と執事殿を辺術にかけた陰陽法師が再び都に帰っている・・・・。足利家の執事（67　四郎左の恋人） - 乱Ｆのマンガ #漫画 - pixiv御所様の小姓の一人、四郎左が二条殿の女童に一目ぼれする。しかし、二条殿には三人の美しい女童がいる・・・松緒というその美女と、四郎左はうまくいきそうだったが・・・・・・　最初から、ストーリーの区切りで分けています。今後、ぼちぼち増やしてゆきますので、どうぞ、よろしくお願いします。※12月14日　足利家の執事９　を追加。※12月15日　足利家の執事10、11　を追加※12月16日　足利家の執事12、13　を追加※12月17日　足利家の執事14,、15　を追加※12月18日　足利家の執事16、17　を追加※12月19日　足利家の執事18　を追加※12月20日　足利家の執事19　を追加※12月21日　足利家の執事20　を追加※12月22日　足利家の執事21　を追加※12月23日　足利家の執事22　を追加※12月24日　足利家の執事23、24　を追加※12月25日　足利家の執事25　を追加※12月26日　足利家の執事26　を追加※1月12日　　足利家の執事27　を追加※2月13日　　足利家の執事28　を追加※2月22日　　足利家の執事29　を追加※3月3日　　足利家の執事30　　を追加※3月23日　　足利家の執事31　を追加※5月30日　　足利家の執事32　を追加※6月18日　　足利家の執事33　を追加米7月22日　　足利家の執事34　を追加米8月26日　　足利家の執事35　を追加※9月9日　　　足利家の執事36　を追加※10月7日　　足利家の執事37　を追加※11月10日　　足利家の執事38　を追加※12月8日　　足利家の執事39　を追加※2022年2月23日　足利家の執事40，41，42を追加※2022年3月22日　足利家の執事43　44を追加※2022年4月30日　足利家の執事45を追加※2022年5月25日　足利家の執事46を追加※2022年6月18日　足利家の執事47を追加※2022年7月17日　足利家の執事48を追加※2022年8月17日　足利家の執事49を追加※2022年10月1日　足利家の執事50を追加米2022年11月2日　足利家の執事51を追加米2022年11月18日　足利家の執事52を追加米2022年12月31日　足利家の執事53を追加米2023年1月26日　足利家の執事54を追加米2023年2月21日　足利家の執事55を追加米2023年3月21日　足利家の執事56を追加米2023年4月20日　足利家の執事57を追加※2023年5月31日　足利家の執事58を追加※2023年6月26日　足利家の執事59を追加※2023年7月31日　足利家の執事60を追加※2023年9月9日　　足利家の執事61を追加※2023年10月4日　足利家の執事62を追加※2023年11月29日　足利家の執事63を追加※2024年1月25日　足利家の執事64を追加※2024年5月　足利家の執事65　命日漫画　66を追加※2024年5月6日　足利家の執事67を追加　　　　　　　　こちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　絵置き場　座乱読ー別荘ー　　　　　　　マンガ置き場。　現在「足利家の執事」連載中

2020.12.13

閲覧総数 1189
2

足利家の執事・登場人物再び

最近、また「足利家の執事」を見てくれる人が増えてきました。有難い限りです。どんどん登場人物が増えているので、再度、登場人物表を出します。　これらのお馴染みの人物に、からむ御霊は、すべては大塔宮関連で増えていきますが、この設定は、「足利直義」邸に、怪奇現象があったとか、妖怪が出たとかの伝説によって思いついたものです。なにやら、「御霊」の集まるサロン化してい　菅原道真や藤原頼長は、新たなる御霊で、比叡山の山で出会った大童子の登場で、宇治の大臣こと藤原頼通が登場。昔からの御霊サロン？メンバーの携帯帝などとも交流が始まります。　新たなる登場人物は出家した勾当内侍。怪力武士の塚原重広の姉妹というし設定の侍女がいます。御霊では、あらたに「玄昉の首」が登場し、体を得て、井上皇后とともに旅に出ますが、入れ替わりに藤原広嗣の怨霊が上京します。陰謀家の貴人「狸殿」や、夢にのみ現れる新田マウス（新田義貞は一度も登場していません）などその他の人物。「足利家の執事」本編ははこちら　　前回の紹介はこちらになります。婆娑羅三大事件などは、ここにリンク先をはっています。

2020.06.01

閲覧総数 390
3

古装ドラマの長髪男子

東アジア圏の古装ドラマに出てくる、長髪垂らし髪の男性は、いまや、当たり前になっていて、私自身もけっこう描いているし、違和感がないのですが、よく考えたら、歴史的にはありえない・・とはいえないものの、かなりファンタジーなヘアスタイルです。　　　　　　　　（自分で描いた「三侠五義」の丁兄弟です。弟のほうが垂髪）　本来、東アジアにおいて文明国といいえば、冠帯、つまり冠と帯がある（冠や帯で表せられる位階制度があり、秩序がある）もので、極東の倭国などは、被髪文身（髪をぼさぼさにして被り物なしで、つまり髪を被っていて、体に刺青をしている）の野蛮国だった。　その後、「文明国」になるべく、官位をととのえ、大方の男子は、髷を結い、頭になんらかの冠帽をかぶることになったのですが、本場中国でも、冠や帽子などは色々な変遷をへたけれど、髪をきっちり髷に結い上げるというのは、清代になって辮髪にされるまで続いたはずです。　それが古装ドラマでは、成人男性が長い髪を垂らしているのがたくさん出てくる。そして、それは広まって、中国以外でも、長髪男子のイメージは流行している。　その始まりは、どうやら、1970年代の香港映画あたりからだとか。　その後どんどん盛んになった。　そして、中華の男子としてはやはり髷があったほうがいいので、いわゆるハーフアップで、頭頂の髪を半分とって小さな髷を作り、そこには冠や、笄などもさせるので、よりそれっぽくなる。残りの髪を肩に垂らす・・という感じだったのが、今では、かなりその垂らした髪が量も多くなり、長さも長くなっているような気がする。　で、中華ファンタジーである古装映画で大流行！　それが歴史ものにも飛び火している・・かも。　　（始皇帝暗殺↓）　そもそも古装ものは、歴史ものというよりは、京劇の近代化の一つで、古来よりの伝統の出し物ではなく、いわゆる時代物を新作する過程で出て来たものだそうだ。理由として、女形の旦の役者が、洋装すると、どうしても体形的にいかつくて、やりにくい・・ということがあったらしいのですね。　それならば、神話ファンタジーで時代物をすればよかろう・・ということで、美しい旦が、月の女神嫦娥などを演じるようになったのが、古装ものだそう・・。というようなことは、こちらに出ていた。　そして、その古装ドラマにふわしい美女から、武侠系の美形子キャラに、この長髪男子が、なじんだんでしょうね。　そして、そもそもの長髪男子の起こりというか萌芽もやはり京劇にあるらしい。　派手な頭飾りの下から、肩に垂れる長い髪をつけた演出があるそうです。それは飾りだったのが、紅楼夢の宝玉の美少年キャラが、京劇風の垂れ髪から、ハーフアップの元素となったらしい。　（中央の武人には、両肩に長く垂れた髪が表現されている）↓シャチョウさまのサイトから）　　　　　↓紅楼夢の宝玉に長い垂髪が・・。　　　　　　　　　　　それは、後に載せるシャチョウさまのツィッターに詳細が述べられています。　　紅楼夢の美男美女の典型的なヘア　　スタイル。↓　　　　　　　こうした長髪男子は、日本にも勿論波及していますが、日本の長髪キャラは発祥が少し違う。　勿論、現代ものでも、長い髪のキャラクターはいますが、やはり時代物がなじむのは、すでに歌舞伎などには登場しているからです。　垂髪美形の方向性だと、義経千本桜の義経でしょうか。でも、この義経は、実は山伏に変装しているのですから、俗人の長髪ではないです。あと、悪役で御爺さんですが、文句ない長髪は「髭の意休」かな。これも出家、あるいは隠居スタイルの表現かも。　　ほかに、決定的なのはこれ！　長髪でしょう！　これは人間ではない、土蜘蛛の妖怪・・そして、悲劇の流人俊寛・・これも人間ばなれしはじめている・・。。　　　歌舞伎のちょっと悪役やわけあり人物、それに妖怪変化的なものが、髪を結わない長髪・・と関係あるのが、能の演出は、本当に超ロン毛です。　豪華な衣装にストレートの黒髪は、なかなかに美しいですが、これはどちらも生きている人間ではありません。幽霊ですから「妖怪」の範疇でしょうか？　　　　　　そして我々にもなじみ深い、映画や芝居でおなじみの時代劇の長髪の垂らし髪といえば、やはり由比正雪の垂髪。これも、ある意味アウトローな髪型かも（仕官しておれば当然、髪はきっちり結わねばなりません）。　　　で、日本では、垂髪は、山伏とか戦場の兜下くらいしか例はないようです。　後は、大人なのに大人扱いされない牛飼いとか、寺の童子。大人になっても「童子」と呼ばれる人たちです。　戦場の兜下の垂髪。　蒙古襲来絵詞と騎馬武者像　　　　　　　　　　（歴史秘話ヒストリア）そして、超ロン毛と言うか、絵巻でのそれは、やはり妖怪系だった・・。（土蜘蛛草紙）　　　　　　　　　もう一つ、私の中華長髪キャラは展昭です。ちゃんとしたお役人だから冠をつけていますが、ありあまる髪がはみ出している・・・のです。　　　　　　　　　　　中華長髪男子の資料はこちらのシャチョウさまのツィッターに詳しく出ています。「漢族の伝統の衣冠文化に矛盾している髪型だけど、清の『剃髪易服』政策によって衣冠文化が廃れていたからこそ、こんな髪型の存在が納得されるようになっただろう。それに、清末以来もう100年以上伝わっていたので、戯曲界、芸能界における伝統文化とでも言えるのではと思う。 https://t.co/fMcTyLw9cE」 / Twitterこちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　絵置き場　座乱読ー別荘ー　　　　　　　マンガ置き場。　現在「足利家の執事」連載中

2021.01.13

閲覧総数 7649
4

おしゃれな直垂（水干）男子たち・・。

この間から、ちょっと別件の資料探しで、絵巻をちらちら見ていました。　ところが本題とは関係ないところで、「浮気心」が起こるのは、まあ、しょうがないところですが、春日権現験記絵の色んな場面を見ていて、目があちこちします。　この絵巻は、精密な修復がされていて、色彩がとてもきれいなので、資料画像としてもあちこちで目にするのですが、華麗な十二単の女房装束や、市井の庶民なども、なかなかに面白いし、建築現場の様子などでも詳しく、また、建物の構造などでも、よく引用される画像です。　登場人物たちは、それこそ町の底辺から、上は上皇様まで、さまざまな階層の人々が登場します。そういった人物群も面白いのですが、偉い殿上人や高僧などではなく彼らの周辺にいる、お供や、警護の人物たちが、なかなかにおしゃれな服装をしているなと目に留まります。　今回ひろってみたのは、身分の高い武士の家人や、高僧の従僕である稚児や、警護の侍などの、いわば使用人階級のおしゃれな男たちです。　下の絵は、裕福な中流貴族の館。国司になって益々、もうかるというご機嫌な当主は、薄手の透ける生地の水干を着て畳に腰かけているけれど、横にたむろする数人の家人たちは、白い狩衣のやや高齢の人物以外は、なかなか華やかな紋様。　また、次の場面では、この屋敷の若様であろう人物が左手に鷹を乗せて、これから鷹狩にでも出かけるのしょう。この若様の衣装も、地味ながら、なかなか大柄の派手な紋様。　同行するらしい家人は赤や青の派手ななりで、犬をつれた童子は上に着た水干の文様も、下に着た小袖も凝っているし、袴は多分、上からグラデーションになったぼかし模様。　これは、違う場面ですが、高僧の住まいに仕える稚児と、庭掃除の寺男（無帽で、髪を後ろでくくっているから、もしかしたら、稚児のまま僧に仕えて年とった人物？）。この掃除人は、まるで織田信長が着てもおかしくないような全身木瓜の文様の入ったおしゃれ？な直垂。右の武士などは、タータンチェックで、直垂作ってもいいんやって思わせる。　この下の四人組も、僧侶の侍者。　特に、地べたに座っている人物の右端の若い男は、跳ねる馬の文様を袴と背中に大胆に散らした、華やかなもの。髭の中年も、なかなか手の込んだもようだが、上に座っている人物は、水色地に白い鳥の文様を染め抜いているし、袴の腰のあたりで水色のグラデーションになっているもの。　この男たちは、出現した神鏡を地頭の命令で、寺に移送するところだが、護衛に駆け付けた武士の一人の槍を持つ人物は、白地に黒と金の石畳文様のような段の柄の直垂を着ているし、弓に矢を持つ人物は、軽装ながら、きれいな石畳紋の袴をはいている。　手前の紺の侍は、同じ柄の衣装の者がいるので、ある種のお仕着せ？　これは、少年が春日若宮の前で今様をうたっているところ。後ろの席では、この少年の母とその侍女たちがいます。金の霞のかかったような赤い派手な水干が凝っている。お宮参りはおしゃれしてくるんですね。　　母親たちが乗ってきたと思しき輿に、数人の従者が控えているが、輿の左側にいる人物は、明らかに片身替わりですよね。右側にいる二番目の人物は、紺地に大きな鶴の文様が浮き出ていて華やか。　この絵巻の中には、ほかにも華やかないでたちの人物が登場しますが、こういった、片身替わりのような、身ごろかわりとでもいうのか、違う布で仕立てて、華やかさを演出する衣装を着た少年たちがたくさん登場する場面が、あります。白河上皇が春日社に参詣する、その行列に従う、弓矢を持った衛士たちの後ろに並んでいる、牛飼い童たちでしょうか、これらの何人かが、前立てと襟だけを別布仕立てにして、アクセントをつけているんですね。　中には袖口も変えている、また右側の袖口だけを変えているものもある。　なかなかに斬新なデザインですが、これは、さすがに、上皇という身分の高い人に仕える童子なので、特におしゃれをしているのかもしれませんね。きっと、容貌でも選ばれているんでしょうね。　牛飼い童ですから、車のそばを歩くので目立つし、行列の花なのかも。　見てくれの良い、華やかないでたち・・・英国のフットマンにあたるのかもしれませんね。　別のエピソードの絵なのだけど、凝った庭のある邸内で、この家の子供たちが遊んでいるところにいる、従者と思しき人物の衣装も面白いんですね。↓「姫様たち！　そんなに身を乗り出しては、池に落ちます！」と叫びながら、片袖脱いで走ってくる童子も、派手な柄を着ていますが、子供の後ろにいる烏帽子の若者・・・。　これは、何を着ているのでしょう？　まさか豹皮じゃないよね？　でも、袖付けと、袴の前後の縫い合わせ部分に、なんだか、普通の布じゃない感じがするのですが、どうでしょう？　こちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　絵置き場　座乱読ー別荘ー　　　　　　　マンガ置き場。　現在「足利家の執事」連載中

2019.06.21

閲覧総数 1815
5

おしゃれな直垂男子たち３

おしゃれな直垂（水干）男子たちシリーズ？の3回目です。　おしゃれな直垂（水干）男子たち　おしゃれな直垂（水干）男子たち２はこちら。　今回は、慕帰絵詞に登場の直垂男子たち。この絵巻は観応2年（1351年）末ごろに製作されたことがわかっているようです。　主の退出を門前で待つ従者たち。　　　　　　緑色の扇文様の人物は、やや身分が高い訪問者。太刀を持った髭が従者。　　　　　　僧と話す狩衣立烏帽子の主人。廊下に侍るのは童子の従者。　　　　　　廊下で待機する童子　　　　　僧たちのアイドル（？）美麗な稚児。　　　　　　　門前で主人を待つ童子と従者。　　　　　　　これも門前で主人を待つ従者とその屋敷の門衛。年とった水干の牛飼童子と話す男も扇文様の直垂。高僧から学問を習う若君と、廊下で待機する従者の童子。　　　　　　　牛飼い童子　　　　　　　門に入ろうとしている使いの従者　　　　　　　　宴会で給仕をする稚児。松文様の配置から片身替わりの直垂かも・・・。　　　　　　眠る僧兵と武装する稚児（この人物は女武者疑惑？があったと思うのですが、少年だと思う。この絵巻に登場する、女性と美形稚児は、顔が白く塗られていて化粧をしています。　　　　　　　　寺の廊下で稚児たちを口説く？僧。　　　　　　門前で客の馬同士が喧嘩、。慌てる馬丁たちと、巻き込まれまいと走り出す通りすがりの馬借。　おにぎりを運ぶ童子と、そのおにぎりを覗き見る男。「一つ食わせろ」「だめですよ」　　　　　こちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　絵置き場　座乱読ー別荘ー　　　　　　　マンガ置き場。　現在「足利家の執事」連載中

2021.05.07

閲覧総数 589
6

英国の男性使用人

タイトルだけで手を出す本・・・。　いや、必ずしも、それだけではないのですが、まあ、興をそそる題名の付け方ですね。　「図説　英国執事　貴族をささえる執事の素顔」（村上リコ・ふくろうの本）です。　この著者の本は、ふくろうの本での図説シリーズは三部作で、ほかに「英国メイドの日常」「英国貴族の令嬢」が出ています。　　　　　　　　　　　この著者は、以前に出した「メイドと執事の文化誌」の翻訳者でもあります。ほかにも「エドワーディアンズ」（リタ・サックヴィル＝ウェスト　河出書房新社）など、いろいろの翻訳をしていて、英国のちょい過去くらいの歴史が専門みたいです。　で、この本は決して執事の話だけをかいているのではなくて、ビジュアルで・・って図説ですから当然ですが、いわゆるお屋敷の男性使用人たちのことを詳しく書いている本なのです。　むしろ、執事は、男性使用人の成れの果て・・あ・・いや、出世して上り詰める地位であるので、ホテルで言えば支配人ですし、オーナー兼客である屋敷の主人の直下にいて、いろんなことを取り仕切る仕事をしているわけですから、当然、かなりの年配ですよね。　ですから、当時の絵画や写真などに登場しても、まあ、見栄えはさほどしないんでしょうねえ。むしろ、ビジュアルとしては、男性使用人の花？でもあるフットマンがたくさん出てくる。彼らは、美々しいお仕着せを着て、晩餐会の給仕や接待をする役目ですから、人目にさらされるので、御屋敷では、まあ背の高い見た目のよい、若いもんを選びがち。　それに、御主人が大貴族ともなると、宮中に出かける時には、フットマンは古典的な衣装をつけて、馬車の後ろに立って人形のように並ぶので、それは、まあ飾りとしては、当然背丈もさることながら、ふくらはぎもきれいでなければならない。そうなんです、キュロットに白い靴下をはく。帽子をかぶっていますが、当然、髪は白い髪粉をはたいて王朝風に化粧する。　そうそう、日本でも皇室の儀装馬車は、後ろにフットマンが乗っています。映像としては、かつて、ケネディ大使が馬車で皇室に招かれたというニュースで流れましたね。でも、日本人は帽子をかぶってはいますが、髪粉まではやってないと思われますが・・・。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　日本の皇宮警察のフットマン　　　その花のフットマンも、主人や奥様の外出に従わなければならないので、劇場や、夜会などで、主人が参加している時は、屋外でずっと待ってなければならない。なかなか大変ですねえ。　フットマンが、その中で主任になったり、副執事になったりして、出世し、やがて、御屋敷の執事になれば、いわゆる私服の使用人・・つまりお仕着せを着なくてもよいようになります。　しかし、押し出しが立派で堂々としている執事が、宴会場で主人に間違えられては、主の面目がつぶれますので、さりげなく「使用人ですよ・・」という合図をおくる身支度をしなければならないらしい。たとえば、ホワイトタイの礼装に、わざとブラックタイをするとか、上着とズボンをセットにしないとか、まあ、ちょっとした工夫をしていたそうです。　ご主人様の身の回りのすべてを世話する従者、あるいは侍臣と訳されるバレットは、朝の身支度から、夜の寝間着まで世話せねばならず、それはそれで、大変なことですね。げっそりやつれたようなバレットが描かれている絵もありますが、御主人はわがままなんでしょうねえ。ジーヴスはバレットです（後に執事に出世）。　ちょっと絵にまとめてみました。【中古】図説　英国執事貴族をささえる執事の素顔ふくろうの本／村上リコ【著】【中古】afbこちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　　絵置き場。旧HP「座乱読ーザ・ランドック」の歴史上人物2000人描きの後‥少し停滞・・・。　座乱読ー別荘ー　　　　漫画をおいています。今は、高師直が主人公？の「足利家の執事」連載中・・

2019.06.09

閲覧総数 1783
7

松崎天神縁起絵巻の人々

以前、絵巻の年代について書きましたが、これがぬけていたので追加します。　１３１１年頃という年代の、松崎天神縁起絵巻です。　キャラクターデザインが独特であり、私としては、後世の岩佐又兵衛風のキャラの萌芽を連想してしまうのですが・・・。。　正統派絵巻の、ほっぺたのふくらんだ、まんまるこい顔に引き目のいわゆる細い吊り目の「絵巻き風キャラ」とは少し違う。個性的な顔立ちといってよいかもしれない登場人物たち。　なんとも、脇役が面白い♪　　　　　　　階の下に控える随身。主人についてきた護衛の随身で、ちゃんと地べたに控えている。弓矢を携えて二人セット。主人の公卿は、束帯を着て昇殿をしていますので、仕事が終わって帰ってくるまでこの場所で待つのでしょう。お雛様の所謂「右大臣、左大臣」ですが、同じいでたち、同じ顏・・・のように見えますが、少し目鼻の形が違う。　心なしか、片方のほうが色が黒いような気がする。眉毛の形も少し違います。　顔の個性を描き分ける・・・これ、結構大変ですよね。漫画のキャラクターでも、とてもうまい漫画家でも、登場人物がわからなくなり、似たようなキャラは、これどっちだっけ？と思うことは多々ある。これは、「労働する人」の衣服でちょっと興味を持ったもの。　　　左側にいる馬飼の男は、半そでで、丈の短い着物に、足には脚絆。裸足だが、ぺっちゃんこの烏帽子をかぶっている。　貴人の牛車の前を横切ったのか、とがめられている笠の男は、袖丈の短い着物ですが、袴をはいていて脚絆に、ちゃんと草履をはいている。烏帽子が無いのは、吹っ飛ばされたのか？　笠をかぶっているからないのか？　　乱暴な黒水干の男は、両袖を脱いでいますが、一番下に着ている肌着は、馬飼と同じスタイルなのが面白い。ランニングシャツの上にワイシャツ（白い単衣）を着てスーツを着ると言った感じなんでしょうね。力自慢なのか、両袖を脱いで腕をあらわにしています。ちなみに、上流階級の人になると、たとえ寝起きのようなリラックスシーンでも、２枚も広袖の白い絹を重ねています。↓　次は、力仕事をする下級僧侶たち・・。お坊さんが、労働するスタイルは、と、こんな感じになる。　これは、道真の遺骸を乗せた車が、墓所に向かい時、牛が動かなくなったので、その場所に埋めてほしいのであろうということで、僧たちが、墓堀をしている場面です。　車に従う従者たちは、皆泣いています。僧たちは、法衣を脱いで下着姿になり、あるいは、広袖を背中で括り合わせて、働きモードに突入です。長い裾はたくし上げて両方の腰のあたりに挟み込み、足の自由を確保します。草鞋を履いているのもいますが、素足になっているお坊さんもいますね。当時の人は、作業は裸足のほうがしやすかったのでしょうか・・・・。　これは、とあるお屋敷の門前にたむろする人々。　おそらく、この屋敷を訪問している人の従者たちで、主人が出てくるのを待っている間、ダベっているのでしょう。　　　　　壁際にいる弓矢を持った人物は、この屋敷の警備員で、会話に加わってはいないのですが「こいつら・・勝手なことばっかり言いやがって・・」　というような顔をしている。　眼の大きい白丁は、青い水干の男が得意げになって話すことをクールに聞いている感じ。後ろの、より目の童子が、なんとも面白い表情ですね。　この下の絵は、門の外から、集まってきて、中を覗きこみ騒ぐ様子。「ありゃ～！」「何じゃ、何をしておるのじゃ！」　「どういうことじゃ？」「おい、もうちょっと前に行け、よく見えん」「わあ・・押しつぶすな」・・・・なんて、入らないで、驚いている・・という状態。　　　　　　皆、狩衣烏帽子の、貴人の従者といった雰囲気なので、この門の外に控えているひとたちなんでしょうか？　この連中の顔立ちは、一応に、庶民階級とは違って、さほどの、際立った個性のない、まあ「公家顔」に描かれているので、そこそこの身分なのでしょうねえ。一番後ろの緑の狩衣（布衣？）の人物など横顔ですが、長谷雄卿草紙の主人公に似ているので、ややたれ眉の男前顔です。　で、この彼らが、興味深々で、驚いているのに、ちょっと遠慮？がちに覗いている先には何があるのか・・・。　これが、彼らの観ていた光景です。　若い女が、肌脱ぎになって着物をかつでいて、胸元もあらわに、足も丸出しで走っている。しかも、この場所たるや、なんと宮中の清涼殿！（緋の袴の下に、薄い単衣を着こんでいるのがちょっと面白いですが・・）　これは、まあ、驚きますが、この後、彼女は更に着物を脱ぎ棄て、袴一つになってしまうのですが、これは、ひとえに、かなわぬ恋に狂った、哀れな女官の姿・・ということになっています。　一代決心で、思いを打ち明けたのに、拒否された・・ということだそうです。　その彼女を拒否した男が、この人　　　　　　色白で華奢な「美僧」なのでしょう・・。　宮中でのトンデモな事態に、帝は、この阿闍梨を召して、「そなた、なんとかしろ」と御命じになる。そこで、尊い阿闍梨は、彼女の「煩悩」を断つべく、熱心に祈ります。　この目の前に、素っ裸（緋の袴は穿いています）になって、踊り狂う？女性がいますが、修行を積んだ偉いお坊さんは、そんなことで、心を乱されたりしません。ただただ・・祈るばかりです。　やがて、尊いお経の効果で、女官は、平常心に戻った・・・とのことですが、女官は、その後、お勤めつづけられないよね・・・恥ずかしくって・・。これ・・帝の御本心は、祈り治めよってことだったのかな？　「お前にやるから、彼女を引き取れ・・」って意味じゃあなかったの・・・・？これは、とある屋敷の「使用人ゾーン」　今夜、大きな宴会があるのか、豪勢な料理の材料がどっと運び込まれた裏口。　黄色い衣装の宅配屋・・ならぬ、運搬人たちが、長持ちを運びこんでいます。　魚は貴重なので手渡し・・？　受け取っているのは両袖を脱いだ料理人（別の場面では、料理を持って歩いている）。朱塗りの台盤の前に座っている赤い狩衣の人物は、この屋敷の「執事」？ではないかと・・。　届いた料理や食材の目録を読み上げさせている前で、小さな杯をもっているのは、届けられたお酒をテイストしているのではないか・・なんて思うんですがどうでしょう？　この絵巻の時代は１４世紀初頭ということですが、表情などになかなかに個性が出ているなあと思います。　ちょっと個性的な長谷雄卿草紙や、絵師草紙などの絵巻に近い絵柄と思うのですが・・。　でも、天神縁起絵巻なので、雷になった天神さんと、時平さんも出しておこう。　太刀を抜いて、雷さまと対峙するシーンです。　　　こっちの方が迫力ありますが・・↓　「北野天神縁起絵巻」（年代は１２２０年頃？）左端に太刀を構えて立っている人物が時平（逃げる女性をかばっているようにも見える・・）こちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　絵置き場　座乱読ー別荘ー　　　　　　　マンガ置き場。　現在「足利家の執事」連載中

2019.07.11

閲覧総数 838
8

稚児の服装

絵巻物には、たくさんの少年、そして寺に奉仕する稚児が登場します。　これらの少年の従者や、稚児たち童子の服装について、画像を拾ってみた。「慕帰絵」寺にいる稚児たちは華麗な文様の直垂を着ている。　　　「春日権現験記絵巻」水干の少年　　僧たちの宴会で給仕する稚児。　「北野天神縁起絵巻」　水干のあちこちに飾り花をつけた少年。↓大人の飾り花　　「松崎天神縁起絵巻」貴人の従者たちの主人待ちの間の会話に交じっている侍童。二人とも水干。　大体の少年たちは、直垂か水干のいでたちであるけれど、儀式に参加するときには華麗な装束に身を包むこともあるようです。上着や袴に花を立体的につける特別な装飾もありますが、前立てを色違いで仕立てる派手な狩衣なども着ているのは、目立つのをよしとする、牛飼い童なのでしょうか？↓「春日権現験記絵巻」　　　　それと、とっても特殊な例だと思うのですが、寺の稚児たちの「礼装」？なのか、裹頭スタイルです。　しばしば、僧侶たちの集団が頭を袈裟で裹（つつ）んで、集まっている場面が絵巻でも描かれますが、こういった裹頭をする集団は、僧兵と決まったものではなく、儀式や法要、詮議などの場合に皆が集まってくるときに裹頭をしたということです。　そして、こういったさほど「恐ろしげではない」裹頭集団のなかに、時々、華やかな衣装と、長い髪を垂らした人物が混じっています。　　　　　　　　これらの裹頭僧の集団の中に混じっているのは稚児ですが、いったい何を着ているのか？　たいていの場合、寺の稚児が描かれるときには、直垂か水干の、普通の少年の服装をしているのですが、この裹頭の場合に限って、衵のようなものを着ているのです。　これを「女装」という風に書いてあるものも見ましたが、衵あるいは袿のようなものを着ているからと言って「女装」と断定してよいかどうかわかりません。ほかにこのような服装をしているのがあまり見られず、なんらかの「童子の正装」のようなものではないかと思うのです。このような装束を着るのは、裹頭をしている時に限られているからです。　そして稚児の身分にも、裹頭が出来るものとそうでないものがあったのはないか？　↓このような、両方のまじっているものもあるので・・。　　　　　　　　そして、この一見、衵のような衣装の下には袴をはいているようにも見える。天狗草子に、裹頭僧たちの中に混じって、法衣の裾の襞のない装束の人物がいるのですが、はっきり袴をはいて座っているので、裹頭稚児も袴をはいていたのではないかと思います。　また、僧兵として僧侶が裹頭をして武装をしている場合（法衣の下に鎧を着用している）には、その集団の中にいる稚児は、髪を結い上げて（動きやすいように）して普通の武装をしているのです。　　　　　　　さらに、僧侶が外出をするときに、いわゆる頭巾をかぶるのは、ほとんどは袖頭巾のような布製のもので、裹頭のように袈裟を使って頭を巻くのは、僧侶にとっても特別であったと思われます。　そして（寒いからか？）稚児にも、外出時に頭を頭巾でつつむことかある。　この下の図の僧たちの真ん中にいる扇を持った白い袴の人物は小柄で、稚児のように思います。右の中央の人物も僧と同じようなかぶりものをしていますが、色白で、緑の直垂なので稚児かも？　　　↓この人物は、傘をさし、さらに薄い法衣のようなものを着ていますが、長い髪が垂れているので、今だ剃髪していない稚児でしょう・・。　そしてこのような頭にかぶる頭巾の中に、派手な小袖を被る者がある。これは法然上人絵伝の中で、唯一、派手な被衣担ぎ風の被り物をしている稚児だと思われるのですが、もしかしたら女性かもしれない・・という疑いも残ります。　でも、袴をはいているようですし、女性の被衣だと、鉢巻きのような紐で額を止めているのはないので、稚児ではないかと・・・。牛若丸まであと一歩？　　　　また、時代が下がると、武家に仕えている少年たちと、寺の僧に仕える稚児に違いが出てくる。　武家の御小姓たちは、化粧はしていないのですが、寺の稚児は眉を落とし、描き眉をしてうっすら白い顔をしています。（足利将軍若宮八幡参詣絵巻）↓この中央の赤直垂の少年は長小結をつけて、元服してなお少年の仕事をする、あるいは少年のリーダーのような役割の少年です。　　　　　そのほか、時代が下がると、稚児と僧の恋愛ものを描いた絵巻物が沢山ありますが、どうも稚児を女性っぽく描くのが流行りであったようで、ほとんど、顔は女性と見分けがつかないのですが、衣装はやはり小袖、水干、直垂を着ています。　こちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　絵置き場　座乱読ー別荘ー　　　　　　　マンガ置き場。　現在「足利家の執事」連載中　

2022.11.18

閲覧総数 929
9

蓮池の話｛平家物語と太平記）

私の父方は、土佐の出身で、家では坂本竜馬はアイドルだった(歴史の教科書に出してもらわなくても、彼は不滅です）・・・みたいなことを随分むかしにほざいておりましたが、母方の祖父は、湊川神社の近くで生まれたので、正成という名前をつけられ、戦前の人だから当然、大楠公が御贔屓だった。　父にしても神戸で生まれていますし、家も神戸の長田区でしたから、須磨が近い。　だからかどうか、我が家は、勿論幕末維新の坂本竜馬はごひいきでしたけれど、平家物語が好きだし、母方の祖父の影響で、太平記も好きな環境ではあったわけです。　実家のあった場所は、震災のあと、更地になってしまって(現在どうなっているかは知りません）、神戸にいる親戚もないので、縁のない土地になってしまいました。　ですけれど、その場所は蓮宮と呼ばれており、近くには池田、蓮池という地名が残っており、ここには大きな「蓮池」があったとされています。　　　　　　　　　　　　　　この蓮池は、まあ、ありがちな行基開削の伝説がありますが、場所は、高取山のすぐ南側で、和田岬のずっと北、新湊川(旧苅藻川）のちょい西です。　この場所は、平家物語では、平重衡（清盛の五男で、大仏を焼いた人ですが、牡丹の花のように美しかったともいわれています）が、生田あたりから、敗れて落ち延びる時に通った場所とされており、中々の美文で紹介されます。　汀には、助け舟いくらもありけれど、　うしろより敵は追っかけたり。　　逃るべきひまもなければ、　湊河・かるも河をもうちわたり、蓮の池をば馬手にみて、　駒の林を弓手になし、板やど・須磨をもうちすぎて、　西をさいてぞ落ちたまふ。　といった状況は、この辺に住んでいた私としては、ものすごく具体的。　湊川は、川の付け替え工事が行われて、現在は苅藻川と合流して、新湊川になっています。阪神高速の出入り口に湊川というのがあり、今は新湊川トンネルというのもある。駒の林は、今は駒ヶ林という地名で、地下鉄の駅もあり、近くには大きな鉄人28号が立っている・・・と言えば神戸の人には想像がつく場所ですよね。　板宿、須磨は今もそのまんまで、山陽電車(神戸高速）の駅で、阪神電車も止まります。　蓮池を通過した平重衡は、逃げおおせることができず、海際で源氏の兵につかまり、鎌倉におくられて、やがて処刑されます。　　　　　この蓮池から歩いて、7、8分くらいのところに、新湊川の東岸に「源平勇士の碑」というのがありますが、これは平知章戦死の場所とされています。　知章は、平知盛の長男で、父を逃がすために犠牲になった16歳の少年・・・・なのですが、熊谷直実の出家や、織田信長が舞った「敦盛」などのおかげで全国区という美少年？平敦盛の知名度には及びませんねえ。怪力の少年だったというのが、ドラマ的にはマイナスだったのかしら・・・？　この源平の合戦から150年の後の1336年。　やはり、この蓮池ぞいの道を西に向かって命からがら、落ち延びた武者がいます。足利直義です。　これは、(昔の）神戸人にとっては、平家の次に有名な湊川の戦いの時です。　だいたい、太平記を読み始めて、湊川の戦いが終わったあたりでしらけてきて、後醍醐天皇が吉野での不遇の死を読んだら、あとは、まあ、ごちゃごちゃした話になって読まなくなるんじゃないですか？　　クライマックスは、湊川の合戦や、四条畷の合戦で、楠木父子が退場すると、そのあとは、なんだかつまらんようになる・・・・と思う・・あ・・・それは昔の私です（今はその後のほうが面白い）。　その楠木正成の壮絶な最後の戦いは、足利軍は船で和田岬に乗り込んで来て、海は二方向、陸は三方向から攻めてきたんですよ。　その湊川の戦いのときに、西から陸路（山陽電車の線路沿い）、攻めてきたのが足利直義軍。　追い詰められた楠木隊は、とても強くて、敵軍に飛び込み、雑魚は相手にせず、身分の高そうな武士だけを狙って獅子奮迅の戦いぶりで、運よく、足利直義を見つけ、これを徹底的に追いかける。反転して逃げ出しますが、乗馬が傷ついて、動きの鈍った直義が、この蓮池あたりで、追いつかれそうになり、あわや一巻の終わりか・・という場面。　そこは勇猛の部将が、馬より飛び降り、手槍で、敵方の馬の脚や首などぶった切って七、八騎も斬り伏せる間に、直義は馬を乗り換えて、須磨方面に逃げ延び、その間に、船から降りてどっと上陸してきた尊氏の主力軍が押し寄せて来手、勝負はついたのですね。　　　歴史に、もしもは、ないけれど、でも・・・・・・もし、この時、直義が蓮池で死んでおれば、後の足利幕府の経営はどうなっていたのかな・・・とか思いますね（まあ、この蓮池の展開はフィクションだという人もいるみたいですが）、直義が討ち死にして西方面の軍がばらばらになっていたら、楠木正成たちは西方突破して脱出できていたかもしれない・・？　　そこまではなくても、楠木滅亡の後、都に上った尊氏は、一人で幕府をやっていけたんだろうか・・また別の人物が直義の代わりをする？（斯波高経あたりは同世代・・？）・・というような展開になっていたのだろうか・・・後醍醐さんとも、また、違った経過をたどったのだろうか・・・なんて思いますが、観応の擾乱はなかった・・？　いや、山積みになった問題が噴出するのは歴史の必然？　　蓮池の跡は、今は公園になっていて、その隣の小学校の敷地を含めたあたりが昔の池であったようです。平重衡や、足利直義が通った道は、池の南側土手とされていますが、今は広い道路で、地下に神戸高速鉄道が通っています。　私の小さい頃の遊び場でしたから、懐かしいですが。こちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　絵置き場　座乱読ー別荘ー　　　　　　　マンガ置き場。　現在「足利家の執事」連載中

2019.06.23

閲覧総数 502
10

風呂の日・・そしてブログの日？

　2月6日はゴロ合わせで、風呂の日だそう。そしてブログの日だそう（ブ＝２　ログ＝６・・？）。ということで、風呂のことをブログに書きます・・。　日本の風呂については、最初の話はたいてい、光明皇后の風呂の伝説から歴史を始めるようです。　今も法華寺には光明皇后のゆかり？の蒸し風呂があるそうです。　まあ、日本の風呂は、本来湯舟につかるというよりは、蒸し風呂で汗をかくサウナ方式だった・・というのは、その通りかも。　しかし、一般的に、蒸し風呂などの高級な施設は、めったにないわけで、貴族の邸宅でも、そんな施設を持っていたのは、そんなにいなかったのでは・・・？　中世になれば、禅寺などで風呂を導入していたし、裕福な高位の人物なら邸内に簡単な風呂のようなものを備えていたかもしれない。民衆は、家でいわゆる、盥に入っての行水みたいなものや、川で身体を洗う程度だと思う。　それから、温泉。これは、今も行われているように、自然の天然温泉だとか、湯の沸いているところでつかる。こういうのも、いわば、湯治で、これは古くからあった。　舒明天皇が有馬温泉に入ったとか言われているし、孝徳天皇も行った。息子の名前が有間皇子というのも、ここで生まれたからか、ここに領地を持っていたからじゃないの？　温泉旅行は、もう飛鳥時代からやっていた。　温泉としての有馬は、清少納言も言及しているし、後白河法皇なども入っていたようだから、平安時代には、レジャー湯治は当たり前になっていたのかも。　ということで、風呂の画像を集めてみた。　　そんなに古い絵ではないので、衣装は中世的な女房装束だけれど、光明皇后のエピソード。　これも、蒸し風呂です。　病人の膿の出る身体を、皇后自らが洗ったという場面です(東大寺縁起絵巻）。　　　　いささか物騒な場面ですが、これも室町時代末期の絵巻で、源義朝が風呂場で暗殺をされるところ。　武士にとって、負け戦で逃走するときは、よほど用心しなければ危険です。しかも、風呂場は、当然危ない。負け戦ではないが、子孫の源頼家も風呂で暗殺された・・。　言うでしょう？　♪お殿さまでも、家来でも♪　お風呂にはいるときゃ、みな裸～♪　狩野探幽は劇的に描きますが、資料はこの絵巻かも・・。　そして、蒸し風呂を焚くのは、下働きはとっても大変。　湯を沸かすのは寺に雇われた子供ですが、水をくむのは屈強な若い僧。　これは、烏天狗の入浴。是害坊絵巻では、傷ついた烏天狗を仲間が、湯舟に介助していれる様子が描かれています。大きな布をしいて入れているのは面白いかも。　病を治すための入浴は、小栗判官の伝説で極まる。　ぼろぼろになったゾンビ小栗が、熊野の湯につかって、健康体に戻るエピソード。　小栗判官物語(岩佐又兵衛）です。　そして、ついに、大衆浴場！　洛中洛外図に描かれた、町の風呂屋。　これもサウナ形式だと思う。　そして人々は、サウナに行くときに、布をしいてそのうえで着物を脱ぎ、それを包んでおく風呂敷なるものが出てきた！　ちなみに、風呂敷の語の初出は、徳川家康関連だそうです。　男の入浴シーンばかりが続いたので、ここで、中世の女性の入浴といえば、もう、これしかない！　というか、多分にウソくさいけど、みんなが好きなので伝説化してしまった、高師直が塩冶高貞の妻を覗き見るシーン。これ、本当にたくさん絵になっている。　高師直はこれで、覗き男の代表になってしまった・・・。　　いや・・これ、執事殿はこんなことしないでしょう・・？　ということで、「足利家の執事」では、執事殿が覗かれ、執事が覗いたのは、高貞の妻のでっちあげ・・という設定にしました・・・。　　ということで、風呂に関する画像を張ってみましたが、風呂での暗殺と、美女の風呂のぞき関連で、これらの絵も貼っておこう・・。　マラーの死と楊貴妃の風呂です・・・・。　こちらもよろしく。　座乱読後乱駄夢人名事典　　　絵置き場。イラスト人名辞典　座乱読ー別荘ー　　　　　マンガ置き場。　現在「足利家の執事」連載中

2020.02.06

閲覧総数 935
11

鬼、烏天狗、あやかし・・。

絵巻物には様々な「怪異」な姿を、絵師が想像力を駆使して、あるいは過去絵を参考にして努力し様々な姿が登場します。　鬼については、伝統的ですが、地獄草子には、実務を行う女鬼もけっこういます。女鬼については、他の絵巻では登場しなくなる・・。姿の記憶は、もはや地獄の受付カウンターのおばさん化してる、脱衣婆でしょうかね。　　地獄の鬼は天神縁起ではかなりカラフルで、ちょっとポップな色合いになる。しかも牛頭馬頭も「鬼化」して裸にふんどしスタイル。これが地獄の労働衣になったのかも・・。まあ、地獄は火も沢山使うから、暑いんでしょうねえ・・。そして天神縁起とくれば雷さん。これは後々の「スター性」を感じさせるし、なかなかに可愛い部分も持ち合わせます。　絵師には、逃げ惑う公家を描くのも楽しかったりして・・。　　北野天神縁起絵巻では小さな扱いだった、太刀を抜く藤原時平がだんだんクローズアップされてるのも面白いです。とうとう舞台の真ん中にきてしまったのもある。　私もこんなの描きました↓　　鬼や雷様もだんだん、パターンが出来てきて、いろんなところに登場します。春日権現験記絵巻や土蜘蛛草紙などに出る鬼は、身体が赤いということで「鬼」の共通記号。　そしていずれ登場する百鬼夜行の鬼たちの前身なのか疫神・・。融通念仏縁起絵巻に現れる集団の鬼たち・・・。　それらの鬼と違って、修験者の姿をしたあやかし、烏天狗は、鬼とは姿が少し違います。.　鬼のように裸ではありませんし、烏天狗というくらいだから、空を飛ぶための羽を持っている。そして人間に紛れている時は、背中の羽をしまっているのでしょうが、顔だけは鳥っぽい・・。けれど、かれらも堕落した聖職者を皮肉った姿のようなので、顔は烏だけれど法衣を着ている大人の天狗と違って、宴席に侍る稚児（子供の烏天狗）は、顔は美形・・。中には羽を出しても顔はかわりません。　　　ところがだんだん、それらを合体した魔物が登場するのが、弘法大師行状絵詞。鬼と烏天狗はごっちゃになっているというか、一緒にいる・・。　いや・・肌の赤い鬼なのに羽がある・・でも顔にはくちばしっぽいのがある。しかも、着物を着ていない（鬼やん・・）。　　　この下の弁当箱（？風呂敷包み）持ってるのなんか、顔も嘴ないし、眼もひとつで牙が生えてる化け物顔で、もはや鬼でも烏天狗でもない・・？この弓持ってるのはかろうじて、くちばしあるけど・・。　　　　この彼らが絵巻の詞書の中では、鬼とも烏天狗とも書かれず「魔障のもの」とされているのは、この姿が「魔物」として一般化してきたのでしょうね。　そして、あらゆる変な姿をした百鬼夜行のイメージになるのかも・・・。器物の付喪神などとも合体して、鬼の身体に器物の頭などという者もあらわれる・・。　真珠庵本百鬼夜行絵巻こちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　絵置き場　座乱読ー別荘ー　　　　　　　マンガ置き場。　現在「足利家の執事」連載中。

2023.09.07

閲覧総数 136
12

絵巻で見る僧侶の被り物

気温が乱高下の最近。暖かいと思ったら急に雪がちらついたりして、さぶ~！となりますね。　中世の人々は、男性なら烏帽子被っているし、女性はロングヘアに外出時は衣を被っているけど、お坊さんは頭丸出しで寒くないのか？　夏場は直射日光てあつくないのか？　で、何らかの対策はしていたでしょう？絵巻から、坊さんが何か被っている絵を集めてみた。(慕帰絵)(慕帰絵)　(芦引絵)(芦引絵)(法然上人絵伝)　以下同じ尼僧のようですが、袖頭巾が、まんまな形これは裹頭の僧兵。法衣の下に武装しています。とこんなところかな。袖頭巾はもちろんおおいのてすが、僧は時々紐で額にくくりつけていたりするけど、尼さんには額の紐は無いようです。　焙烙頭巾のようなものも、登場しています。慕帰絵の一枚目の左端の僧。この形の頭巾を被る人物は法然上人絵伝にも登場しています。こちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　絵置き場　座乱読ー別荘ー　　　　　　　マンガ置き場。　現在「足利家の執事」連載中

2024.03.02

閲覧総数 139
13

御簾の下からこぼれ出る装束

今日はひな祭りです。　ひな祭りと言えば、お内裏様が並んですまし顔なんですが、どうしても女雛の華やかさに目が行きますね。まあ、黒装束？の束帯を着た男雛は地味と言えば地味ですが・・。　今の雛人形は明治になってから、江戸時代の有職雛が発展して出来たものですし、もはや有職的な文様すら離れて、ただただ、派手な「和風」柄ですらない物もありますが、一貫しているのは、女雛の華麗な衣装の布の重なりの美しさを愛でるということでしょう。布による色のグラデーション、色彩の重なりの美しさ。ひな祭りにふさわしいかも。　これは、大袖の装束が生まれた時から、女性たちが、気合を入れていた美学ですね。その衣装を着た女性というより、中身はなくとも衣装そのものを飾りとして使うのが、「打出」といわれる装飾です。　それについて特化した本がこれ。　「御簾の下からこぼれ出る装束―王朝物語絵と女性の空間」（赤澤真理・平凡社）　　　　　　　　　　　このタイトルが、あんまりにも「まんまやん！」とは思いますが、それです。つまり、王朝貴族の室内装飾（室内と外の境界といってもいい）としての「打出」（うちいで)です。　御簾の下から覗いている、いやはみ出している女性の衣裳の袖口です。　　　（駒競行幸絵巻）　そのものずばりはこれです↓　　御簾の裏に女性が座っているのではない。　　　　　　　こういうのが、まるでその御簾の裏側に着飾った女性が座っているというような状況を、外から見せている飾りつけなのですね。具体的にどうするか・・というのは、風俗博物館で復元された展示画像です。　　　舞台裏はこれ↓。二組の衣裳を、外から見れば、二人ずつが向かい合わせに座っているように見せかけておいている。　もっと、立体的に見せるには、几帳の足に衣装を着せるような形にして、より実物っぽく見せる方法もとったようです。外から見れば、完全に一人が座っているようなものですね。　　　　何故このような装飾をするのか、ということと、このような装飾の具体例や資料などを挙げてあるのがこの本です。　この打出に象徴される「女性像」は、侍女たちであり、高貴な女性に付き従う女房であるので、后や中宮など、高貴な女性が宮中の行事や、宴などをする場合、沢山の女房を引き連れているのが豪華なわけで、その貴婦人を引き立たせる大勢の侍女たちがいるということが、その人のステータスにもなるわけですね。　そしてその侍女たちは、みな豪華で美しい装束を着て従っているわけで、そのような侍女が多いほど、つまり豪華な衣装が多いほど華やかだったわけです。　侍女たちにあまりにもたくさんの衣裳を着せすぎて、華美が過ぎるので、男兄弟や親から顰蹙をかうという話もありますが、女は競ってこそ花！だった。　自分が着るのも勿論ですが、侍女にも着せ、そしてその侍女のいる場所の外側にも見せるために衣装だけ飾る。この打出の内側には、当然中身の入った衣裳、つまり派手に着飾った本物の侍女が座っていたのです。　あまりの華麗な衣装の侍女たちがずらずらと控えているので、ある天皇などは、そこを通り抜けるのに、わさわさと重なる装束をかきわけ、かきわけ進まなければならなかったという、笑えない交通障害すら生んだようです。　有名なエピソードですが、今鏡に、ある時、雪が降ったので、院が急に雪見を思い立って皇太后の所に訪問するということになり、皇太后は、院を庭にお迎えするのに、並べる打出の装束が足らない・・ということになって、ええいままよと、装束を半分に切って御簾の下に並べさせたという話があります。見えるところだけとにかく飾りましょう・・ということで、この上の写真の、二人が向かい合わせになっているようにする打出のことでしょう。　そもそも、このような后や身分の高い女性が宮中で行事をする場合、その身辺を荘厳するために、このような衣装が豪華になり、衣装そのものが華やかな女性を演出するものとなっていったのでしょうね。　村上天皇のころに行われたという「天徳の内裏歌合せ」を復元した新しい絵画ですが、この絵は宮中で、行われた歌合せに、女性たちも参加している様子を表しています。（天徳4年内裏歌合復元図　京都文化博物館）　　　風俗博物館で復元されたもの↓　　　これは絵や人形では、女性の姿が、丸見えですが、本当は、この女性たちの前には御簾が降ろされていて、御簾の下から、華やかな裾が見えていたことと思います。　そして、その内側に、華麗な装女性たちがいるという演出効果があったのではないかとも思いますが・・。　外出するときにも、車からも華やかな衣装をこぼして見せます。（石山寺縁起絵巻）　しかしこのような御簾を隔てたにしても、男女が一緒になって行う歌合せなどはだんだん行われなくなり、男性のみの行事、儀式になり、女性は奥向きの事にしかかかわらなくなって、やがて、この装飾は消えてゆきます。　しかし、高貴な女性は、几帳の陰から見える華やかな衣装・・あるいは御簾の後ろに、後ろ姿で衣装を表現する・・などの歌仙絵の表現は、もしかしたら、この打出の後継者なのでしょうか？こちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　絵置き場　座乱読ー別荘ー　　　　　　　マンガ置き場。　現在「足利家の執事」連載中

2021.03.03

閲覧総数 450
14

岩倉使節団が行く

「明治政府のやることは、　ばかばかしいほど面白い」とおっしゃたのは誰でしたっけ。　　　　　　　　　　前代未聞、空前絶後の海外団体旅行、岩倉使節団・・これおもしろいんですよねえ。　当初計画では、２０人ほどが予定されていた派遣使節が、留学生やら、随員を含め、とうとう１００人を超える大団体になりました。　そののち、別働隊として左院使節団が、地球を反対廻り、つまり、西回りで追いかけ、花のパリで合流・・その他、海外駐在連中やら、後続隊やらが、くっついたり、はなれたり、日本人が、ぞろぞろ地球を歩きまわってたんですねえ。　これらの事情を、記録したのが久米邦武の米欧回覧実記(岩波文庫）。挿絵もたくさん入ってこれがまた面白い・・あちこちで、さしはさまれるエピソードも楽しい。　一時、ハマってました。　　　　　　　　　　　　　　　　　いえ、その心意気たるや、大変な苦労と、努力のたまものなんですよ。決して、お気楽団体旅行ではないんです。間違っても、ギャグで笑い飛ばせるようなものではありません。国の威信をかけた大事業で、明治時代の人たちが、本気で、欧米に追い付け、追い越せの必死の努力で、世界に挑戦した侍たちの記録です。　長州人といってよい、古川薫の「新・米欧回覧」もとても読みやすくて、面白かったです。　そして、米欧回覧実記と言えば、もちろん、久米邦武の語り口も面白いのですが、その中に入っている挿絵です。　これらの挿絵は、実際に使節たちが持ち帰った各地での新聞や、雑誌、絵葉書、ガイドブックなどの現地資料に乗っていた絵を、日本で模写して銅版画を製作し直したものということです（「日本におけるイタリア感の形成ー米欧回覧実記に見るイタリアのイメージを中心に」(加藤磨珠枝・立命館大学）。　こちらも、えらい気合が入っていますよねえ。そして、使節団そのものの決意のほどは、三条実美の送辞に現われています。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　外国の交際は国の安危に関し、　使節の能否は国の栄辱に係る。　今や大政維新、海外各国と並立を図る時にあたり、　使命を絶域万里に奉ず。　外交・内治、前途の大業その成否、　実にこの挙に在り。　豈、大任にあらずや。　大使天然の英資を抱き、中興の元勲たり。　所属の諸卿みな国家の柱石　而して率いる所の官員、また是れ一時の俊秀。　各欽旨を奉じ、同心協力、もってその職を尽す。　我その必ず奏功の遠からざるを知る。　行けや海に火輪を転じ、陸に汽車をめぐらし、　万里馳駆、英名を四方に宣揚し、　恙なき帰朝を祈る。　これを大いに現代意訳しますと　　異人はんとつきあういうのは、大変なことどす。　　あんじょう行かへんかったら、えらいことになりますえ。　　ウチは、維新やって、外国と肩並べんならんのどす。　　今度の洋行が、先々うまいこと行くかどうかの分かれ目どす。　　大使の岩倉はんは、生まれつきのクソ度胸持ったはりますし、　　ま、自分で維新やらはったようなもんどす、　　一緒に行かはるお人らも、みーんな偉い人ばっかりどす。　　仲良う協力して、首尾ようやって、ええ返事待ってますさかい、　　頑張っておいなはれ。　　どんどん行っとくれやす。　　海は花輪の蒸気船。汽車走らしてシュッポシュッポ行きなはれ。　　世界一周、盛大、話題になっておくれやす。　　ほんで、まあ、元気ィに帰って来とくれやす。　　　なのに、ギャグにしてすいません・・。昔冊子版の「座・乱読ーザ・ランドック」でやってた記事の私の挿絵です・・・お粗末さまでした。こちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　　絵置き場。旧HP「座乱読ーザ・ランドック」の歴史上人物2000人描きの後‥少し停滞・・・。　座乱読ー別荘ー　　　　漫画をおいています。今は、高師直が主人公？の「足利家の執事」連載中・・・腹

2019.06.04

閲覧総数 431
15

古代の復元2　馬具

古代の復元・・・の続きです。で、馬具です！　古墳の出土品の中で、一番の注目は、やっぱり鏡でしょうけれど、玉などの装身具やら、刀剣も「人気製品」ですよね。　それは、まあ、鏡・玉･剣は、本来の意味での三種の神器ですから、当然でしょうけれど、馬具というのも、なかなかにドラマチック。一世を風靡した？騎馬民族説などの例を挙げるまでもなく、これは大陸の勇壮なにおいが濃厚なものですから。　埴輪にも装備をつけた馬はあって、古墳時代の馬具というと、まあ定番みたいな解説がありますよね。　↓　吹田市立博物館　でも、洗えば（失礼）きれいになる玉とか、磨けば光る鏡とかと違って、さびた刀剣というのは、ボロっとしてて、だからこそ、復原すればなんだかドラマチックになるんでしょうねえ。　　で、そのボロっとした出土品の中でも、ボロボロなのが鉄製品ですから、馬具なんてのは、光が残っている金箔装飾の杏葉や鞍金具の華やかさなんかがメインかも。それについても、やっぱり藤ノ木古墳はスゴイですよね。刀剣や玉がすごいのはいうまでもなく、馬具だってキンキラキン。　で、轡（くつわ）なんて、地味～の極み。ところが、そういうのの中で、ある復原品にはとっても驚きましたよ。　　鏡板ってのいうのは銜（はみー轡も銜も絶妙な字ですね。糸が車の両側についてて、口にくわえるというのやら、金属で行く方向を右と左に使うって・・実用的な表現だし、ようかんがえてるわ）と紐のつなぎ目ですから、口の両側に見えて装飾効果があるんだけど、兵庫県の宮山古墳で出土したボロっとした断片を復元したら、その部分に鹿の角を装着していたのではないかというもの（元興寺文化財研究所）。　これは・・牙ですよ！　牙！　鹿の角なら、頭の上につけるのもありですけれど、口の両側につけた姿・・・ものすごく迫力あると思いません？　獰猛な顔立ち？の馬が、こういうのを口の両側からにょきっとはみ出させて突撃してきたらびっくりしません？　いや、じっと立っているだけでいい（日本で騎兵が本格化するのはどうしても鎌倉以降でしょうから）。この馬具をつけた馬・・もしかして、馬鎧とまではいかなくても、布や皮で作った派手な馬装をしていたかもしれない・・なんて妄想します。せっかく、こんな奇抜な牙はやしてんだもの。御衣装に凝ってもいいんじゃない？　ついでですが、馬装も面白いですよねえ。最も派手なのはやはり西洋中世のかも。人間様の甲冑も派手ですが。　↓西洋の馬鎧↓こちらは韓国の復元展示。　古墳時代の馬鎧がどんなだったか・・・？　あっても、多分高句麗風かも。　和歌山の大谷古墳で、断片が出ているんですよね・・？　ちゃんと見たことがないので、よくわかりませんが、下のは江戸時代の馬鎧。なんだか、獅子舞とか蛇踊りとかに通じる、なんともいえない、馬のコスプレふうですが・・・。少なくとも「実用」ではないでしょうね。こちらも、よろしく。　座乱読後乱駄夢人名事典　　　　絵置き場。旧HP「座乱読ーザ・ランドック」の歴史上人物2000年描きの後‥少し停滞・・・。　座乱読ー別荘ー　　　　漫画をおいています。今は、高師直が主人公？の「足利家の執事」連載中・・・。

2019.05.23

閲覧総数 375
16

白い寝間着

え～・・白い寝間着とくれば、普通、上様の御しとねに侍る・・・　というのは、大奥というドラマを見過ぎたからなんでしょうかねえ。昔の「大奥」ですよ（上様がちゃんと男の）。　ゆあみをして（上様にお会いするのですから、当然清めなければなりませんが、身体検査の意味もあったと思う）、結いあげた髷の中に凶器をかくしていないか検査するために、髪をほどいて流し、白い寝間着を着せられて寝所に案内される・・・。　これも、よいのですが、今、白い寝間着を思い出したのは、別のことです。　いえ、紋次郎の姉さまのサイトで、また、お館さまの寝間着姿というのを目にしましてなるほど！　と思いついたんですね。　　まあ、信長ドラマの見せ場は、やはり本能寺の変なので寝間着のまま、弓を引いたり、槍をふるったりするのが定番となっています。　どのように、ただの寝間着がカッコよく、悲愴に見えるか・・というのが工夫のしどころなんでしょうねえ。　それにしても、いつから、織田のシニョーレは寝間着で戦うようになったんでしょう。古いところでは、錦絵の世界では、正装まではいかないけれど、普段着という感じです。　私が昔見た絵本でも、袴をはいていて、小袖の片袖を脱いで矢を引いていたように思う。　これは、大河ドラマなんかなあ。でも、まあ白い衣装というのは、なんだか信長に限って言えば、悲壮感があふれていていいかも。流血しても目立つし・・というか、そんな血みどろの信長像もあったような気がする(ただ、「へうげもの」の信長は、レースのネグリジェ？ですけど、あれは超例外！！）。　しかし、信長さんとは関係がないんですが、そもそも、白い寝間着っていつごろからあるんだろうかと・・。　寝ている時だけの着物ってあったのかなあ？　庶民は、多分、特別に寝るときだけの特別な衣装はなかったと思うし、木綿が普及する江戸時代にならないと木綿の浴衣などというものは登場しないので、上流階級に限られるのですが・・。　で、源氏物語絵巻！　寝ているところ（というか、重病で臥しているところ）が見せ場の柏木くんがいたじゃあないですか！　　平安時代には布団はないので、着物を重ねて掛布団代わりにしているんですけれど、絵巻をよく見てみると、何枚も重ねてくるまっているから、一番下の寝間着なんてわからんのですが、重ねている着物はみな白い。　だから、一番下も多分白い。　おなじ源氏物語絵巻で、帝がくつろいだ姿でいるシーンがあるけれど、これなんか寝ているわけではないけれど、筒袖の下着に赤い袴（天皇だから引きずっているかもしれませんが）の、下着の上にこれも薄い白の単衣を羽織っているだけ。思いっきりくだけたかっこうでしょう？　　伴大納言絵詞には、寝ているところをたたき起こされて、かぶりものもつけずに、寝間着？の上に一枚、単衣をはおっただけ・・という天皇が出てきますが、これも白い筒袖（だと思う）に赤い袴のまんま。　これを見ると、本当に寝ている時は烏帽子とか冠とかはつけてないんでしょう。　柏木は烏帽子をかぶっていますが、夕霧が見舞いに来たので、とりあえず、烏帽子だけかぶった・・というような表現があるので、お客の前だからでしょうね。　　　平治物語に小袖と大口袴だけであわてふためく絵柄があったけど、あれは、いわば、シャツとステテコで人前に出ちゃった！ってとなんでしょうねえ。　ということは、まあ、寝間着は下着だったってことだ。　鎌倉時代の病草紙などには、当たり前だけど、わんさかと寝ている人が出てくる。たいてい白い筒袖を着ていて、庶民に近い中流の人たちは、あまり袴をはいて寝ていないようですね。女性も白い筒袖だけ・・という感じです。　ということは、「白い寝間着」は、平安時代にはすでにあったということですよね。　ところで、また信長さんに話を戻しますが、清州会議という映画を見ましたら、本能寺の変から始まるのですが、（唯一、カッコ良くない本能寺の信長さんでしたが・・）信長さんは、白い寝間着の下に赤い下着を着ていたんですね。　赤い下着というのも、よくあって、当の信長の肖像画というのも白い小袖の下に赤い下着ですよね。襟元から除く下着が赤いという絵もしばしば目にします。　高尾観楓図屏風では、上の着物を脱ぎ棄てて、下着姿で踊るお方が出てきます。これも赤い（赤シャツです！）　平安時代の女性の緋の袴や、男性の大口袴も赤ですし、十二単の一番下に着る単衣も赤いのがよくあります。　あれは、赤い色が「魔除け効果」？があるので、一番体に近いところにつけるというのだそうです。　若い（未婚の）女性の袴は、濃きといって、紫に見えますが、あれは魔除けの赤の染料を濃くしたがために黒味がついているそうです。若い未熟な娘は、ちゃんと「魔除け」をしっかりしなくてはならないからでしょうか？　一時、流行った赤い下着も、実は魔除け？こちらも、よろしく。　座乱読後乱駄夢人名事典　　　　絵置き場。旧HP「座乱読ーザ・ランドック」の歴史上人物2000人描きの後‥少し停滞・・・。　座乱読ー別荘ー　　　　漫画をおいています。今は、高師直が主人公？の「足利家の執事」連載中・・・。

2019.05.24

閲覧総数 2349
17

つくもなす

座乱読後乱駄夢人名事典の方に、松永久秀を描きました。　悪人、梟雄イメージのじじい！というのが相場ですが、これは一体いつごろから誰が始めたのか・・。　有名な「爆死」したのは68歳というから、まあ、当時としては相当な年寄りですが、白髪振り乱して絶叫するようなのは、多分、江戸末明治の絵師のドラマチックな演出でしょうねえ。それが、今に続いているのかも。　　　歌川国芳　　　　　　　　　　落合芳幾　　　　　　　　　　　　月岡芳年　　　ところで、表題にした「つくもなす」ですが、これは名物と言われる「九十九髪茄子」の茶入れで、かの信長の棺シリーズ（この小説の信長像の設定には少し違和感がありますが）の番外編「安土城の幽霊」（加藤廣・文春文庫）を読みまして、その中にあった短編「つくもなす物語」でとりあげられていて、なかなかに面白かった。　　　　　　　　　　　　　　で、本物の名物九十九髪茄子の来歴は、唐物茶入れで、最初に手に入れたのは足利義満。　それから山名政豊に渡り、いつの間にか、茶人の村田珠光の手に入ったけれど、彼が購入したのが９９貫だったので、九十九という名前がついたという説があるらしい。伊勢物語の「百年に一年足らぬ九十九髪・・」からきているという説もあります。　やがて、越前の朝倉教景の手に渡り、越前で騒乱が起こったので避難のためか、売るためか不明ですが、京の商人に預けられます。そのころは、名品としての名も上がっていて、当然値も上がり、それを松永久秀が大枚はたいて買ったのだとか。一千貫だとか三千貫だとか言われていますが、現代の値段ではいくらくらいなんでしょうねえ。まあ、久秀もお金持ちだったわけです。　それから、彼が京都に上洛してきた織田信長に献上し(召し上げられた？）、本能寺の変で行方不明になったけれど、その後、なぜか大坂城にあった。　大坂の陣で焼けたものの、焼け跡から破片を拾って、徳川家康が漆職人の藤重親子に修理させ、見事に復活したので、褒美にそれを親子に下げ渡したんだそう。　で、最終的には、明治になって、三菱財閥の岩崎弥之助の所有となり、今も静嘉堂美術館にあるので、見ることができます。　　これだけの来歴と、登場人物の多彩さで、作家心がうごいたんでしょうねえ。「つくもなす物語」は、この九十九茄子が明暗両方を持つということにして、手に入れたものは天下をとる「天下壺」・・つまり権勢をふるうことが出来るが、悲劇的な末路をたどる・・という呪い「付喪神」までついてくる・・という話にしているのですね。　では、現代はその呪いが三菱にかかるのか？　というとそうではなくて、実はすでにある出来事によって「呪い」は失せている・・というのがミソですが、もう一つ、なぜ「つくもなす」が本能寺から大阪城に伝わっていたのか・・ということが、この作者独特の本能寺の設定なので、なかなか面白いです。　　そして現代でも、ドラマにはけっこう「九十九茄子」が出てくる。やはり、松永久秀、織田信長がらみですね。　　NHK『黒田官兵衛」　　「信長のシェフ」　安土城の幽霊「信長の棺」異聞録（文春文庫） [ 加藤廣 ]楽天で購入こちらも、よろしく。　座乱読後乱駄夢人名事典　　　　絵置き場。旧HP「座乱読ーザ・ランドック」の歴史上人物2000人描きの後‥少し停滞・・・。　座乱読ー別荘ー　　　　漫画をおいています。今は、高師直が主人公？の「足利家の執事」連載中・・・

2019.05.29

閲覧総数 125
18

象徴としての女性像

表紙の絵と、若桑みどりさんの著作ということで、深く考えずに手に取りました。　「象徴としての女性像ージェンダー史から見た家父長制社会における女性表象ー」（若桑みどり・筑摩書房）です。　取り上げられているのは、地母神、エバ（イヴ）、ルクレツィア、アテナとアラクネ、ユーディット･・・。　どれも、図像・・あるいは彫像の豊富な女たちです。タイトルに書いてないけど、重要なのは、聖母マリア像です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↑ともすれば省略されがちな生首をちゃんと出す！それが重要だからです。　勿論、それらの図像解釈については、男女両方の学者、研究者、ファンが色んなところで、書きつくしているんですが、それを、ジェンダー論から正面きって、こうもはっきり書かれてしまうと、まあ・・・「はい・・・。勿論、そういうことは、わかってますけど・・・」と、ボソボソと言い訳をしながら、ちょっと、うつむいてしまうような迫力です。　かといって、男はみな敵だ！　などと言っているわけではないけれど、女性の側からしても、ただ単に「きれい」とか「かわいい」とか「素敵」とか思える図像も、そう単純に楽しめない(楽しむふりができない）・・なんて、すこしためらってしまう・・そういう要素も、初めて読めば、確かにあります。　　　女性が汚れとされたのは、「月経」「出産」の事実。それは、もちろん、私だって女なんだから知っていますよ。そういうのが、男から見たら、「汚らしい」って思うんだってことも、男女、誰も正面きって言わないけれど、分かりますよ（事実・・・昔、現場で合宿してた時に、女子が入った後の風呂に、「女の子の体は汚いから」って、男同志でコソって言ってて、入りたがらない男子がいましたから・・。当時は、男の方が汚いだろうって・・思ったんですけど・・）。　それが原因で、男性原理が支配する世の中では、いわれなき「差別」をされてきた・・というのもわかります。　まあ、しかし、私は、絵画は、ただ、自分が「好きか嫌いか」で判断するクセがあるんですけどね・・・。それで、けっこう楽しい。でも、アタマの隅にはこういう「本質」もわきまえておきたいし、逆に、こういう「薀蓄」もまた楽しいんですよ・・はい。　で、この本です。　ルクレツィア（ボルジアのではないです。本家本元。ティツィアーノやレンブラントの絵で有名）については、古代ローマの「家父長制社会」の理想の女性像の典型です(古代ギリシャが、ものすごい男尊女卑だったのは、戦争ばかりしていたから当たり前なんです。男女が一緒に食事をすることなどもなかったし、健全な男性は、「男の恋人」を持つのが奨励されたくらいですから、ある意味、女性などいなくても成り立つ社会だったのかも。しかし、次代の戦士が必要だったから、男子を出産する女は絶対必要ですが）。　　ルクレツィアは、夫以外の男に犯された人妻が、どう身を処するか・・ということに一つの「回答」を突き付けているんですね。それは、父と夫に対して、自分の申し開きをしてから、相手の男に復讐をしてほしいと頼むとともに、自殺する。　この図式は、明らかに、「男性中心主義社会」において、女性が「心ならずも身を任せた」という潔白を証明するための手続きだということです。　　　↑ティツイアーノ　　　　　　　　　　　　↑レンブラント　「自殺する勇気のない」普通の女なら、被害者になっても、男たちは「妄想」のあまり、レイプされた時に「快楽」を感じたかどうか・・を大問題にする。つまり、叫んだのかどうかが、大真面目に裁判でも争われ、被害者の女性は、いわれのない屈辱（セカンドレイプ）をうけなければならない理不尽な「その後」が待っているんですね。　教会が介入してくれば、もっと厳しい。聖書にもあるとおり、女性（エバ）は、男性（アダム）の身体から作られた「男の付属品の分際」で、蛇の誘惑に負けて「快楽」を知り、男を堕落させた・・・・。だから、男より、女のほうが「快楽」が深い・・と妄想されているわけです（リンゴは、智恵の象徴でもありますが、それは性的な智恵の度合いが高いんですよ）。　ただ、聖母マリア・・これは、女性にも信仰されたけれど、聖母の受胎告知をはじめ、無原罪論争など、禁欲主義がすぎて、いってしまった男性聖職者の妄想みたいじゃないです？　　当然ですが、無原罪のマリアは、無月経なんです。だって、毎月排卵する・・なんて「おぞましい」？ことはない。聖なる女性ですから。12歳になるかならんかの、初潮前に、神の「精子」をうけて、妊娠し、出血なしに、それこそスッポーンと出産し、以後も、清らかなままで、生殖行為などは一切なし。　神の子たった一人を産むために用意された「子宮」ですから、普通の人間の女みたいな汚れなんかない。だから彼女の名目上の夫は、枯れたじいさんで、ただただ、守り保護するだけなので「安心」だ・・なんて・・・無原罪論者は、考えるんですよ。　　　　　　　　　↓ムリーリョの「無原罪のマリア」　　　　　　　そして、シンボル、象徴としての女性像。いわゆる「擬人化」絵画の中に現われてくる、女性像。これは、もう、単純な・・というか、世の中を動かしている男は、単に女が好きだから・・。はあ・・そうですか・・というかんじですねえ。　フランス革命などの頃に、擬人化された「自由の女神」とかそういったものですが、意外とは発生は古くてタロットの「正義」（これは今でも弁護士会の印ですね）とか、女性キャラの「真理」で、描かれたデューラーの版画なども思い浮かびます。　　　　　　　　　　　　　　↑ドラクロア（でも、この絵、好きなんですよね・・♪）　その大元といえば、やはりギリシャ彫刻の「女神」からきているのではないでしょうか？　　ギリシャ神話にたくさん登場する「女神」はあまりにも人間的なので、自由奔放な感じがし、ともすればギリシャ時代は女も生き生きしていた・・と感じさせますが、あれはあくまで「神々」の話で、神というのは、自然現象だったり、人間の行為だったりで、象徴とみればいいかもしれません。　　だって、マルス（戦争）とヴェヌス(愛）との間で生まれた子供が、フォボス(混乱）、ダイモス(恐怖）、ハルモニア（調和ーこの子だけ女）というのは、まさしく象徴でしょう？　つまり、萌えキャラと一緒なわけですよ。　一時、「はやぶさ」だって美少女アニメ（こういうと、これまたちょっと、いかがわしい雰囲気が出ますが）風に、萌えキャラ化されてたし、典型は艦隊コレクションじゃないでしょうか？　始めは、どうみたって、あんなもの女の子になるか？と思ったんですけれどね。思いついた人は、楽しかったんでしょうねえ（刀剣乱舞については、女性側の反逆バージョンともいえそうですが、また別問題で）。　で、象徴の女神たちが、なぜか「裸」。これは、ギリシャ彫刻が、人間の肉体を美しいものとしてとらえたので、本質を表すにはギリシャ風の衣装か、裸がふさわしいと思った・・・というのが「公式」ですが、はっきりいって、男性は「女性の裸」が好きでしょう？　　萌えキャラだって、顔は子供っぽいのに、胸だけはデッカイし、ふとももが目立つじゃあありませんか。現代人の若い男性は、ああいうのが好きなんですよ。　象徴の女神・・シンボルの女性像について、祝祭のクィーンについての分析をした学者は「女性は、男性中心の文化世界の中で本質的に「他者」であるために、国家統一や地域の調和といったなじみのない観念を表すのに格好の媒体であった」と言っていますが、まあ、現代社会は雑多で、価値観が多様なものになったけれども、１８世紀ころから１９世紀にかけて成立した、現代社会の色んな文化的な要因のなかにまだあるってことですよね。　ユーディットについては、これまた、彼女が、敵将ホロフェルネスを殺す前に、彼と「寝たかどうか」が、歴史的に大問題になっている。　でも、酒を注いで、笑顔で接待したことは間違いないんだから、その流れでベッドに行くかいかないかは、どっちでもいいやん・・・・と思うのだけれど、男にとってはこれは大問題なんでしょうかねえ。　で、首を切り落としたってことは間違いないけど、この首の切断ということが、フロイト式で、象徴としての男性器切断と解釈するのも、まあ、よくある話ですわ。　でも、首を切られているんだから、もう死んでいるんだし、これこそが、一番大事なことじゃないですか？　あそこをチョン切られたって、それだけでは死にませんって。安倍定にしたって、チョン切ったのは死んでからでしたし、彼女は「記念品」にしたかっただけなんだし・・・あ、ユーディットが「記念品」欲しがってたら別ですけど、多分、そんなものいらんと思う。・・・て、これは全然本質的な、お話ではありません。冗談です。　　　　　　　　　　　　　　↓ユーディット（カラヴァッジオ）　　　　　しかし、まあ、男性が女性を鑑賞するように、女性だって「不自由」な社会でも、男性を鑑賞します。いまだって、美少女キャラがあれば、イケメンキャラがあります。　たとえば、王朝絵巻。あの引目鉤鼻は、女性画家が描いたイケメンキャラだと私は思っていますし、少女漫画みたいなものでしょう？　あんな顔した男・・・たぶん、近い顔の人はいたと思いますが、現実にはあんなにたくさんいないでしょう？　　今の少女漫画のイケメンキャラだって、そんじょそこらじゅうにいっぱいいる顔じゃあないですよね。擬人化だって、女性だけじゃなく男性もありますが、それはいわば「架空の男性像」ですから、現代ではイケメンキャラになっています。ＳＤキャラに至っては、ありえないでしょう？象徴としての女性像　──ジェンダー史から見た家父長制社会における女性表象【電子書籍】[ 若桑みどり ]こちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　　絵置き場。旧HP「座乱読ーザ・ランドック」の歴史上人物2000人描きの後‥少し停滞・・・。　座乱読ー別荘ー　　　　漫画をおいています。今は、高師直が主人公？の「足利家の執事」連載中・・

2019.06.06

閲覧総数 169
19

アンドレアデルサルトと猫

朝日新聞に、漱石の復刻？小説として「吾輩は猫である」が連載されていました。　ずいぶん、大昔に読んでいたので、子供だったあのころは、細かい皮肉なんぞも、なかなか理解できなかったんだということが改めてわかるんですが、先日、ちょっとびっくりした。　　アンドレア・デル・サルトが出てきたんです。　ひえ～！！　　あの、「仕立て屋アンドレア」です！　　ほら、彼の描く聖母が、みんな同じ顔で、彼の奥さんの顔だっていうアンドレアですよ！　え～・・！　猫にこれが登場していたんだ！！　って、驚いてしまった。　　　　　　　　　　　あの時代には、彼の絵が日本では流行っていたんだろうか？　　今だって、けっこうマイナーな画家でしょう？　改めて「吾輩は猫である」の価値というか、趣味っぽさというか、そういう部分に「へ～・・」なわけです。　ダヴィンチとか、ラファエロとか、ミケランジェロ(あ・・彼は絵描きではないですが）とか、メジャーどころでない・・・・アンドレア・デル・サルトなんて・・・こんなのを出すことからして、眉唾っぽい演出じゃないですか？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↑『聖母子像」（アンドレア・デル・サルト）　これは、絵を描き始めた「主人」が、「金縁眼鏡の美学者」にからかわれる場面で、　「そう初めから上手にはかけないさ、第一室内の想像ばかりで画がかける訳のものではない。昔し、以太利の大家アンドレア・デル・サルトが言った事がある。　画をかくなら何でも自然その物を写せ。天に星辰あり。地に露華あり。飛ぶに禽あり。走るに獣あり。池に金魚あり。枯木に寒鴉あり。自然はこれ一幅の大活画なりと。」　と薀蓄を垂れられて、「ほうそうか・・・アンドレア・デル・サルトがそんなことを言っているのか」と感心して、絵画に精進するという場面に登場するのですが、果して、そのイタリーの大家というのがどのようなものか、「主人」は知っていなかったと思うのですよね。　やたらとながったらしくて、いかにも権威っぽい名前だけど、素人をけむに巻くにはぴったりじゃないですか？　　これはミレーだとか、ブーシェだとか、ゴヤだとか、聞いて忘れないような簡単な名前じゃないところがミソなんじゃないかなあ。　勿論、この金縁眼鏡の美学者は、でたらめを言ってるわけで、このようなことをアンドレア・デル・サルトが言ったかどうかは知らないで、素人をからかってるわけです。　　で、このしちめんどくさい名前のマニエリスムの画家を出して、漱石自身も読者をけむに巻いているんですよ。　それはともかく、私は、個人的に、この画家が好きな理由は、ず～っと以前にも書きましたけれど、ただ単に、「アルピエの聖母」という絵に登場する福音書記者ヨハネが男前だからです・・・・はい。　↓「福音書記者ヨハネ」こちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　　絵置き場。旧HP「座乱読ーザ・ランドック」の歴史上人物2000人描きの後‥少し停滞・・・。　座乱読ー別荘ー　　　　漫画をおいています。今は、高師直が主人公？の「足利家の執事」連載中・・

2019.06.06

閲覧総数 348
20

カッサンドラと平重盛

カッサンドラと平重盛。　この何の関係もない二人を並べているのは、先日読んだ本に、「一族の滅亡を確かに確信している預言者の悲しみと不幸」でとりあげられていたからです。　カッサンドラは言うまでもなく、かのトロイアの滅亡を予言した女性預言者。　両親はプリアモス王と王妃ヘカベ。つまりは、トロイアのれっきとした王女さまです。血筋申し分なく、おまけに美人。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　神殿で襲われるカッサンドラ　そして、この美しく聡明なお姫様に、太陽の神アポロンが恋をした。いや、恋人もゴージャスですねえ。そして、アポロンは、自分の恋人になるなら、予知能力を授けようといって、彼女をたぐいまれなる女預言者とした。　ということは、このお姫様は、一族のために祈る「斎宮」というわけですね。イーリアスの物語がどうであれ、トロイアは、太陽神アポロンを祭り、その巫女としてカッサンドラは仕えていたということですよね。　しかし、物語では、アポロンに予知能力を与えられたカッサンドラは、その力でもって、将来、自分がアポロンに捨てられるということを予知してしまった。それを知って、彼女はあろうことか、アポロンの求愛を拒む。　当然、男としては腹が立ちますよね。婚約指輪もプレゼントも、ものすごく高いものを奮発したのに、「やっぱりあなたは、将来不安だわ」と振られたみたいなもんですよ。じゃあ、お前につぎ込んだ金やら、高価な贈り物、全部返せよ・・なんてセコいこと、さすがに、ギリシア神様界トップアイドルのアポロン様としては、はなはだ言いにくいでしょ。で、分かった・・・もう、返さんでええから、おまえにやった分が無効になるように設定しとくわ・・・・と、こうですよ。　つまり、アポロンは、一度与えた能力を消すことはできないので、その能力が通じないという呪いをかけた。おかげで、カッサンドラは、優れた予言能力を持っているのに、彼女の予言を、「人々が信じない」ということになってしまった。　予言が信じられない預言者って、意味がないでしょう？　アポロンって、神様としても、男としてもあくどいですよね。う～ん・・・まだ、金返せの方が可愛い？　本来、自分が巫女として仕える神に捨てられたカッサンドラは、その後の人生はさんざんです。　いくら、忠告しても、トロイア人たちは、彼女の言うことに耳を貸さず、滅亡への道を歩み、ついにトロイア陥落の折に、逃げ込んだ神殿にまで、野蛮なギリシャ人たちが押し入り、神像の前で、巫女たる彼女は犯され、捕えられて、戦利品として「分配」されます。そして、遂には彼女を「取得」したアガメムノンが、故郷で妻クリュタイムネストラに殺害される時に「ついでに」殺されてしまう。いや・・・男のうらみってコワイ。　一方、平重盛は、こういった悲劇のヒロインとは、全くイメージは違うのだけれど、運命に翻弄されて滅亡した一族の「悲劇の預言者」という立場にされています。　勿論、一代の風雲児平清盛の長男で、将来は平家を・・あるいは日本を背負って立つはずだった立場の人物で、そういう意味では、トロイアでいえば、ヘクトルなんじゃないの？とも言われそうですが、違うんですね。　滅びゆくのは分かっていても、力の限り戦って死をも恐れないというなら、ヘクトルと比較されるなら死に際の立派な平知盛でしょう。　　　長男の重盛は、平家物語では「不思議のひと」と呼ばれ、将来、一族が滅亡するということが、「見えていた」というのですね。↑【月岡芳年（唐土に寄進を・・）　だからそれを少しでも引き延ばそうと、父である清盛にも、少々小うるさいことを言う、まるで小姑みたいな息子になるんですが、「不思議のひと」らしい行いは、伝説に語られます。　将来、滅んだ平家の菩提など、日本では誰も弔ってくれないかもしれないと心配して、唐土の育王山にひそかに黄金を寄進しようとしていた・・とか、熊野に参って、平家の安寧のために、自分の命を「奉納」したというのも、自分で、できる限りのことをしようとした努力の現われだったとか。　　結局、その「命の寄進」のために、重病に陥ります。慌てふためいた父親の清盛が、名医を呼んだり、加持祈祷をしたり、高価な薬を求めるのをすべて「拒否」するのは、当然と言えば当然でしょうね。　ですけれど、危篤になった病床で「清盛が首をはねられる夢」を見て、自分の望みがかなわないことを知って、泣きながら死んでゆかなければならないのは、この人もやはり、カッサンドラと同じ、預言者の悲劇です。　予言通りの状況を目の当たりに見て、滅びの時に巻き込まれ、運命に翻弄された挙句殺されるカッサンドラと、滅亡を阻止しようと、命をささげたのに、止められないと確実に「予知」しながら死んで行った平重盛・・・どちらが、より悲惨でしょうか。　この「預言者」の対比をしているのは、「死の日本文学史」(村松剛　角川文庫）の「平家物語と運命」の章です。日本人が「逃れられない運命」を自覚しはじめるのは、鎌倉ぐらいからで、それがやがて「武運つたなく」というフレーズを産んだというのですね。　関係ないけれど、カサンドラと言えば「カサンドラクロス」を思い出し、ついでに、西宮北口の「ダイヤモンドクロス」を思い出すって・・・のは私だけか・・・。すみません・・ほんまに関係ないです。こちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　　絵置き場。旧HP「座乱読ーザ・ランドック」の歴史上人物2000人描きの後‥少し停滞・・・。　座乱読ー別荘ー　　　　漫画をおいています。今は、高師直が主人公？の「足利家の執事」連載中・・

2019.06.10

閲覧総数 534
21

廃墟の美学

世間では、「廃墟めぐり」などと言って、廃絶した施設や、工事が中断した幽霊ビル、崩壊寸前の建物などをめぐる趣味の人たちがいるのを知っています。これも、ある意味「滅びゆくものの美」を鑑賞することかもしれません。　しかし、「廃墟」となっている建物の残骸（・・と言っていいと思う）を、ただ好奇のものと思うのではなく、そこには、その「滅びつつあるもの」の過去は、かつて、比類なき「栄光」があり、更に長い時を経て歴史の流れにさらされていまなおその片鱗を残している・・・・というのが伴わなければ、ただのあばらや・・つまり廃屋であるような気がします。　そういう意味では、本来、歴史的には、石や煉瓦で建造物を作ってきていない日本には、そういった壮麗な廃墟はあり得ないと思います。　伝統と歴史はとてつもなく古い神社なども、木でつくられるうえに式年遷宮に見られるように、建て直されていくのですから、あばらやになることはありません。　　そのようなことのない寺なども、硬い建材である屋根瓦も、雨の多い日本で建造物を自ら守るためのものですから、瓦が傷めば葺き替え、建物が傷めば、新しい建築の上に再度葺き直されて、使われます。　したがって、本格的な「廃墟」なるものは、日本にはないと思います（日本人は、感性で「つわものどもの夢の跡」をぼうぼうはえた草に見ることができるのです・・）。　　　　　　　　　　では、近世から近代まで、西洋では、美術の一ジャンルとして、「廃墟」が、魅力的な分野として人の心に深く根を下ろしているのはなぜだろう・・・などというところをとらえているのが、「廃墟の美学」（谷川渥・集英社新書）です。　本来西洋の「廃墟」はラテン語のruinaからきているもので、崩壊の名詞形だそうです。　だから、廃墟に伴うものとして、天災や滅亡などによる都市や家屋の崩壊の観念が内包されているらしい。ということは、ノアの洪水やソドムとゴモラ・・バベルの塔・・そして、最後の審判、あるいは北欧神話のラグナロックといった終末観とも無縁ではないと思います（やはり、日本人は「諸行無常」で、一挙崩壊よりじわじわ滅びる・・が向いているのか・・？）。　そして、崩壊した巨大な建造物・・となると、これはもう、バベルの塔で決定版じゃないですか。　ということは、ブリューゲルのバベルの塔！　　　　　けれど、この絵には、いまだ、悲壮感というか崩壊観が少し足らない気がする。　まだ「廃墟」にはなっていない・・。　ですから、芸術としての「廃墟」を普通に思い浮かべるなら、やはり、モンスデジデリオですね（って、趣味丸出しですが）。そして、このモンスデジデリオも、初期の頃には、やはり、バベルの塔を描いている。　しかし、やがてこの画家は（正体が誰であろうとも）、崩壊する建造物・・そして、人の住まないような死せる建物へと移行し、最終的には「爆発だ～！」ということで、大地が裂け、天が崩落する大破滅の絵を描くに至る。　これらの絵画では建築は息を止め、死して腐敗し、骨になって崩れる・・・というような不気味な感じが付きまとう。建築という無機質なものなのに、なぜか生き物の死・・いわば「小野小町九相図」のような気持ち悪さがあるような気がします。　　↓モンスデジデリオのバベルの塔　そして、廃墟画としてはずせないのは、やはり、ピラネージ。　この絶対的な廃墟の達人にいたるまでには、何人かの「廃墟画家」がでていますが、やはりピラネージの存在は大きい。　もともと、考古学的な観点と遺跡や遺物の筆写ということで仕事を始めたのだし、自身は建築家と思っていましたから、正確な描写はいうまでもなく、彼の「崩壊した建物」は、人体の解剖図に近いと言われています。　そして、彼の描いた「廃墟建築」が、ローマという都市であったこと。　　　　　　　　　　　　西洋人にとって、古代ローマは自らのルーツと見なしていたし、ヨーロッパの「辺境」であるがゆえに、強烈にイタリア・・つまりローマにあこがれていたイギリス人たちが、大いにこのピラネージの絵に触発された。　お土産として、彼の｢ローマ廃墟絵画」をイギリス本国にたくさん持って帰ったのは勿論のことながら、中には絵では満足できず、庭に遺跡を作るお金持ちもいた。　しかも、規模が大きくて、古代ローマの遺跡をいくつも庭園の中に作ってしまったりするようなことまではじめたんですね。一人テーマパークですね。（現在は、庭園が観光地となってるのもあります）。↑　ストウ　ランドスケープガーデン　　そしてピラネージ自身は、遺跡の正確な描写ではなく演出を加え、更には幻想の建築を考えだし、それの最たるものが有名な「空想の牢獄」というなんともおどろおどろしくも魅力的なバーチャル空間を作り出します。　その他、庭だけではなく実際にバベルの塔を作ってしまった奇人ベックォードのことや、いろいろな新しい廃墟画家なども登場してなかなか新書一冊にしては濃い本だった。　そして、なんと、「廃墟の美学」最終章に、はやりの日本の「廃墟」写真について、「遠い過去へ、原始へと意識を素行させるでもなく、かといって週末への暗い予感を惹起するものでもない・・・（略）・・そこに日本の「近代化」の成れの果ての姿を目の当たりにするだけだ・・・（着）・・そして、日本廃墟は「せいぜい戦後の時間的スパンの中での現象したにすぎない。多くは２、３０年である。しかも、これらの「廃墟」は人為的に解体整理され、真に「廃墟」としてもちこたえられるものはまずほとんどない。」　だそうです。　いや・・本当に「廃墟」って、「歴史」に裏打ちされないと重みがないですよね。　　モンスデジデリオについては、「モンス・デジデリオ画集」（谷川渥・ピナコティーカ・トレヴィル・シリーズ）が、今日本で唯一手に入る画集・・・？　　　　　　　【中古】新書 ≪政治・経済・社会≫ 廃墟の美学 / 谷川渥【中古】afb『中古』ピラネージの世界 (建築巡礼)【中古】モンス・デジデリオ画集／谷川渥【解説・監修】【中古】afbこちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　　絵置き場。旧HP「座乱読ーザ・ランドック」の歴史上人物2000人描きの後‥少し停滞・・・。　座乱読ー別荘ー　　　　漫画をおいています。今は、高師直が主人公？の「足利家の執事」連載中・・

2019.06.12

閲覧総数 121
22

礼服

「礼服」と言っても、デパートや、青〇のような紳士服販売店の宣伝である「春のフォーマルフェア」のような礼服ではありません。「礼服」はらいふくと読みます。　　　　　　　　　　「礼服ー天皇即位儀礼や元旦の儀の花の装いー」（武田佐知子・津田大輔　大阪大学出版会）　去年の夏ごろに出たのですが、詳細な考証や、こまごました文献の引用などで、ちょっと、今めんどくさいな・・なんて思っていたので、すぐには手に取らなかったんですけど、まあ、私個人としては「必読書」であろうということで、この年末年始に読むことにした。　しかし、なかなかにこれが面白かったんですね。「礼服」に限って、古代から近世までの歴史的考証と考察です。　しかし、あまりにも特殊な衣服であるのは確かで、古代からの伝統とはいえ、普通の人は（貴族階級でも、その時宜を得た最上級クラス以外は）見たこともないものでしょう。天皇家の宮廷儀礼のためにだけ用いられる特別な衣装です。　本来は、中国の皇帝のように、宮廷祭祀や、即位儀礼、外国の賓客をもてなす会など、豪華な晴れの席で用いられるもので、日本が国際社会の一員であるというのを目でもって知らしめるための豪華ファッション・・・のはずです。　ですからもともとは、帝王図鑑のような皇帝（および高官）の正装である袞冕十二章（こんべんじゅうにしょう）と同じようなものであったとも思われます。　　　　　　　　　　　　日本で「ちゃんとした服装」を必要としたのは、冠位十二階がそうであるように、海外に派遣される国家の使節で、国の代表として「ふさわしい」格好をするために、身だしなみを整えなければならないからこその制定であったと思われます。　それは、まあ、明治初年に、洋装が「旅行服」とされたことに近いかもしれない。「旅行」服とはいっても、今のようなレジャーや観光の「旅行」ではなくて、国を代表する使節が西洋に赴くときに着る服です。　ところが、実際に海外に行ってみると、自分たちが「礼服」と思っていたものは、「朝服」というような官人が日常業務の時に着る制服に近いもので、身分ある人が威儀をただす場合は、もっと絢爛豪華な、目のくらみそうな衣装があるではないか・・と気づいた。　それが奈良時代に入って整備され、いわゆる日本の古代礼服というものが完成したのが聖武天皇の頃です。　　　　　↓大阪歴史博物館の礼服（難波の宮）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その後、これらの豪華な服装は天皇の即位儀礼などに用いられたのですが、平安時代以降、日本御宮廷儀礼も中国の状況とかなりかけ離れてしまい、また武士の世の中となってからは、宮廷はやや、手元不如意となって、鎌倉時代くらいから、儀礼をやるにも、天皇はじめ臣下の礼服をそろえることが難しくなった。　たった一度の即位式のための衣装などは、昔から伝わっているいわば伝世品つまりは「古着」で間にあわせるようになった。　それに、宮中の・・というか京都の事情もあって、世の中が穏やかじゃなくなり（いわゆる南北朝の動乱）治安が悪くなってきて、貴族の屋敷や寺社の蔵にも泥棒が入り、さまざまな「宝物」が盗まれてしまったりしたんですね。御所の蔵も例外ではない（上皇や天皇本人まで盗まれ・・いや拉致されるようなことまでおこった・・・）。　で、今すでにあるものを一部新調したりし、正倉院（奈良の！）から借り出して、形を整え、即位式など行われる時には、儀式に参加する臣下にはレンタルしてしのいだ。　室町時代になると、もう応仁の乱以降、宮廷は困窮してきた。将軍家でさえも、内輪もめで弱体化し、戦国大名に援助をしてもらわないとなりたたなくなっていましたから、正親町天皇は警護の侍を三好氏などに出してもらっていたくらいです。　ところが天下人秀吉は、天正15年、大盤振る舞いをして、後陽成天皇の即位式を援助し、いろんなものを新調させた。　　↑江戸時代に復元された礼服　秀吉の死後は徳川家康がこれまた大金を供出して次の即位式の荘厳な備品まで拵えさせたんですが、その代わり・・というか、宮中は幕府のいうことにあまりさからえなくなってしまったんですねえ。　これ以降は、明治の直前まで、江戸になって整備された礼服が行われていました。朱色の地に中国の皇帝の文様であるいわゆる十二章の礼服は孝明天皇まで使われました。　そして、中世に宮廷が逼迫した時期に即位式にかぶる「礼冠」の形がわからなくなってしまい、正倉院のものを参考にしたけれど、これも断簡しかなく、なにやら本来中国の皇帝のかぶるびらびら装飾のついた冕冠が、どうもちょっと「独特」のものになってしまった。　　　　　　　　孝明天皇の礼服　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　また、江戸時代、急に女帝が立つことになり、これまたえらいことになりました、なにかにつけて先例を重んじるとはいえ、女帝は、もう奈良時代の称徳天皇以降一人もおられません。女帝の礼服も勿論、礼冠の形もわからない。　そこで、またしても正倉院頼み・・さがし出したのは冠の断片で、なんとか宝冠を復元したらしいのですが、この形が、頭のてっぺんに鳳凰を載せた、能の女神の冠る天冠に近い（光明皇后が使った皇后の冠と間違えたんじゃないか・・なんていう説もあるのですが）。　その絵姿が流布して、それ以降、雛人形の女雛の冠が派手になり、鳳凰が付くようになったというのですが、有職故実では皇后は冠をかぶらないので、お雛様の冠はある意味、女帝の冠からきているのかもしれませんね。　いや・・意外と面白かった。　　この本の第14章は「白襟紋付―近・現代におけるドレスコードの変相」　これはまたものすごく興味深い題材でした・・つまり女性の大正装とされる黒留袖に至るお話。　改めて、次の機会にします♪礼服天皇即位儀礼や元旦の儀の花の装い [ 武田佐知子 ]こちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　　絵置き場。旧HP「座乱読ーザ・ランドック」の歴史上人物2000人描きの後‥少し停滞・・・。　座乱読ー別荘ー　　　　漫画をおいています。今は、高師直が主人公？の「足利家の執事」連載中・

2019.06.12

閲覧総数 386
23

豊饒の女神、鬼子母神

鬼子母神と言えば、「おそれいりやの鬼子母神」というのが有名でしょうけれど、これはまあ、洒落として、入谷鬼子母神は信源寺というお寺で祭られている仏教の守護神としての女神で、母と子を護る神様です。　　鬼子母神の由来は、あまりに有名なのですけれど、この入谷の鬼子母神ではザクロの木まで植えてあるそうです・・・って、その近所は、以前かなりうろうろしていたのですけれど、実は鬼子母神には一度も行ったことがない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↑　訶梨帝母（重要文化財・園城寺蔵）　　しかし、インドの女夜叉ハーリティーは、豊饒の女神という性格もあるらしい。　というのも、500人も子供があったというのだから、これはまあ、いかに人間ではないにしても、ものすごく多産な女神さまですよ。　ギリシャ神話のデメテルなんかも豊饒の神ですけれど、農耕の神ですから、一人娘のプロセルピナが「作物」の象徴かもしれませんね。冬には枯れて（死んで）、春に芽吹く（蘇る）。一人で何回も生きかえる。「おっぱいいっぱい」の不気味な姿の豊饒のアルテミスも、多分たくさん子供があったんでしょうね・・。　　　　　　　　　パキスタンのタフテ・バヒーのハーリティ―像↑は、三世紀といいますから、鬼子母神というより、まさしくギリシャ風の仏像で、頭にかぶっている王冠の断片などは、どうもギリシャのヘラ大女神のティアラ風だし、衣装は襞々のギリシャ風。　そして持っているのが、吉祥果とかざくろとかいった単品ものではなくて、豊饒の角つまりコルヌコピアに山盛りの果物。さあ、どれでも持って行きなさい状態の太っ腹です。　しかも夫連れ！　この夫君は、くるくる巻き毛を肩まで垂らして、ギリシャ風の（あるいはローマ風の？）襞のある短い衣装に、おしゃれな長靴。アポロンのようないでたち。女神は夫の膝に手をおいて、仲睦まじい様子。夫君の手は折れていますが、女神の肩を抱いていたかもしれない。　まさしく、夫婦円満、豊饒多産の子孫繁栄の象徴かもしれません　　　　　　　　　　　ついでですけど、西洋の豊饒の角を持つ女神で有名なのは、（↑）ローマ神話のフォルトゥーナです。　本来は、人々に富と幸福を授ける神ですけれど、運命の女神ですので、富を得るか、貧乏になるかは運命次第・・みたいな怖いところがあります。　後世になると、目隠しをして運命の車輪を回します。　あくまで幸せを（富を）求める・・まあ、どっちかというと現世利益的な東洋の女神とは違うんでしょうね。　　　　　　　　　　　　　鬼子母神（醍醐寺蔵）　鬼子母神に話を戻すと、日本の鬼子母神は、夫は一緒には描かれず、女神だけになって、果物も一つだけになり、子供が一緒にいないのもあって、やや省エネ感。しかし、古い時代には、風貌は、天女様の優しげな顔立ちの「聖母子像」のようなの女神像ですが、後に、鬼の形相の（まるで怒った母親みたいな？）ものも現われてくる。　　これは特に鬼形鬼子母と呼ばれ、合掌している立像は、その静かなたたずまいながら、顔が怖い。　深く静かに怒っているお母さんは怖いよ～っという感じですね。　　また乱れた髪に、によっきり角が生え、般若のようなまさしく鬼の形相で、子供の手を引いている姿のものもあるけれど、これはなんだか、鬼になってもこの子を護るし、戦うぞ～！という、おっかさんの強さと怖さを表しているみたいです。　衣装がどちらも天女のいでたちながら、鬼母は強いのだ！　　しかし・・・あんまり母が怖いのも考えものですけれど、この世知辛い現在、母は、一人で、怖いくらい、強くたくましくないといけないのでしょうか・・・。　こちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　絵置き場　座乱読ー別荘ー　　　　　　　マンガ置き場。　現在「足利家の執事」連載中

2019.06.17

閲覧総数 651
24

毛皮の女王

この暑苦しいさなかに「毛皮」の話です。　「源氏物語」に登場する華やかな女性たちのなかで、一番「ブス」とされているのが気の毒な末摘花。　　常陸宮の姫君ですから、女王。　高貴な血筋なのですが、両親ともに無く、たった一人の兄は、すでに出家していて、ほかに後ろ盾もなく、昔から仕える古臭い女房達と、貧乏暮らしをしています。しかも、その容貌をあげつらうだけではなく、彼女のファッションセンスの悪さや、古めかしさまで文句を付けられ、笑いものにされている気の毒な女性。　　　絵などでは後姿がよく描かれる　　　　　　　　そしてその彼女が、意地悪な紫式部に「奇怪な容貌」を際立たせるために着せられているのが「黒貂」の毛皮。色の褪せた普段着の上に、古臭い男物の毛皮のコートを羽織って、寒さを防いでいる落ちぶれた令嬢を戯画化するアイテムです。　しかし、これは一時代前の超高級品。　平安時代には、皮衣がけっこう流行っていて、これを持っているということがステイタスになった時期がある。数ある毛皮の衣料のなかでも、貂の毛皮は一番高価なもので、黒貂之裘（セーブルコート）はその中でも最高級だそうです。　こういった高級毛皮衣料に日本人が夢中になり始めたのは、奈良時代からで、神亀５年（７２８年）に渤海国から、輸入したのが公式記録。それ以降、流行しはじめ、平安初期には、制限をしなければならなくなったほどであったらしい。　その流行の最盛期は、有名な話なのですが、醍醐天皇の皇子である重明親王のエピソード。　毛皮の輸出国である渤海使が、朝廷に参集するときに、御自慢の黒貂之裘をビシっと着て「どんなもんだい」と意気揚々と登朝する道中で、重明親王に出合います。その時、信じられないことに、親王は、なんと黒貂之裘の八枚重ね！　これを見て、渤海使は、驚いたというか、あきれたというか、「なんじゃこら！？」の心境でしょうね。　いくらなんでも、毛皮ですよ・・・八枚はないと思う。　ただ単に、いくつも重ねるという意味での「八重」でしょうが、毛皮は絹や錦で裏打ちされていたという記事があるので、和風アレンジで袖口に、色違いの毛皮を帯状にして縫い付け、袖口と裾周りに、後世の五衣の重ね着のように装飾的に覗かせていたということはあるかもしれないけど、それにしても、豪華な衣装であったのでしょう。　皮衣(毛皮のコート）には、丈の短いのと長いのがあったらしいので、重ね着をしようとすればできないでもないかもしれません。　宇多天皇の時代に菅原道真の建言で遣唐使が廃止されたということは知られていますが、これは江戸時代の鎖国令のように、貿易が禁止されていたわけではなく、わざわざ政府が使節を派遣しなくても、輸出入は、民営化というか、九州の大宰府あたりで独自に行われていた・・ということで、不都合はなかったというんですね。だから、輸入品「唐物」はどんどん入ってきたし、渤海国の使節などはやってきていた。　王朝文学などで「高麗人」と言われるのは、渤海の人たちで、彼らは高句麗の後継国として日本には「高麗」として知られていた。　重明親王の八重の毛皮に驚いたのも、毛皮の本場渤海使だったし、源氏物語で幼い光源氏の人相を見たのも「高麗人」だった。道真を陥れた人物として有名な藤原時平も、高麗人の相人に「日本国には過ぎたひと」という評を受けたが、子孫が繁栄するのは弟の忠平だと言われたとか、大鏡に出ています。当時、「高麗人」は、けっこう日本には来ていた。　そして大宰府は輸入の最前線で、大宰府の役人になるというのは、高級輸入品を扱うという意味では、大変儲かるし、おいしい官職だった・・というのも、うなづけます。　そして末摘花ですが、彼女はセーブルコートを持っていただけでなく、高級輸入品の「秘色青磁」の食器も持っていた。「秘色」（ひそく）の青磁は一時代、宮中でも憧れの輸入高級陶器です。宋以前に越州窯で作られた青磁で、大宰府や博多あたりでは発掘品もあるようで、平安時代の唐物陶器の代表だったかもしれません。しかし、そのブランド食器に盛られるのは品数の足りないみじめな食事。　また、もともとは高級だった舶来の紙も持っていたのですが、それも、亡き父宮の遺品で、かつて栄えた海外ブランド品も、いまや色褪せ、落ちぶれたセレブの悲哀としてのみ語られる皮肉。　おっとりして世間知らずの姫君は、バブル時代に買ったブランド品を売り払って換金するしたたかなかつてのボディコン女性のような根性もないので、ただただ、困窮する。　ですけれど、この末摘花が着ていた毛皮のコートをはじめ、平安時代の宮廷人が着ていた毛皮とは、果たしてどんな形状をしていたのか？　　ものすごく興味がわく。　なんといっても一般的にイメージできる平安時代の大仰な衣装に「毛皮の上着」・・・・ミスマッチなんですよ。　末摘花が似合っていないのはそのミスマッチの先入観が働いているからとは思いますが、実際に紫式部が書いた時に、果たして現代人が思うようなミスマッチとは、少しズレていたのではないかとも思うのですね。　つまり末摘花の父親の時代には普通に皮衣が着られていたわけでしょう？　あえて言えば、かつて裕福だった家がひっ迫して、新しい服や防寒着を買えないお嬢さんがいて、色褪せた流行おくれのワンピースの上に、お父さんが着ていた上等だけど古い男物のオーバーを着る・・みたいな・・・。　でも、彼女はこのオーバーを気に入っていた。山籠もりをしている兄の阿闍梨が、寺は寒いと言ってこの毛皮を持って行ってしまったのを恨みがましく思っていたりもするのです。　この毛皮のコートは、僧服の上にも、女性の衣服の上にも着ることが出来るというのだから、袖口はゆったりとしているか・・あるいは袖がない・・。　そういった平安時代の毛皮の形体を追究している論文、題名はそのものズバリの「日本古代のクロテンの皮衣（黒貂裘）の形状について」(大館大學）を見つけた。　結局は、束帯の上にも着ることが出来るような袖口のゆったりした長いコートと、腰のあたりの袖無コートの二種類を考証されています。　まあ、そういったところが妥当かなあ・・。女性の唐衣のように、袖が短く、丈も短いのもありかなあと・・・私はこんなのを描いてみましたが・・。　　　　　　　　　この毛皮だけではなく、実は平安時代は思ったほど「和風」ではなく、海外輸入ブランド品にあふれていた・・というのには、恰好の一冊。　「光源氏が愛した王朝ブランド品」(河添房江・角川選書）　　毛皮、陶器、ガラス、香水（御香）、衣類、インテリア、ペットと多彩に海外ブランドが満載。天皇家は高級ガラス器をそろえ、摂関家は、娘をそれらで飾り立て、中宮定子も中宮彰子も衣装とインテリアで競い、大宰府の役人は大儲け。　実は紫式部は、夫の宣孝は大宰府がえりで派手好き、娘の大弐三位は、その呼び名が示すように夫が大宰大弐（太宰の帥は皇族の名誉職なので現地赴任しないので、実質の長官）、仕えた中宮彰子は超セレブ、百人一首の「めぐりあいて・・」の歌の相手は、筑紫在住の友達だったとか・・。輸入ブランド品のメッカ大宰府の関係者が周りにかなりいたみたいなんですね。う～ん・・・ある意味、流行の最先端に詳しかったのかも。ブランド好き中年女性・・・・ちょっと、イメージ違う・・・？。いや、ほとんどの平安貴族は、海外ブランド大好き人間だったのだ！毛皮いろいろ・・・。中国歴史ドラマの毛皮　↓遊牧民の毛皮（右端）　　　　　　　↓ギリヤークの毛皮衣　　　　　　↓アイヌの毛皮　　↓皮衣を着ていると推定されている陳の文帝　　　　　　　　　↓セーブルコート　　光源氏が愛した王朝ブランド品 /角川学芸出版/河添房江 / 河添房江 / 角川選書【中古】afbこちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　絵置き場　座乱読ー別荘ー　　　　　　　マンガ置き場。　現在「足利家の執事」連載中

2019.06.18

閲覧総数 1504
25

「国宝」神護寺三像

（2017年11月7日の記事です）　先週の金曜日は、文化の日で天気がよいという絶好の行楽日和。　こんな「危険」な日に、ふたたび京都国立博物館（国宝展）へ行ってまいりました。　理由は、他にありません。やっぱり神護寺三像が見たくなったのです。　（入館チケット、１５００円で、３作品は高いかもしれないけれど、一作品５００円としても、イタリアの教会で、２ユーロ入れないと電気がつかない絵画を５点見るのと、ほぼ同じだと思えば高くないか？　）　まあ、国宝展は、今、絶対混むから、夕方だと、マシかと、中途半端な時間行ったんですけど、入場まで５０分くらい並んだ。いや、夕日に浮かぶ博物館の門のシルエットが綺麗でしたね・・・・って負け惜しみ？　中に入ると、まあ、混んでいたけれど、このⅢ期の展示は、金印や、曜変天目に人が群がっていたので、三階一階はすっとばしました。　神護寺三像はデッカイ（等身大）ので、「顔」はよく見える。時間をかければ、間近で観賞できるので、これはよいですね。何分たっても電気も消えないし♪　　実物を見れば、本当に大きさが実感できる。俗人肖像画として、これほど大きいものは確かに類はないかも。大きな絵画としては当然、仏画などもありますけれど、概して、仏様を含め、人物像は、顔や姿はこれほど大きくないですね。　そして今やこれらの画像が、それぞれ、足利直義、足利尊氏、足利義詮に比定されているのは、さまざまな論争があって、なんとなく落ち着いたかな・・などという気がしていますが、今回の展示には、この論争の片鱗も紹介されていないんですけれど、まあ、最初に、国宝認定した文化庁の美術史の立場と、江戸時代から、頼朝像と伝承してきた神護寺の立場からすると、たとえ「伝」とついても、従来の名称は外せないのかも。　この問題を最初に提起したのは、平凡社の「絵は語る」のシリーズで、「源頼朝像ｰ沈黙の肖像画」（米倉迪夫・平凡社）。　それを応援するというか、補強しつつさらに、詳細な論理展開をしているのが「国宝神護寺三像とは何か」（黒田日出男・角川選書）。　実はこれを最初に読んだので、ものすごく面白かった♪　いや、この先生の本は「黒田節」と言われているようですけれど、本当に面白いんです。　詳細な研究史や、原典引用がめんどくさいと思う人もいるらしいですけど、これこそが、この本の面白さで、研究史なんて、たどろうと思えば本当にめんどくさいし、時間がかかるんですよ。ここまで、詳細に並べられると、あとは周辺を当たればいいわけで、ラクなんじゃないかなあと思います。　そして、絵は語るシリーズは図版が綺麗ので、読みやすいから、あらためて、沈黙の肖像画の方を読んでみたら、これもよく分かって、なんだか、すごく納得した気分になったんですね。　この説が出た当初は色々あったらしいんですが、私はこの米倉説を読まずに、先に知った鈴木敬三説の装束からの説明が、すごくふにおちたというか、そうか・・・、これは平安末、鎌倉初期ではありえないかも・・と思ったわけです。　つまり、冠の形・・というか冠の笄と纓の形。　勿論この黒田本にも説明されているんですが、束帯を著用した時にかぶる公家の冠は、後ろにびらびら（纓）が、下がっていて、髷を串刺しにして冠を固定する笄がついているんですが、平安末から鎌倉初期の頃の纓は、根元からすぐ垂れて下がっており、笄は２本で左右から差す形なので、横一に見えることもあれば曲がって見えることもあるのですが、これが南北朝あたりから一本の長いものになる。　　　「頼朝像」は、どう見ても、長い一本の笄と、根元が立ち上がって空中で折れ曲がって垂れる、現代にもつながる纓ですね。この時代考証を、疑う方もいるそうですが、たとえ、南北朝のころの風俗で描かれているからと言って、この人物が頼朝ではないということは言えない・・・・という説もある。　勿論それもありですけどね。この絵には、どこにも、「名前」が書いてないから、誰を描いたかわかりませんし、南北朝のころに、誰かが頼朝の絵を描いたかもしれないですけど・・　　装束の考証としては、あと、伝藤原光能像が、伝平重盛像とよく似た鐙唐草の地紋の袍を着ているのですが、これが、公卿に出世していなかった藤原光能が着ることのできない衣装だという説もあるのですけれど、後世の画家ならそれはあまり考えないかもしれませんね。　ただ、この三像に関しては、同時に制作されたものではなく、伝光能像だけが画家が違い、顔料も違うので、伝尊氏像の姿に似せて、後の時代につくられたもので、ある可能性があるというのはもっともです。　で、(南北朝時代に描かれた）伝頼朝像と伝平重盛像が、セットであるとすれば、この二人の関係は何か？　今、伝頼朝像が保存状態がよく（特に顔の部分）、ネームバリューでも、鎌倉幕府を開いたという意味では有名なので、圧倒的にこっちがインパクトがありますが、並べて、単純に、どっちがえらいかというと、伝重盛さんが絶対偉い人です。　♪二人並んですまし顔♪　　　という場合、古来、向かって右にいる人の方が身分が上です。　お内裏様も、関西では、古来の伝統に従って天皇が向かって右、皇后が向かって左です。　そして、この二人の画像を比べた場合、どちらも同じような衣装ですが、来ている束帯の袍の生地に違いがある。これはよくよく見ないとわからないのですが、織りだしてある柄が、伝重盛像の方が大きくて込み入っており、伝頼朝像の方が紋様が小さい・・つまり、伝重盛の方が上等の袍を着ているのです。　　で、この二人が足利直義（伝頼朝のほう）、足利尊氏（伝重盛のほう）とされる根拠は、米倉、黒田説の「足利直義願文（東山御文庫・神護寺文書）」に、足利直義が、康永４年（１３４５年）神護寺に、尊氏と、自分の肖像画を奉納したとの記載。　つまり当初は、足利尊氏、直義二人の肖像画だけだった（ちなみに、当時尊氏４０歳、直義３９歳）のを、観応の擾乱！で、尊氏は一時引退し、息子の義詮が直義と政務をとっていた時期があるので、その時に、急遽、尊氏と同じ姿をした足利義詮の絵が追加で描かれたのではないか。　しかし、その後、ごたごたは続き、足利直義は失脚し、まもなく死ぬ。（兄尊氏によってか、あるいは甥の義詮によってか、「毒殺」されたという説が、ドラマに、必ずなる）。　ということで、神護寺に、直義の祈願で奉納された３人の肖像画は、とても「縁起の悪いもの」になって、庫の奥深く、しまわれたまま長年、忘れられていたのではないか・・。　そして観応の擾乱から２５０年、関ヶ原に勝利した徳川家康は、いよいよ京都に上って、征夷大将軍になりたがっていたんですが、そもそも、征夷大将軍になるためには源氏の棟梁という肩書がほしい。　しかし、一時、藤原を名乗ったりしていて、新田氏に無理やりつなげて源氏の系図を作っていたけれど、なにかこう、インパクトが欲しい家康殿。　　　　　　そこで、文覚上人に縁があり、源頼朝が肩入れしていた神護寺に、ものすごい寄付をして、寺を荘厳復興しているんですね。その翌年にとうとう念願の征夷大将軍になった。このあたりから、神護寺の頼朝の肖像画が有名になって来た。　神護寺側としては、この時、家康から援助を受けるために、倉庫にしまわれていた直義の絵を引っ張り出し、「源頼朝」の肖像画として、見せたのではないかと言うのが、黒田先生の説ですが、もしそうだとすれば、家康さんが、幕府の開祖、源氏の棟梁の頼朝公の御降臨に感動して、ポンと大金を出したとすれば、この肖像画の威力はすごかったということですよね。　以後、この絵をもとに、同じような「頼朝像」が作られて行き、明治時代になって、この神護寺の三像が「国宝」になり、教科書に載り、「いい国作ろう鎌倉幕府」のキャッチフレーズ？とともに、「頼朝さん」は全国デビューを果したのです。　黒田説は、とても刺激的で面白いのですが、この三像が、直義の時代からどのようにかけられていたか・・・・また、この図像のなりたちや、描線・・・・なんてのにも、興味あるので、この話はまだ続きます。　【中古】源頼朝像沈黙の肖像画絵は語る4／米倉迪夫(著者) 【中古】afb国宝神護寺三像とは何か（角川選書） [ 黒田日出男 ]こちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　絵置き場　座乱読ー別荘ー　　　　　　　マンガ置き場。　現在「足利家の執事」連載中

2019.06.22

閲覧総数 1250
26

へうげもの完結

おくればせながら、やっと、「へうげもの」（山田芳裕・モーニングKC）完結編、読みました。　最初・・・といっても随分前になりますが、初めてこの絵柄を、雑誌掲載時に見た時は、何だろう・・これの目指すところは・・・？　　　　　　　　　　　とか思ったけど、単行本で読み進めると、独特の擬音と、絵柄のマッチするところに、なんとも可笑しみを見つけてしまって、まあ、この世界観には、これしかないだろうな・・というような、絵を見慣れてしまいました。　最初の派手な御仁は、何と言っても松坂弾正で、これはもう「爆発だ～！」をやってもらわねばなりませんが、これにも主人公織部がからむ。　ぶっ飛んだもんを出してくる割には、意外とその時代の、どこかにはあったかもしれない・・と思わせるものは、なかなかの意外性が面白かった。　まあ、時々、シモネタになるのは、「男の子」って、いくつになっても、うんこやおしっこ、おちんちんとおっぱいが好きなので、「宿命」かなとも思いますが・・。　織田信長に、ヘンリー八世の兜を被せたりはよいとして、細川ガラシャがガットリング砲を打ちまくるには、へえ！　これって、「手ごわい女」を表すには、心情的にはそうだろうなあと妙に納得しましたけれど、ラストで、大坂の陣でダヴィンチの戦車や飛行機が出てくるには笑うしかない♪　いささか「濃すぎるキャラ」伊達正宗が、最後に「菊正宗」になるなんて…やはり彼を小者扱いしてるなあ。　本当に多彩な人物が出てくるんですが、思いっきりブサイクな顔に作られた石田三成も、ラストにはカッコよく見えてくるから不思議。　本当は、大坂の陣400年の2015年くらいで終わるんじゃないかな・・なんて思ってましたけど、三年たちましたね。　古田織部が主人公ですから、彼を取り巻く人物は、いろいろ芸術家も出てくるんですけれど、岩佐又兵衛が彼に拾われたという設定で、最後まで締めくくるのはふさわしいかも。肖像画そっくりの、こぎたない爺さんになってもパワフルだった♪　そして今一人、俵屋宗達が、有樂斎のバカ息子織田頼長の依頼で絵を描く段になって、宿命のライバル家康と織部を描く・・・・これ、いい落ちですねえ。　やっぱり、面白かったです。　この、なんとも、おかしげな顔した風神雷神図、時々行く、珈琲庵　珈集（箕面店）に、壁に描いています。なんとも、ヘタウマというか、わざと崩した絵柄が面白いんですね。これが、今度から織部と家康に見えるかも♪　　　　こちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　絵置き場　座乱読ー別荘ー　　　　　　　マンガ置き場。　現在「足利家の執事」連載中

2019.06.28

閲覧総数 1077
27

「狐の日本史」

「狐の日本史」（中村禎里・日本エディタースクール出版部）　　　　　　　　　　　狐は古来からの神に近く、農耕に関連し、しかも怪しい生き物・・というイメージですが、狐が神になったり、頻繁に「悪さ」の元とされるようになったのは、さほど古くはない‥という事ですね。　狐で印象に残っているのは、日本書紀に出る「天狗」がアマツキツネとルビを振られているので、なんとはなしに、大昔から、キツネは「妖しい」動物と思っていたけどそうでもないのか・・。　農耕神であるというのはお稲荷さんの使いとされたりするけれど、結局、ものすごく「中世的」な話のようです。　狸と狐の二大化かし獣としては、狐の方が何となくその見た目から美女に変身し、狸はおっさんくさいのは、これも外見からかもしれない。　しかし、昔、北海道で、キタキツネ牧場に行ったときに、エサの自動販売機があるあたりにむらがって、むろしている狐は、「え？　狸が紛れ込んでる？」なほど、体形が崩れて？いた。よくよく顔を見ると、少し鼻がとがって、目つきがシャープな「美形」の面影をのこしていたが、体つきは、デフォルメ画像に慣れていて、我々がイメージする狸そのものだったわ。　日本霊異記にはすでに、キツネが人間の姿をしていたり、人間と性交渉を持って子供を産んだりする話が出るのですが、これが、まあ、後々葛の葉の伝説につながったりするけれど、安倍晴明が狐の子だという伝説そのものは、かなり後世の物語で、ご本人が生きていた時代には「そんなことあるかい！」な事だったかもです。　狐がそもそも、何かするというより、平安時代には狐が鳴いたけど何か悪いことがないか・・とか、方向がどうとかで占いをするような、怪異を狐と結びつけるような話が出てくる。火事に狐が関連しているとかいうのもあるので、このあたりからぼつぼつ、悪さをする動物になったかも。　今昔物語には、女の子に化けて検非違使などをだます話が出てきて、しかも化かされる人間に、騙しし返されるなんて、話もあるので、あまり怖い「妖異」ではなかったかもしれません。　中国の小説にも、キツネが美女となって人間の妻になるけれど、縫物だけが出来ないとか、犬に追いかけられて正体を現す・・なんてのもありますが、これも明代の伝奇集だったよなあ・・・。　本格的に狐が、「神の使い」や「妖異」の中に入ってくるのは、どうやらダキニ天の信仰と関係があるらしい・・。これらが本格的に独立して現れるのは11世紀以降のようです。　典型的な荼枳尼天（大阪市立美術館蔵　15世紀）　　　　　　　　　この狐を使いとする、あるいは狐に騎乗する女性の神様・・については、密教のダーキニーが天女化することで、お稲荷さまにもなり、お稲荷様の使いが狐という事になっていくわけですが、このころから、神威、妖異の狐像がパワーアップしてくるらしい。　これで決定的に、キツネは女性化しますね。　妖怪としての狐は、その萌芽は平安末には既に現れているのだけれど、中世になって、九尾の狐の伝説や、玉裳の前の伝説めいたものが現れるのは14世紀頃だそうです。　狐が火事と関係あるのか「鳥獣戯画」では松明代わりに尾っぽに火をつける狐が描かれるけれど、この狐が女性？だかどうかはわかりません。「百鬼夜行絵巻」で、女性？の獣がいますがこれ・・狐かな？　狸にも見えるけど犬の化け物にほえられているので、狐でしょうね・・。　　　　江戸時代初期に物語化された、玉藻の前伝説などのドラマで狐は江戸時代の妖怪アイドルになってしまいます。　退治される玉藻の前ですが、この絵巻では、尾っぽは二本で猫又タイプ？「玉藻の前草紙絵巻」（17世紀）　狐の「霊獣化」や「妖怪化」が本格的に進むのは、13,14世紀当たりのような気がしますね。　藤原鎌足の伝説でも、鎌足が、お稲荷様に貰った鎌！で、入鹿の首をはねるとかいう物語がありますし、中世に流行る勝軍地蔵なども、このあたりと関係しそうですよね。狐に乗った女神、馬に乗った軍神、なんだか図像的には似ている・・。　勝軍地蔵についてはこちらにもちょっと・・。鎌足伝説にもふれています。　　ダキニ天信仰が、立川流に関係あるとか、後醍醐天皇などに結び付けられ、まあ、伝説と妖異の黄金時代なのが、建武前後の時代ですが、ダキニについては、平清盛も信仰していた物語もあるし、伝えたのが空海ってことで、これまたなんだかドラマなお狐さまですね。　鎌足の鎌が鎌倉に埋められたという話もあります・・。（足利家の執事531）　　それよりなにより、狐憑きというような、なんともこの間まであったような（いや、もしかしたら現代でもあるかもしれない）狐の「悪霊」的色彩が、実は、室町幕府の中枢部ではすごく大変だったという話が面白かった。　室町時代に現れる「狐付き」は、当時の日記に記されて、実に生々しいのですが、一番大変そうだったのが、4代将軍足利義持周辺です。　当時、将軍家の周辺や、侍女などに狐がついて正気を失ったなどと言う話が頻発するんですね。　そして義持の息子であり現将軍であった（例の大酒のみ疑惑のある気の毒な）５代将軍足利義量が病にかかります。　それを父の義持は、もしかしてこれは林光院の怨霊ではないか‥と疑う。はい、林光院と呼ばれるのは、義持の弟で、謀反を起こして殺された足利義嗣です。生きている時から色々あった兄弟ですね。もしかして、父の3代将軍黄金の義満が、自慢の息子の義継を、義持と取り換えようとしていたのではと周りからも思われていたことのある人物ですが、義満の死後、一見、大人しくしていましたが、関東の騒乱に加担して、義持を滅ぼそうとしていたかも・・・。勿論、その時は、義持の息子など吹っ飛ばして、自分が将軍になるというつもりだったのでしょうか・・・。それが発覚？して殺された人物ですから、怨霊の資格は十分。　ところが、怨霊の疑いはともかく、病に伏す義量の祈祷に来ている僧侶が、狐をつけようとしているかもしれぬという話があり、その僧を祈祷僧から外した・・。　狐をつけようとしている・・・って、まさに病平癒の逆の祈祷ですよね。　この外された僧が、実はとある人物の弟子で関係者。その人物とは青蓮院殿。それは義持の同腹の弟で幼くして寺に入った、義円です。これ、面白いですねえ・・・。病に伏す将軍に、狐をつけようとしていたのは義円（後の６代将軍義教）って、あまりにも出来すぎなドラマかも・・・。　さらにその後、色々あって、将軍になった義教は、自分の周辺で狐憑き事件に悩まされることになる。それは、御台所が狐憑きになったとか・・いや、狐使いだったんじゃないの？　義教さんは・・・。　そして安倍晴明が狐の子であるという伝説が何故生まれたか・・その分析も面白い。勿論、この伝説の登場も中世になってからです。　　なかなか、面白い本でした・・・。狐の日本史改訂新版古代・中世びとの祈りと呪術 [ 中村禎里 ]楽天で購入こちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　絵置き場　座乱読ー別荘ー　　　　　　　マンガ置き場。　現在「足利家の執事」連載中　　　ｓ

2021.10.21

閲覧総数 317
28

蒙古襲来絵詞の鎌倉武士たち

　「蒙古襲来絵詞」は、文永の役、弘安の役に参加した、地元？の竹崎季長という武士が、自分の功績を絵巻に仕立てたもので、実際に参加した戦闘の様子や、時事を詳しく書いているという、実録絵巻ということです。　これは、鎌倉時代のほかの物語絵などとは違って、ノンフィクションドキュメンタリーなところが、けっこう特異な絵巻ですね。馬が、蒙古軍の火薬兵器に驚いて、跳ね上がる場面が、歴史の教科書にもよく登場します。　この絵巻の詳しい内容はともかく、あちこち見ていて、興味をひいた、人々の描写など、ちょっと並べてみよう。　　停泊する蒙古軍に小舟に分乗して漕ぎ寄せる武士たち。　　彼らは、注意書きによって、「関東御使合田五郎遠俊の手の者」と知れます。　軍団の構成員は武双をしていない旗持ちを入れて６人で、水主は６人。武士団の長と思しき先頭に座っている武士は、なんだか可愛らしい顔をしていますね。こちらを向いている二人の武士もなんだか表情はプリティ。これから夜襲をかけるという緊迫感がない。それに、軍団も少ない。菊地軍などは閲兵ではあるけれど、石垣の上に並んでいたのは８人以上いた。↑こちらは天草の大矢種保、種村の軍団と注記されていますが、旗持ちを入れて４人。親子か兄弟だとすると、部下は旗持ちとあと一人・・ということでしょうか。個人経営の零細軍団なんでしょうかね。船も小さいのか、水主は４人。レンタル料は安いのかも。　でも、主人公の竹崎季長は、自前の船ではなくて、一人で、人の船に乗せてもらってましたね・・・。　闘いの合間、陣屋で鎧を脱いでくつろぎ姿になると、所謂「小具足」姿ですが、こちらは安達宗盛。幕府のえらいさん。↓　　　こちらは１４歳の河野八郎君↓　　戦場で、恩賞の査定をする(首実検出、目の前に蒙古兵の首が並んでいる）総司令官である安達さんは、たった今、鎧を脱いだところで、横にごしゃっと積み上げてある。だから本格武装なので、弓を弾きやすいように、左袖を下着ごと脱いで、素肌に籠手を着けている。　　右の河野八郎君は、お父さんの後ろに控えている若武者ということで、華やかな直垂の上から籠手を着けて、脇盾、脛当、毛靴、鉄扇の軽武装・・といったところですかね。(事典のほうに八郎君描きました）　この、八郎君のように、萎え烏帽子に白鉢巻の姿はところどころ登場します。　　　　　　　　　　それに合田五郎組の先頭武士のように髷を結わずに下げ髪↑にするのも、おそらく、この時代くらいから始まったようです。だから、白鉢巻きに長髪を垂らす・・・というのは、当時の戦場の・・というか、非日常の折の男たちの流行ファッションだったかも。　戦闘服である甲冑の縅の色目や、直垂の紋様なんかに、ものすごくこだわるのは軍記ものの常ですが、女性は、宮廷生活で、衣装の重ね具合に執着するのに、男は、戦場で、武装でこだわるのですね。　白鉢巻きに下げ髪は、ドラマにもよく出る。　↓大河ドラマ「太平記」　　　　　　　　　↓大河ドラマ「北条時宗」　　こちらもよろしく　座乱読後乱駄夢人名事典　　　絵置き場　座乱読ー別荘ー　　　　　　　マンガ置き場。　現在「足利家の執事」連載中

2019.06.25

閲覧総数 761

ジャンル別一覧

人気のクチコミテーマ

読書

5月の読書メモ　2024年

(2024-06-01 16:40:09)
本のある暮らし

《画像》珈琲食パン　作りました～♪

(2024-05-31 18:26:24)
最近買った本・雑誌

購入｜『英語リプロダクショントレー…

(2024-05-31 16:09:02)

© Rakuten Group, Inc.