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カテゴリ:エレキギター
そんなこんなで手に入れたのはコチラ。
■Gibson 1956 Les Paul Junior ![]() ついに、リアルヴィンテージに手を出してしまいました。勿論、新しいGibsonがNGという考えは毛頭ないんですが下取りの2本を手放して1本にするとなれば、2本合わせたものより所有欲を充たせるものを手に入れたかったということと、元々ジュニアが欲しかったということがあります。将来的にって言ってもヴィンテージは値段が上がっていきますし数自体が無い。これ以上高騰する前にGETしときました。ということで、自己満足の強めのレビューです。 ![]() ![]() 手始めに見た目。エイジング仕上げが流行っている現在ですが、本器で確認できる複雑怪奇なクラックの数々は大胆でありながらも顕微鏡レベルに細かく、全体にビッシリと広がっています。ラッカー塗装の退色具合に関しても経年によってサンバーストの赤みは消え、タバコサンバーストになるかと思いきやブラックカラーすらも薄くなり、緑がかった様な独特な色味です。 ![]() よくよく見ると所々に散った赤めの塗料が確認できるという非常な複雑な色味になっています。こういった自然に発生した経年具合や存在感は、現行のカスタムショップ製品を見ても差があり、塗装技術云々では表現できない部類。もはや自然が織りなすアートのレベルです。この情報量だけでもヨダレが出ますね。 ![]() ![]() マテリアルとしてこの時代は当たり前の様にワンピースのホンジュラスマホガニーボディ&ネック、ハカランダ指板が採用されています。ジュニアはスチューデントモデルとして生まれ、一般的なアーチトップのレスポール(スタンダード:STD)に採用されるメイプルトップ&マホガニーバックに対し、STD用に切り出したマホガニーバック(ワンピース)のみを採用したモデル。とは言え、使用されるバック材はSTDと同じなので贅沢なホンジュラスマホガニーが採用されています。 経験上、綺麗な柾目はレスポンスが良く整った響きで、うねりが多い方とミドルが豊かで粘りがあり複雑な響きに感じます。個人的には見た目も音も若干うねっていた方が味があって好きです。 当時のギブソンは現在でいう “USA” “CustomShop” の様に木材や部品のグレードを落したり、製造国や部署を変えて人件費を抑えるといった考え方はまだ無く『工程数は抑えるが仕様におけるクオリティは他モデルと同様』ということで、あくまで熟練した職人の手作業による作りになっています。今ではボディを自動で切り出したりと出来る時代ですが、当時にそんなものは無く、あくまで人の手で切り出し削られ組付けられた完全ハンドメイド。自動化の現在でそこまで行える職人はほぼ存在しないに等しいでしょう。それ故にスチューデントモデルでも精度に妥協はありません。 ![]() ![]() 製品上、コストカットされた部分も多々見受けられます。例えばジュニアのヘッドは突板が無く、代わりにブラックの塗装で塗りつぶされ、金色のシルクスクリーンで仕上げられています。また、ネックのインレイもドットに変更され、サイドバインディングも省略されて手間を省いています。ペグも3つずつ連結・簡素化されて、見た目にも小ぶりで可愛いですね。 ![]() ネックジョイントに関しては手間のかかる “ディープジョイント” ではなく差し込み型の “ボックスジョイント” によってボディとネックをニカワ接着。強度を考えて残した接合部の段差(カッタウェイ部分)がそれを物語ります。こういった造形やコストカット部分も『当時の職人が色々考えたんだろうなぁ』なんて歴史を感じてニヤニヤしてしまうわけです。 ![]() ピックアップは50年代特有のロングマグネットを採用したP-90 通称 “ドッグイヤー” をダイレクトマウントで一発。コントロールは ボリューム&トーン 1つずつなのでボディ加工や配線処理もシンプルの極み。ブリッジに関してもオクターブチューニングが出来ないロングスタッド(55年付近までショート)のバーブリッジ仕様です。こういった部品点数と装着に伴う作業量の簡略化によって費用を抑えているジュニアですが、結果的に加工されている部分が少なく、木材が多く使われ “ドッグイヤー” と “バーブリッジ” という仕様も相まって弦振動をダイレクトに拾って出力する特性となりました。その個性的なサウンドと共に伝説的なミュージシャンに認知・愛用され、確固たる地位を得たモデルになったわけです。 ![]() そんなレスポールジュニアですが、実はシングルカッタウェイのモデルは1955~1957年までで僅か3年しか作られておりません。半世紀以上経った今でも “1957リイシューモデル”として再発売される実態を踏まえると如何に後世に影響を与えた存在かが伺えます。その長い歳月を考えれば世界各国を渡り歩き、過去オーナーの熱い想いが詰まった遺品となっている可能性も高く、しかるべき運命の中で継承され、こうして自分の手元に存在していると思うと謎のロマンを感じずにはいれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 19, 2024 10:09:27 AM
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