海外の競技会も終わり、ホッとしたのもつかの間、
明日から、夏の恒例の武術の北京合宿に行ってきます。
老師たちや、全国から集まる先輩たちに再会できるうれしさの反面、
今年で参加するのが3回目、
ということで、もうルーキーというわけにはいかないプレッシャーもあり、
また、あの1日中のしんどい練習か...という気持ちもあり、なかなか複雑な心境です。
しかも、来月には、道場の内々の発表会(けっこう厳しいやつ)があって、
また、11月には、また1つ大きな交流会があって、それぞれ、全然準備できてなくて、練習しないとヤバい...
最近は、仕事以外の時間をすべてと言っていいほど、練習しているのですが、
それでも、とりあえず、目前のことを1つこなすので精いっぱい、
終わったと思ったら、また次の締め切りが迫っていて...の繰り返し。
いつも「ああ、もっと練習時間があればと思うけど、もう、これで行くしかしょうがない!」と、
自分の理想の完成度の10%という仕上がりの低さで、
普段の稽古から、競技会まで臨んでいるここ最近。
そして、毎回毎回、
あまりにも自分のダメダメ度に腹が立ち、
「こんなに、私って、できないんだ~(泣)」と思い知らされ、恥をかき、緊張し、怒られ...
そんな中、繰り返し見る録画があります。
「情熱大陸」の渡辺謙さんを追った回。
彼なんて、才能ある俳優だから、すーっと映画に取り組んで、すごい作品を作っているんだろうな、なんて思いきや、
それがくつがえされるほどの、本人曰く「かっこ悪い」図。
ブロードウェーミュージカル「王様と私」の主役に取り組む姿の舞台裏なのですが、
芝居の中で観客を納得させないといけない英語、
しかし、やはり母語ではないため、そんな簡単なものではなく、
そして、またその英語でうたわなければならない歌や、いろーんな課題に苦しみながら、
一日一日が必死で、
自分のできなさに「ボヤき」つつ、
夜半に1人でお米をとぎ、おにぎりを稽古場に持っていく地味~な毎日。
なんだか、優雅に見える白鳥が、水面下では必死にバタバタしているという言葉が思い出され、
そして、また、次の作品に取り掛かると、
また、ゼロスタートから同じくその生みの苦しみ...の繰り返し。
た、大変!
しかも、彼ほどの大物になると、
「うまく、できませんでした。オワリ。」ってわけにはいかず、
結果も期待されているから、そのプレッシャーたるやすごいと思うのです。
で、なんで、私が彼のこの動画を何度も見るかというと、
「こんな才能あふれるすごい人でも、必死に練習して、自信もなくし、ボヤき、
プラス、稽古ばかりの地味~な毎日を送っているんだ。」ということがわかるから。
スポーツでも、仕事でも、英語でも、なんでも、
うまくできない場合、
「才能ある人は、さらっと、ぱぱっとやって、うまくできているのに、それに比べて、私は...」
という気持ちになりやすいと思うのです。
だけど、そんな人はいないな、ということ。
「さらっと、ぱぱっとやって、うまくできる才能のある人」もそのように見えるだけで、
やっぱり、水面下では、必死に足をバタバタさせているのよね。
なんて、こういうことが思い出され、またやる気になるため、ことあるごとに見るこの映像。
ということで、私も明日の出発の前に、また1回見とこうかなー。
家族から、
「えー、また、見るの!?」と言われながら。