モウさんの社長指南「イチかバチか」実行力不足病の処方箋(138)
今月は3月決算会社の申告期限。社長に通知表が渡される。1年間の社長の総決算であり、どんな考えで何ができたかが表記される。文字と数字の裏にある結果・背景は、社長が一番分かっている。 社長には3つのタイプがある。一番少ないのが「独裁型」で2%。(以下いずれも弊社のこれまでの関係企業500社より)何でもすべて社長の許可決裁なくして動かない会社。1円の出費から金にまつわる事すべて社長決裁。用具や工具の購入しかり。経営戦略に部門戦略はじめ戦術に及ぶことも珍しくない。新分野進出や大型投資に得意先対応問題等。対外的な提案事項に提案の仕方やその内容に及ぶ。従業員は見事にロボット化されレール上を忙しそうに動いている。製造業で年商5憶、流通業で10億まではトップダウンが功を奏する。ただ行き過ぎると会社の人・物・金・情報・管理を私物化するから「笛を吹かなければ踊らない」ジレンマに陥いる。人が育たない。脱却するまで5年かかる。体質は社風化するものだから、優秀な人材を輸血するか、自らバトンタッチするか、外部からコンサルタントを招聘するかだ。ただこのタイプの社長は決裁が早いから従業員も頼りにするし、スピードもある。稟議書なんか必要ない。創業社長か前社長の莫大な負の遺産を継いだ社長に見られる。わがままだから殿様然となり、U社長のように公私混同をしがち。注意したい。 次にあるのが「放任型」だ。10%ある。ほとんどの事柄を部門長に任せ「良きに計らえ」で、俗に言う3代目以上の坊っちゃんタイプ。社長一族の資産が潤沢ゆえ危機が分からない。しかしキャッシュフローで悩む。各部門長に任せるから、やり方次第ではやり甲斐がある。が部門長も賢い?から取引条件等は伺いを立てる。しかし社長は決裁できず「保留」となる。何度も「社長どうしましょうか」で伺いを立てるが決裁できない。しまいには安全なところで部門長は指示をする。そうこうするうちに他社に取られ、業績がだんだんじり貧になる。営業会議の席上こんな場面に遭遇したので「会議は方向を示し決める場だ。ここで決めよ!」と叱り飛ばした。大事なことを曖昧にして業績が良くなるわけがない。現場はY社長が決めないから、決まらないのは会社のせいだとなる。言い訳のない「決断する」社風に一新しなければ人材は育たない。 一番多いのが「民主型」だ。周知独裁に近く88%ある。多くの意見を聞いて舵取りをする。経営は多くの意見が賛成でも「NO!」と言わなければならない時がある。年商とアンバランスの事業最適用地の取得や破額の最新鋭設備や高度技術・ノウハウの導入だ。これさえ間違わなければ社長と役員がけん制する立場にもなり、後はスピードの問題だ。 国内外の経済環境、新法律施行の業務環境、同業間のシェアから自社の体力次第で社長の決裁力も変わる。問題会社の多くは「決裁できない」社長の存在。決裁困難な時は「イチかバチ」かがコツ。24時間内変更、これ経営なり。