カテゴリ: ひ と り ご と
~(そのことばは、逆効果)~
「無事でよかった」 「怪我がなくてよかった」 「お金の被害だけで済んでよかった」 「命に別状はなくて、よかった」 「助かってよかった」 災害や事故、犯罪などのトラブルに見舞われた方が、 もしあなたの身近にいらっしゃった時、その方の無事を心配すると思われます。 (心配しないというような方は、このりすとあ通信を読んでくださっている方の中にはいらっしゃらないと信じています。) その結果、無事だということがわかった時、 あなたは、相手に言っていませんか? 「無事でよかった」 「命に別状はなくてよかった」 などなど。 これって、 うつ症状でツライ心身の状態の方に 「頑張ってるね。」って、「頑張れ」って、言っていることと同じなんです。 (うつ症状の方に励ましや頑張れが逆効果なのは、よくいわれていますね。) 何故、逆効果になるか、 もし、あなたが何かしらのトラブルにあったことを想像してください。 例えば、 地震にあって家をなくしたけど、命は助かった。 少し前の長崎の銃乱射事件のその場に居た1人だったとして、助かった。 ひったくりにあって怪我はなかったけど、とても怖い思いをした。 通り魔にあって服を切られた。 そんなトラブルにあったあなたが、 「無事でよかった」と、もし言われたら、どうですか? 無事ですか? すでにトラブルにあっている。=無事じゃない状況なんです。 大人になると、心配してくれて言ってくれていると思われることばに、表面的には、ありがとうというかもしれません。 こどもさんだったら、「無事でよかった」と言われると「無事なもんか、こんな目にあったんだ」と言い返すかもしれませんが…。 それなのに、「無事でよかった」と言われると、「私は、無事じゃない。○○な目にあったんだ。」 と、心の奥では、叫んでいます。 それは、トラブルの再体験を引き起こします。 再体験を何度も引き起こすと、あっと言う間にトラウマが出来上がります。 再体験は、イメージを想起するだけでも、実際に体験したと同じような心身の体験となると言われています。 冒頭に書いたことばは、すべて、相手に言ってもらうことばではなく、 被ったトラブルの出来事を、ご自身が時間とともに受け入れて、 その解釈として、ご自身に発する言葉なんです。 「あんなひどい目にあったけど、今こうして無事ちゃんと生きている。よかった。」と…。 どんな言葉をかけたらいいかは、トラブルの状況によって違います。 でも、「無事でよかった」だけは、止めてくださいね。 本当に心配している気持ちを伝える方法は、言葉を使わない方法になるかもしれませんね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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