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カテゴリ:読書
拙ブログ8月25日に米良美一、8月29日に松下竜一の事を書いた。私が夢中で聴きまくった歌手、読みあさった作家である。この2人が朝日土曜版に載った。 土曜版の「愛の旅人」で松下竜一と妻の洋子さんの話。本にも洋子、洋子と出てきた。松下さんは「洋子病」といわれるぐらい洋子さんを愛し講演旅行でも3日も持たずに帰宅。毎日3時間も一緒に散歩、誕生日にはお互い花を贈り、毎年旧婚旅行に行っていた。 「我が愛を告げんには未だ稚きか君は鈴なる小鋏つかう」 松下さんが高校生の洋子さんに贈った歌。結婚の引き出物は35首の相聞歌 生まれた直後に高熱で右目を失明、母の急死で大学進学を諦め豆腐屋を継ぐ。肺の難病で絶対安静なのに午前2時に起きて日が暮れるまで「言葉を持たぬ野獣のように暗い目をして」働いた。作家になっても病身なのに火力発電所反対運動をしたりハラハラしながら読んだものだ。 この松下青年のたった一人の理解者が洋子さんの母ツル子さんだった。新聞は2ページ、書斎や仲むつまじい夫妻の写真も載っている。 処女作「豆腐屋の四季」のドラマで松下さんを演じた緒形拳さんは会った瞬間、 兄弟と思うくらい似ていたそうだ。 緒形さんはダム建設反対闘争を描いた松下さんの「砦に拠る」の映画化を考えている。この作品は大好きであるし緒形さんが演じたらピッタリ。カンパでもしたい。 「横顔が神々しかった。孤高の闘士で、やるべき事をすべてやって燃え尽きた、いい生涯だった。僕の中で松下竜一はまざまざと生きている」という緒形さん。 福岡県で米軍基地反対運動をする渡辺ひろ子さんは今も松下さんの遺影を基地のフェンスにかけて座り込む。志は引き継がれている。大尊敬する作家である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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