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![]() この映画、ジョン・カーペンターのホラーなのだがあまり評判が良くない。「テンポが遅い」「ショッキングさが足りない」とかね。でも、それこそがカーペンター作品である所以なのだ。息もつかせぬショックシーンの連続、なんてのは他の監督に任せておけばよろしい。自ら担当している音楽に合わせて、ドヨン、ドヨンと進んでいくのがカーペンター流。ショックシーンはあらかじめ予測がつくものが多いが(襲ってくる姿が後ろに見えたり)、心臓のためを思えばいいじゃありませんか。 しかしカーペンターのホラーとしては正統派だ。1983年の『クリスティーン』以来のホラーだが、どちらかというと『遊星からの物体X』や初期の『ザ・フォッグ』に近いかもしれない。もちろん気持ち悪さは数段上だが。 ある古びた教会の神父(管区長)が死亡。同僚の神父(ドナルド・プレザンス)は亡くなった神父の日記や生前の話から、教会の地下に古くから存在する「ガラスの棺に入った緑色の液体」に異変が起きていることを感じ、理論物理学の研究者バイラック教授(ヴィクター・ウォン)に調査を依頼。教授は仲間の教授や部下の若い研究者たちと教会に篭って調査を開始する。しかし教会の周りには不気味な浮浪者達が集まり始め、地面からは大量の虫が湧いてくるのだった。 調査を進めていくうちに、「善」に対する「悪」というのは単なる概念ではなく、素粒子より小さいレッキとした物質であり、ここの「緑色の液体」こそがその物質である、ということがわかってくる。そのため700万年もの間封じ込められていたのだが、現在、少しずつ漏れ出していたのだ・・・ ![]() ![]() ![]() ![]() ドナルド・プレザンスは出演作品が非常に多い俳優だが、カーペンター作品では出世作『ハロウィン』と大傑作の『ニューヨーク1997』に出ている。他には有名な役者は出ていないが、本作の前作『ゴーストハンターズ』に出ていたヴィクター・ウォンとデニス・ダンが引き続き登場。 あまり期待してはいけないが、結構面白いと思う。ジワジワとくる雰囲気の怖さはサスガで、私はこういう方が好きだ。昏睡時の脳に送られてくるイメージ映像なんてなかなか良い。ラストを観た後は、鏡を見るのが怖くなってしまうかも。 ![]() 監督:ジョン・カーペンター 製作:ラリー・フランコ 製作総指揮:シェップ・ゴードン / アンドレ・ブレイ 脚本:ジョン・カーペンター 撮影:ゲイリー・B・キッブ 音楽:ジョン・カーペンター / アラン・ハワース 1987年・アメリカ / 103 分 / 評価:4.0点 / 子供:× ![]() ![]() パラダイム お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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