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ジョン・カーペンターお得意の地球外生命体侵略ものの一つ。例によってあまり評判はよろしくない。ジョン・ウィンダムの小説『呪われた村』が原作で、映画化は1960年の『未知空間の恐怖/光る眼』に続く2回目。つまりリメイクである。派手な見せ場はないが、辺ぴな田舎の町がジワジワと恐怖に冒されていく「まったりとした」展開は、カーペンター向きなのかもしれない。 アメリカ西海岸の田舎町ミドウィッチ。ある日の午前10時、町民全員が意識を失い昏睡してしまう。そして6時間後の午後4時、全員意識は回復したのだが、ある異変が起きる。町民のうち女性全員(といっても妊娠可能な10名)が妊娠したのだった・・・。この事態に注目した科学者スーザン(カースティ・アレイ)は政府から助成金を引出し、新生児の定期検診を条件に補助金交付を提示。町民は全員同意し、一斉に出産の時を迎えた。生まれたのは男児5名・女児4名。1名は死産とのことで、遺体はスーザンが持ち去った。 数年後、子供たちは順調に成長しているが、親たちのうち数名は不可解な死を遂げる。そして子供たちは・・・。 何年にもわたる話なので、テンポはゆっくり。ショッキングなシーンはほとんどないので、ホラーではない。ただ子供たちの念力で大人が自らの腹を切らされてしまう辺りはスリリング(といっても直接的な描写はないのでご安心?を)。子供たちは地球外生命体の子供で感情を持たない。母親はその宿主に過ぎず、親を親とも思わないのだが(当然か)、一人だけ母子の情が芽生えそうになるのが救い。しかし、無表情で迫ってくる子供って不気味だ。もし自分の子供が感情を失くしたらこうなるのか?と思うと結構怖い。 さて、この作品は何と言ってもキャスティングである。主役の医師を演じるのはクリストファー・リーヴ。そして町の牧師役はマーク・ハミル。クラーク・ケントとルーク・スカイウォーカーの共演なのだ(奇しくもこの二人、生年月日が全く同じである)。ご存知のようにリーヴはこの後、1995年5月に落馬事故を起こし、首から下が不随となってしまうので、健康体で出演した最後の作品となってしまったのだ。そのせいか、何となく物悲しい雰囲気がある。ハミルはあまり活躍しないのが残念。他には『ストリート・オブ・ファイヤー』のマイケル・パレ、『クロコダイル・ダンディー』の妻役(実生活でも妻)だったリンダ・コズラウスキーも出ていて、不思議なほど豪華メンバーが勢揃い。まあ、この辺が一番の見所なのか。 ということで、あまり幅広くお勧めできる作品ではないが、一見の価値はあるのかもしれない。カーペンター・ファンの評価もマチマチのようだ。場面進行がいつものテンポなのに雰囲気がちょっと違うのは、キャスティングと音楽のため。音楽がおなじみのドヨンドヨンでないのは、共同担当がいつものアラン・ハワースではなく、デイヴ・デイヴィス(キンクスの!)だから。こんなところも豪華な作品である。 監督:ジョン・カーペンター 製作:マイケル・プレガー/サンディ・キング 原作:ジョン・ウィンダム 脚本:デヴィッド・ヒメルスタイン 撮影:ゲイリー・B・キッブ 音楽:ジョン・カーペンター/デイヴ・デイヴィス 1995年・アメリカ / 98分 / 評価:4.0点 / 子供:△ 光る眼 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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