火袋とハシリ
近所の家の、台所の壁の塗装を引き受けました。
昔からの土壁の上にペンキを塗るのですが・・・
(左が塗装済、真ん中が途中、右が未着手部分)
この高さまでは脚立で塗れるのですが・・・
問題はこの「火袋」です。
要は一階から2階の天井までの高さなので・・・危険な為この火袋部分の塗装はしない事になりました。
まあ見上げないと目に入らない部分なので「まあ良いか ! !」と言う所です。
左が未塗装部分、右が塗装済部分、上が塗装断念部分です。
断念部分も有りましたが2日間要して完成しました。
ところで、ここからが本論なのですが・・・・「火袋」を書くために念のために検索はしますと・・・・
次の様に書かれていて・・・
『1 暖炉の、薪炭など燃料を燃やす所。
2 灯籠(とうろう)の火をともす所。
また、行灯(あんどん)や提灯の、紙の覆(おお)いをした部分
3 暖炉の薪炭をたくところ』
私の言いたい火袋の意味の説明が無いのです...
色々探してやっとここの「京町家用語集』で私の言いたい「火袋」の説明を見つけました。
この様に書かれています。
『ハシリの吹き抜けの上部空間をいう。機能的には煙出しと防火上の配慮であるが、室の熱気を吸い出したり、高窓によって採光を計る機能も果たしている』
台所の上の吹き抜け部分を「火袋」と云うのは京都の方言で、他では言わないのですかね??
そして、話がまたまた広がりますが、上の説明に「ハシリ」と書かれています。
そう言えば、昔は台所の事を普通にハシリと言っていたが今は言わなくなった懐かしい言葉です。
高齢の私が今は全く使わず、忘れていた懐かしい言葉ですので、もう死語と言えるかもしれません。
ハシリはこれも京都の方言ですかね?? (家の構造上の独特の言葉かも知れませんが・・・・)
話を元に戻して、いつも登場するこの灯籠の横矢印の部分を上記の説明により、火袋と云うのは初めて知りました。
灯籠の各部位の名称はここに説明されているのですが・・・
一番上のタマネギのような部分を宝珠(ほうじゅ) と云うと書かれていますが上の写真の灯篭にその宝珠がありません。
何故無いかと言いますと・・・・去年の大阪北部地震の時に京都なのに真下の縦矢印の場所に落ちてしまったのですが・・・
重たくて揚げられないので、そのまま千両の茂みの中放置したままなのです。