ホテルの向かいにある美容室の兄ちゃんに髪を切ってもらって、
軽い気分で4ちゃんとモンティ地区に出かけました。
土曜の夜だし。訪れたエノテカでは干鱈のサラダが食べられます。
わたしは干鱈とりんごとチーズのサラダ。
けっこうおいしかったです。
おかしいことにワインバーなのに、2人してワインを飲みませんでした。
それからかすみとたまきと合流。
場所を移してスペイン階段近くの
有名なジャズクラブGREGORY'Sへ。
なんとローマ在住もうすぐ7年目にさしかかろうというのに、
しかもこの近くで長いこと働いていたのに、
来たことがありませんでした。
ブルーノートがないローマでは、
おそらく一番のジャズのライブハウスだと思います。
わたしはパイを砕いたものとイチゴのデザートを食べました。
とてもおいしかったのですが、
お酒がけっこう入っていたようで、
下戸のわたしはすっかり調子よくなってしまいました。
昨日のライブはクラリネット、ピアノ、ベース、ドラムのカルテットで、
はじめはスタンダードをまじえた
分かりやすいジャズナンバーのステージ。
イタリアは日本と違ってプロもアマも聴く人も、
とにかくジャズ人口が極端に少なく、
ジャズライブを観に来る人というのも
ほとんどがジャズを知らない人ばかりです。
でもイタリア人気質のいいのは、
彼らはライブパフォーマンスを楽しみに来ているので、
楽しければ盛り上がるところです。
ミュージシャンも「見せる」ことを心得ているので、
もちろんそれに応えて楽しませてくれます。
クラリネットの『エアメール・スペシャル』、久々に聴きましたが、
やっぱりかっこよかったです!
正直、日本でプロの知り合いや
セミプロの友人たちのライブを聴いてきたわたしにとっては、
音楽的技術には物足りないものを感じましたが、
パフォーマーとしては彼らは実に素晴らしく、
観客もみんな心を打たれたり、
思いっきり笑ったりしていました。
わたしも4ちゃんもその観客の中にいました。
このカルテットのリーダーのクラリネット奏者は、
セカンドステージの途中でドラムの位置を奪い、
ピアノトリオで演奏を始めました。
びっくりしたことに、ドラムもそれなりに叩けて、
しかも大道芸人ばりのアクロバット、
スティックを回し投げしながらの演奏をしたのです。
白目をむいて掛け声出しながらの迫力のある演奏でした。
あらまクスリやってるんじゃないかしら?
こんなの練習するなら
クラリネットもっと練習しろよーと思いましたが、
イタリアはこれでいいのかもな、とも思いました。
だって美容室で読んだ、
京都に住むイタリア人の男の子の投稿を思い出したのです。
「日本の生活というのは『まったく楽しまない』それです」。
友達を飲みに誘えば誰もが必ず、
三週間後までいっぱいのスケジュールが書かれている手帳を見て、
結局「ごめん、ダメ」と断ってくるのだそうです。
彼によれば日本人の唯一のストレス発散の場はカラオケ。
閉めきったタバコ臭い狭い部屋で、
一人一人歌い回していくというのが不思議に見えるのです。
この子の意見は極端に日本を非難していて、
よほどまわりにいい友達がいないのか
とてもつまらない生活の様子を綴っていました。
確かにバイトもせずに親の金で30過ぎるまで大学生やってて
ディスコとパブとビーチ通いは楽しいよねーと
わたしは京都に嫌味の一つも言ってやりに行きたいと思いましたが。
まとまらなくなりました。
つまりジャズ。
技術の日本と楽しさのイタリアと。
半々だったら丁度いいのに。
ちなみにベースのお兄さんは
パパイヤ鈴木に瓜二つでした。
帰りは夜のヴェネト通りを4人で歩きました。
また来週も行こうと思います。
2時過ぎに家に着いて、ふとテレビを付けたら、
ちょうど円谷英二の映画が始まるところだったので、
見始めました。
題名は分かりませんでしたが、すごく昔の作品だと思います。
しかし特撮が使われており、
人が飛んだりしているのがすごかったです。
これは当時の海外では衝撃的だったのではないでしょうか。
しかしもちろん当時この映画が
こちらに持ってこられているはずがありません。
今になってその良さが認められて字幕が付けられて
深夜に放映されているのでしょう。
日本映画オタクたちは見ているはずです。
しかしわたしは眠ってしまいました。
【後日談】
ググってみれば、この映画はなんと『宇宙大怪獣ドゴラ』(1964年)でした。
マニアック…。
ドゴラ出てくる前に寝ちゃった…。無念。